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検索の利便性に商品へのこだわりをプラス
フェリシモが採用したワードクラウド検索「アルファスコープ」

 欲しい商品を最短ルートで探せるように。通常、ECサイトの検索はそのような設計思想で作られているが、カタログで商品へのこだわりを伝えてきた老舗通販会社のフェリシモには容易にその思想を受け入れられなかった。「エレガント」「味わい」「すっきり」といった形容詞的な商品に込めた思い。それを伝えながら買物を楽しんでもらい、さらに検索性も向上させるため、フェリシモが導入したナビゲーションシステム「アルファスコープ」の効果とは?

機能性も大事だがこだわりを伝えたい ~ 思いを実現させたワードクラウド

 検索性の良さが大切だというのは理解できるが、商品へのこだわり・思い入れも伝えたい。だから一般のECサイトで採用されているような検索方法を安易に導入するのは…。老舗通販会社の株式会社フェリシモが抱えていたのは、そんなジレンマ。理想と現実にどう折り合いを付けるか悩んだ末、同社が選んだのは株式会社プラスアルファ・コンサルティングの開発したサイトナビゲーション「アルファスコープ」を採用することだった。

 検索時に商品カテゴリーを指定したら、あとは商品のコンセプトで選んでもらいたい。そんな思いから、フェリシモは検索機能をリニューアル。アルファスコープを導入し、ワードクラウドが検索画面上に表示されるインターフェイスへと刷新した。

「アルファスコープ」を採用したフェリシモの検索画面:
ワードクラウド内に、関連性の高いワードやサイト側が訴求したいワードを表示することができる
画像の埋め込みやデザインなどのカスタマイズも可能で、ユーザーと商品との思わぬ出会いを作りだす検索機能として利用されている
「アルファスコープ」を採用したフェリシモの検索画面:ワードクラウド内に、関連性の高いワードやサイト側が訴求したいワードを表示することができる画像の埋め込みやデザインなどのカスタマイズも可能で、ユーザーと商品との思わぬ出会いを作りだす検索機能として利用されている

 同社マーケティング本部eビジネス部 部長の島重仁氏は、アルファスコープを採用した理由について次のように説明する。

アルファスコープの面白いところは、視覚的に商品カテゴリー、商品の機能性、形容詞的なお客様の好みといったワードが雲のように浮いているインターフェイス。われわれの『お客様のイメージを膨らませてから買っていただく』というアプローチと、うまく掛け合わせることができそうだと感じました」(島氏)

 リニューアルの結果、サイト内での検索ページのPV数は1.5~2倍に。ユーザーからの評判も上々だ。

Web推進の一方、導入から商品の良さを伝えられるカタログにもこだわり

 フェリシモがそこまで検索の見せ方にこだわっていたのには、同社のユニークなビジネスモデルと関係がある。

 フェリシモは「コレクション」という独自の販売形態を採用。ブランドごとにラインアップされたパンツやシャツなどのシリーズを選び、毎月「継続するか、停止するか、あるいはコレクションするシリーズを変更して継続するか」と確認するシステム。端的に言えば、毎月定期的に商品が届く頒布会形式に近い。

 服のサイズだけ指定して、色やデザインがどんなものかは、届くまでのお楽しみ。ブランドごとのコンセプトに沿って、こだわって作った商品を試してもらいたい。普段買わないような商品でも、新しい自分を発見する機会にしてほしい、というのがフェリシモの思い。それが支持され、顧客からは「フェリシモさん」と親しみを込めて呼ばれている。

 同社は元々、カタログを主な販売チャネルとしていたが、1995年にはECサイトを立ち上げ、現在は月間PV8000万の大型サイトに成長している。顧客の利便性を高め、郵送やファクスによる受注の手間・経費を削減しようと、現在はWebでの受注率100%という目標を掲げている。

 ECサイト経由の注文率が57%にまで伸びているが、それでもカタログを捨てるつもりはない。カタログというメディアは、導入部分から語りながら商品の良さを伝えていける。そんな特徴を評価しているからだ。

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ライフスタイルの変化により表面化してきたECとカタログ通販のバッティング

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2012/02/28 21:24 https://markezine.jp/article/detail/14004

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