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ネット業界職業図鑑

東急ハンズの「ヒント・マーケット」実現の鍵はネット戦略!
ITで企業改革を推し進める「CIO」の仕事とは?


ネット業界のさまざまな職業を紹介する本連載。今回は、東急ハンズのITシステム部門で精力的に活躍中の長谷川秀樹さんに登場いただきました。いち早く社内システムにクラウドを導入し、TwitterやiPhoneなどと連携した販促活動を展開するなど、そのユニークで型破りな仕事ぶりを紹介します。

様々な人々との綿密なコミュニケーションが原動力
企業改革の推進役としてIT戦略立案から実装、運営までを担う

東急ハンズ
http://www.tokyu-hands.co.jp/
http://www.hands-net.jp/
多彩な生活用品を「ヒント」とともに提案、販売する東急ハンズ。IT改革を進め、豊富な経験と情報活用を武器に新たなステージを目指す。

iPhoneアプリ「Hands Valeintain」
(現在このサービスは行なっておりません)



 生活からホビー、ビジネスに至るまで、個性溢れる多彩なグッズを取り扱う「東急ハンズ」。たとえ目的がない場合でも「ハンズに行けばおもしろいものが見つかる」と足を運ぶファンは多い。

 しかし、そんな東急ハンズも、消費者ニーズの多様化やネットショップの急成長により、新たな戦略設計が必要になってきた。その答えとして掲げたのが、「ヒント・マーケット」というコンセプトだ。様々なライフスタイル、感性を持つ顧客一人ひとりに対して、生活を豊かにするためのヒントを商品とともに提案する。今回登場いただいた長谷川秀樹さんは、それを『サザエさん』に出てくる“三河屋さん”にたとえてこう説明する。

 「“三河屋さん”は、一人ひとりのお客様のニーズや好みをよく知っていて、商品提案もごく自然にやってますよね。もちろん、まったく同じことをするわけではないですよ(笑)。ただ、より一人ひとりに対して価値のある商品と情報を提供することが求められているならば、ITを効果的に用いることで少しでも理想形に近づければと考えています」

 “東急ハンズが新たなステージへ進化するために不可欠なIT戦略立案と開発を行なうこと”。そのミッションのもと、長谷川さんはコンサルティング会社から、CIOとして招かれた。そして、着任早々からクラウドシステムの導入やiPhoneやTwitterと連携したプロモーション、会計・人事システムの導入、営業系システムの自社開発化など、数々のプロジェクトを牽引してきた。そして、その中の一施策として、ECショップの再構築に目下取り組んでいるという。

 「これまでは倉庫型のECショップだったんですが、売上は店舗と比べても低い。倉庫費用がかかるし、在庫管理も行う必要がある。だから、ECを単独で運営するのではなく、店舗と業務を融合し店舗サービスの一部と位置づけ店舗型のECにしようと考えました。当然、通販事業部(当時)を廃止し、店舗組織と統合するわけなので、各部署の理解と協力を得なければならない」

 IT部門側から業務部門側への提案は、なかなか難しいときく。現場の負担や混乱を懸念する人は少なくないからだ。長谷川さんは、着々とプロジェクトを進めることができた理由として、経営陣からの全面的なサポートを得られたことをあげる。そして、業務部門担当者との対話によって信頼を獲得できたのではないかと語る。

 「大きな改革は、経営陣の後ろ盾なしでは、絶対に不可能です。弊社の社長は“お客様にとって有益であること、会社にとって有益であること”の施策に関しては、必ず、Goサインをだします。それが、大きな組織変更やリスクを伴うものに関しても、です。普通の経営者は、自分の任期中はリスクをとりません。サラリーマンを上に行けば行くほど、安定(=保身)を求めるからです。ただ、弊社は違いました。私は、ハンズで働いていてラッキーだと思います」

 そして、経営層や部門長だけでなく、部内や部外のスタッフにおいても「対話」の重要性は変わらないという。

 「とにかく、社内を徘徊、パトロールしまくっています(笑)。誰だってよく知らない人に仕事は任せたくないでしょう。いつどんな形でいっしょに仕事をするかわからない。情報部門はどんどん部外に出て、関係性を作っていく必要があるのではないでしょうか」

 その効果は、必ず作ったモノにも現れるという。たとえば、今年のバレンタインデーにリリースしたiPhoneアプリ「ラブデコ・ハンズ」は、チョコレートのデコレートレシピが見られるほか、実際に画面上でデコレートし、Twitterなどにも投稿可能というものだ。

 「このインタフェイスやイメージは、店内に掲示されたポスターなどとトーン&マナーがほぼ同じなんですね。これは簡単なようでいて実は難しい。担当メンバーが異なれば、印象がずれることも少なくないんです。やっぱりずれなかったのは、営業企画部門とIT部門の連携が密にとれていたから。実際のシステムや業務にも同じことがいえるのではないでしょうか」

 東急ハンズでのこうした取り組みは、多くの場合、ノンオフィシャルなやり取りからはじまるという。

 「企画書を書いて、それを部内で精査して、ということはほとんどないですね。それよりも、いろいろお客様や店舗の話から、世間で流行っていることなどまで、雑談しているうちにアイディアが出てきてやってみる。東急ハンズに来るお客様は“ワクワク”感を求めてやってくるわけでしょう。私たちが楽しいと感じなければ、伝わらないと思うんです」

 リラックスした状態で仕事の話をする、そこで生まれたものを詰めていくために真面目に会議をする。時に仕事抜きで飲みに行くこともある。そうした様々な形でのコミュニケーションが必要だという。そして、それは長谷川さんの場合、社内に限ったことではないようだ。(続きはキャリアジンでご覧ください)

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この記事の著者

「ネット業界職業図鑑」制作チーム(ネットショクギョウズカンセイサクチーム)

伊藤&五月女の男女ユニットで、ネット業界の様々なプロフェッショナルを紹介します。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/04/04 10:24 https://markezine.jp/article/detail/13570

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