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ページネーションはSEOのための「魔法のテクニック」なのか (後編)


  検索伝道師、渡辺隆広がSEOとページネーションをテーマに解説していきます。今回の記事では、ページネーションの具体的な処理方法について解説していきます。

 後編となる本記事では、ページネーションの具体的な処理方法について解説していく。

 ただし、前編で言及した通り、ページネーション処理において「正解」が存在するわけではない。サイトのビジネスモデルやターゲットオーディエンス、コンテンツの種類・情報点数、KPIといったビジネス・マーケティングの要件により、最適なページネーションの処理が異なるためだ。

 そこで本記事では、最も代表的で、基本的な考え方を提示できるものとして2つの想定ケースを元に話を進めていく。

 9月15日(米国時間)にGoogleよりページネーションに関する新しいオプションが発表されたが、(1) 動作に不明点があること、(2) 利用価値がある場面が比較的限定されること、(3) 本記事紹介の方法でも必要条件を満たせること、といった理由から言及していない。

検索会社のアドバイスが必ずしも正しいわけではない

 本論に入る前に1点、大切な事項を説明しておく。

 広く情報収集を行っている方の中には、過去に米Googleや米Yahoo!社のエンジニアがページネーションについてのアドバイスを行っている記事や講演を見聞きしたことがある方がいるかもしれない。しかし、本記事では、とりわけ直近で本件に言及している、米Google・Matt Cutts氏の意見とは相容れないアドバイスも取り入れている。

 一般に「検索エンジン会社のアドバイスは正しいのではないのか」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれない。しかし、検索エンジンの技術的な事柄に関する話はともかく、サイト制作・開発やユーザーエクスペリエンス(以下、UX)に関する話は、必ずしも検索会社側の人間のアドバイスがすべてに適用できるわけではないことに注意して欲しい。

 とりわけ本件・ページネーションについては、米Googleでもエンジニアによって(同じ事例に対しても)異なる見解を述べていたりする有様である(当然ながら、ランキングアルゴリズムに関する事柄なら、こうしたことは通常起こらない)。つまり冒頭で触れた通り「前提条件によって異なる」し、条件が同じでも「最適解」は異なるのだ。

 以上を踏まえて、以下、15年あまりこの業界を見てきた筆者の経験から、2つのケースについてのアドバイスを示していく。考え方のヒントとしてとらえていただければ幸いだ。

「ニュース記事ページの分割」と「商品一覧ページの分割」

 ページネーション処理の基本的な考え方を理解していただくために、代表的なケースとして

  1. ニュース・コラム記事のページネーション
  2. 通販サイトの商品一覧のページネーション*

 の2つを取り扱っていく。この2つのケースを選択したのは、ページネートされた個々のページを、できる限りインデックスしたい(前者)と、インデックスされること自体は必要要件ではない(後者)といった違いがあるためだ。

 たとえば、『ページネーションはSEOのための「魔法のテクニック」なのか(前編)』は比較的長文であるため、編集部にて2ページに分割をしている。

 1ページ目 http://markezine.jp/article/detail/13533

 2ページ目 http://markezine.jp/article/detail/13533?p=2

 両URLは共に同じタイトルが付けられているが、掲載されているコンテンツ(文章)は異なる。http://--?p=2はサブセットに過ぎない。

 こうしたサイト・ビジネスにおいて、訪問者に常に最初のページから順番に目を通して欲しいのかという会社や編集部側の意向はさておき、ユーザーの検索意図に対する回答が2ページ目に含まれているのであれば、検索結果に2ページ目へのリンクが表示される方がユーザーにとっては便利といえるだろう。

 つまり1ページ目も2ページ目も検索エンジンにインデックスされ、検索クエリによっていずれかが検索結果に表示される状態が望ましい【注】

 メディアによりスタンスが違うようで、「ニュース記事を分割してある場合、検索結果に表示させるのは先頭ページだけにしたい(=記事の頭から読んでほしい)」」と考える会社もあるようだ。この場合の対処法は後ほど言及する。

 一方、通販サイトにおける商品一覧ページのページネーションは考え方が異なる。商品一覧ページとは、a)サイト内検索結果やタグクラウドなどで生成されたページ、b)情報分類されたカテゴリ単位のページが考えられるが、(外部の)検索経由で情報到達を試みるユーザーは、目当ての商品の詳細ページであり、一覧ページそのものをみたいわけではない。

 もちろん「カーディガン」「デジタルカメラ」「新築マンション 新宿」といった、元々情報一覧を求めているであろう検索クエリもあるわけだが、こうしたケースはその一覧ページの1ページ目に到達できれば良いわけで、2ページ目以降への直接アクセスが求められるケースというのはきわめて希だ。

 また、ニュース記事などの場合は(最近は1つの記事だけで10分割しているようなサイトも見かけるが)一般的には2~4ページ程度にわたる分割を想定すれば良い。

 しかし通販サイトの場合は、ビジネスによって情報点数がスケールするため、数十~数百件を一覧ページで表示するようなケースも想定して設計していく必要がある。

 このように、同じページネーション実装を考える場合でも両者は決定すべき要件が異なるため、本記事ではそれぞれのケースを1つ1つ解説していく。

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この記事の著者

株式会社アイレップ 渡辺 隆広 (カブシキガイシャアイレップ ワタナベタカヒロ)

株式会社アイレップ 取締役CSO SEM総合研究所 所長1997年SEOサービスを開始、2002年に会社設立(株式会社イー・プロモート)後、2003年に退社。2005年4月より株式会社アイレップにてサーチエンジンマーケティング総合研究所所長を務める。主な著書に「検索にガンガンヒットするホームページの...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/10/21 10:26 https://markezine.jp/article/detail/14447

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