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ブログから導く消費者の生の声!クチコミデータ有効活用への道

ビリーズブートキャンプはブログ上でどう語られたのか?ヒット商品から読み解くクチコミデータ超活用術

ブログを使ってある商品の動向などを調査した場合、全体の動向を把握することが非常に重要である。今回は2007年前半の話題をさらったビリーズブートキャンプがブログ上でどのように語られていったのかを検証してみる。

仮説はないが、とにかくブログで何が語られているのかを見たい場合

 ブログの調査をしたい人は主に以下の3つうちどれかを考えている。

・仮説はないが、とにかくブログで何が語られているのかを見たい
・仮説の検証をしたい
・新しい発見をしたい  

 このどの場合においてもブログの調査はまず全体像を把握することが必要だ。  

 どんな調査においても仮説を立てることがとても重要となる。ブログも例外ではない。クライアントが「ブログでうちの商品がどんな風に語られるかとにかく見たい」と言ってきた時、あなたは対象期間においてその商品がどのようにどれだけ語られているかをクライアントに見せることになるだろう。

 だが多くの場合その調査結果を見せても「ふうん」で終わってしまう。仮説も視点も何もないのでクライアントは調査結果を見ても何も感じない。多分このような経験をした人は多いと思う。仮説がない場合におけるブログの調査結果はクライアントの仮説を立てる土台、発見をするためのガイドとならなければならない。従ってあなたが調査をする場合、何か目新しいもの、何か興味深いものを探しながら調査を進めていく必要がある。

 例えば、ある商品をブログで調査すると、その多くはCMに出演しているタレントに関して語られていて、商品そのものに関してはほとんど語られてないことが見えてくる。しかもCMに関して語っている人と商品について語っている人が、書かれている内容から全く別の層であるように見える。

 これはある種の男性人気アイドルを用いた時によく現れるパターンで、「ある種の男性人気アイドルをCMタレントに起用した場合、タレントに関する話題量は凄く多いのだが、商品そのものの認知にあまり繋がっていない」という仮説を立てることが出来る。

 また、ある商品はCMの中に出てくる独特のキャッチフレーズに関して特に多く語られている。そのフレーズはCMから離れて日常の中でも使われているようで、「CMにリズム感のあるキャッチフレーズを入れると、それは消費者間で語られ広がっていく」という仮説が生まれる。

 そして、あるロックバンドについて調査した時、そのロックバンドの書込みには、同時に歌詞にこだわりのある別のいくつかのロックバンドがいつも語られる。どうやら「このロックバンドの歌詞に対するこだわりが消費者にうけており、それが同様のロックバンドを引き寄せているようだ」という仮説が生まれる。

 ブログを「何か発見しよう」という視点で読んでいき、全体像を描けば、かならず興味深い書込みが現れてくる。いくつかの興味深い視点を加え、クライアントに全体像を見せる。そしてクライアントにそこから仮説を作るべきだと即す。あるいは自ら提案をする。

 そうなればその調査に意味が生まれるだろう。あとはクライアントのその商品に対する熱い思いを引き出せば大きな成果を得るかもしれない。仮説を生む読み方に関しては後半でビリーズブートキャンプを用い述べる。

仮説の検証をしたい場合

 仮説検証でも僕は、まず商品のブログに関する書込みの全体像を把握することを勧める。多くの人は、クライアントから「ある商品における今回のCM効果を知りたい」というようなお題が来た時、(無意識にしろ)全体像を把握せずにすぐに仮説を立て検証をする。

 例えば、「話題量の大きさが前回キャンペーンに比べ多いだろう」という仮説。調査をすればいずれにしろ結果は出るだろう。「前回のキャンペーンより倍の話題量がありました」とか「前回のキャンペーンと同程度の話題量でした」などだ。しかしそれでは深みがない。やはりこれも「ふうん」で終わってしまうだろう。

 一方で、もしあなたが、最初に全体像を把握しておけば、お題に対してさまざまな仮説を立てることが出来、それに対していろいろなアプローチの視点が生まれやすくなる。それはそのまま調査に深みを持たせる事が出来る。

例えば、話題量全体のボリュームが前回と同じでも、これまではCMについて語っている人のほとんどは商品について語っていなかったが、今回のキャンペーンの性質から、CMについて語っている人が同時に商品についても語っているブログが増えたと仮説を立て調査をし、CMが商品の認知に繋がっているかどうかを調査するという視点が生まれる。

 また、CMで使われるキャッチフレーズが徐々に広まっているという仮説から、キャッチフレーズの話題量を時間軸に沿った折れ線グラフにし、キャッチフレーズが訴求しているかどうかを調査するという視点が生まれたりするのである。実際、全体像をリテラシーの高い大手広告代理店の担当者に見せると、さまざまな仮説やストーリーを作り、検証法まで提案してくる。

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この記事の著者

磯部 拓(イソベタク)

1971年生まれ、博士号を取得後アテンション入社。現在は株式会社アテンション戦略企画部に所属し、マーケティングリサーチ、分析、レポーティングサービスを行う。また「恋愛専門ドットコムα版」の作家兼ディレクションを行い「...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/09/05 11:00 https://markezine.jp/article/detail/1624

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