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ブログから導く消費者の生の声!クチコミデータ有効活用への道

小西真奈美の「ぐびなま飲も!」は消費者に響いたのか?~ブログで見るTVCMの効果~


前回は、ブログを使ってクチコミデータを活用する際の長所、短所を簡単に述べました。今回からは、実際にデータを用いてクチコミデータの分析のハウツーを解説していきます。

突然の指令、さてどうする?

 上司に「この商品の反響をまとめといて」と言われた時、ブログを調査に用いるなら次のようにすると良いだろう。まずその商品に関して

  1. どれくらいの量が書き込まれたのか?
  2. 何が書かれているのか?
  3. どのような印象だったのか?

 の3つを調べてみる。この3つを的確に調べれば、「消費者のこの商品に対する反響を示唆する資料を作りました」と言えるはずだ。

 しかし、ブログひとつひとつを読んで、Excelなどを用いてカテゴリー分けしたり、日記から受ける印象を分類しながら記録していたら日が暮れてしまう。最近はブログを対象としたマーケティングリサーチがブームになり始め、検索エンジンでブログの検索が可能になり、便利なテキストマイニングのサービスも増えてきた。現在その1つの極めつけが「ブログクチコミサーチ」であるといえるだろう。今回は、このサービスを利用することで上記の課題に対してどのような結果が得られるかの概要に関して述べたい。

どれくらいの量が語られてるの?

 これは、そのブログエントリー数を見る事で推察出来る。ブログクチコミサーチで収集されているブログは1日に20万エントリー程度である。これは日本における1日のブログの書込みの少なくとも数10%を占めていると考えられる。統計学的には問題がないと言って良い数だろう。例えば僕が愛用している資生堂TSUBAKIに関して、ブログクチコミサーチで適当と思われるキーワードを入れ検索を行うと【図1】のようなグラフが作成される。

【図1】 エントリー数の推移のグラフは、縦軸がエントリー数。横軸が時間(週)。
関連語表は、それぞれの週における資生堂TSUBAKIに関して
書き込まれているブログに出現するキーワードの表。頻度の多い順に並んでいる。

 そのグラフにはいくつものピークが見られる。例えば一番右の赤い矢印が指し示す2006年12月24日週のピークは4月23日週のピークに比べ1/5程度である事、10月1日、10月29日の2つのピークと12月24日週のピークはさほど差がない事が分かる。あなたが、12月24日週のピークに興味があるのなら、これらの事から12月24日週のピークでの話題の量を相対的に評価出来る。

竹内結子効果で話題に

 更にそのピークに、キーワードに関係する言葉(以後、関連語という)を見ていくと、そのピークにおいて、何が話題になっているかが分かる。例えば、2006年2月26日週のピークの日付部分をクリックするとブログの生の声を読む事ができる(ここでは著作権の関係で生の声は示さない)。

 それを読むと資生堂TSUBAKIのCM発表会見が話題となっている事が分かり、更に関連語が頻度順にならんだ関連語表には、「竹内結子」「出産」「ママ」と書いてある事が分かる(【図1】左の点線)。この関連語表と生の声を合わせると、この2月26日週のピークでは、資生堂TSUBAKI発売前に行われたCMの発表会見で、「赤ちゃんを産んだ竹内結子が出産後初めてマスコミの前の姿を現した事」が話題の中心となっているのをみてとる事が出来る。

 ちなみにこれまで資生堂TSUBAKIで一番話題になった4月23日を含む週は、「SMAPが歌うCMの曲」と「資生堂TSUBAKIの販売により、ユニリーバ・ジャパンがこれまでシャンプー・リンスのメーカー別シェア1位だったのを資生堂が抜いて1位になった事」が話題の中心となっている(【図1】右下の表)。

 このようにテキストマイニングのサービスを用いれば、ほとんど時間をかけずにキャンペーンのインパクトとその時何が話題となったのかを見る事が出来るのである。

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この記事の著者

磯部 拓(イソベタク)

1971年生まれ、博士号を取得後アテンション入社。現在は株式会社アテンション戦略企画部に所属し、マーケティングリサーチ、分析、レポーティングサービスを行う。また「恋愛専門ドットコムα版」の作家兼ディレクションを行い「...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/07/09 18:58 https://markezine.jp/article/detail/1370

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