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ソーシャルメディアの変化をデータから察知して施策に落とし込む「楽天トラベル」のソーシャルメディア運営術

 企業のソーシャルメディア活用が広がるなか、運営担当者はSNSのクチコミや反響数データをチェックし、新たな施策に落とし込む作業を迅速に行うことが求められている。ユーザーローカルのソーシャルメディア解析ツール「Social Insight」はわかりやすくデータを視覚化し、行なった施策の成果をリアルタイムに知ることができるツール。今回は、総合旅行サイトを運営する楽天トラベル株式会社が「Social Insight」を導入し、どのように活用しているのかを聞いた。

楽天トラベルがソーシャルメディア分析・運用のためにSocial Insightを導入

 ソーシャルメディアを活用する企業は増えているものの、的確にデータをチェックして分析し、施策に落とし込んでいる企業はまだ少ないだろう。総合旅行サイト「楽天トラベル」を運営する楽天トラベル株式会社は、Facebookのファン数が22万人、Twitterのフォロワー数は6万4000人。同社はこうした数字に満足することなく、独自のノウハウでソーシャルメディアを活用している。

 同社が導入したのが、ユーザーローカルの総合ソーシャルメディア解析ツール「Social Insight」。Facebook、Twitter、mixiページ、Google+、YouTubeなど、主要なソーシャルメディアに対応。クチコミ傾聴、アカウント・ファン分析、ソーシャルCRMまで幅広い分析・管理機能を提供している。また、上の画面を見てもわかるように、非常にシンプルでわかりやすいデータの視覚化も、忙しい運用担当者にとってはありがたい。

 Social Insightを活用して、日々のソーシャルメディア運営をどのように行っているのか。楽天トラベルの3人の担当者に話を聞いた。

総合旅行サイトとして、自社サイト以外のSNSでも顧客にリーチしたい

 楽天トラベルはネット専業の旅行会社。日本人の旅行に出かける平均は年数回であまり変化していない。業界全体も伸び悩むなかでも、同社は年々順調に成長している。同社では、どのようにソーシャルメディアを活用しているのだろうか?

楽天トラベル株式会社編成・マーケティング部メディアマーケティンググループUXデザイン&ストラテジーグループ藤原健太郎氏
楽天トラベル株式会社
編成・マーケティング部
メディアマーケティンググループ
UXデザイン&ストラテジーグループ
藤原健太郎氏

 「総合旅行サイトとして、いろんなところにタッチポイントをとりたいというのが活用の目的ですね」とソーシャルメディア運営の目的を語るのは、同社編成・マーケティング部メディアマーケティンググループ UXデザイン&ストラテジーグループの藤原健太郎氏。旅行はショッピングと違って、年に数回程度のもの。ソーシャルメディアで見かけた旅行に関する情報を見て、「旅行にいきたいな」と思い出してもらうきっかけにしてほしいという。

 同社のFacebookでの投稿の多くは非常にシンプルだ。美しい観光地の写真と、宿泊やツアー情報についてのいくつかのURLだけで構成されている。

 「写真は観光協会などから許可をいただいて載せています。Facebookのタイムラインは自分の部屋のようなものなので、きれいな写真や楽しさが伝わるものはこちらから『拡散してください』とは言わなくても、みなさん自主的にシェアしてくれます。そのため、旅行に行きたいと思っていただけるようなものを考えて投稿しています」(藤原氏)。

 また、Twitterについて藤原氏は気になる変化があるという。「Twitterは最近ユーザーの使い方が変わってきたなと感じています。昔は『おはようございます』と言っただけでリプライしてくれる人も多かったのですが、最近は減ってきました。でも、見てくれているんです。ですので、Twitterでは刺さる人にはしっかり響くような、会話のネタにしていただけそうなものをこちらからツイートしています」。

Social Insightなら、細かいデータを客観的に把握できる

 楽天トラベルがTwitterの利用を開始したのは2009年。Facebookは2010年からスタートした。その頃と現在では、ソーシャルメディアの使われ方が変化している。そうした違いも、Social Insightのデータからより正確に把握することができると藤原氏は語る。

 「Twitterを始めた頃は、定期的なツイートを配信することでどんどんフォロワーは増えていましたが、今はインパクトがあるキャンペーンを実施しないとなかなか増えません。Facebookもそうですが、キャンペーンが終わると律儀に外す人もいるんですよね。Social Insightを使うことで、そういったキャンペーン前後の細かい効果測定も客観的にわかるようになったのが、よかったです」。

 ソーシャルメディアだけでなく、ネット上でのさまざまな施策を試行錯誤しながら行なってきた藤原氏は、Social Insightにさまざまなメリットを感じている。「自社の状況を見るだけなら、Twitterの数字を毎日見たり、Facebookのインサイトをダウンロードしたりすればいい。Social Insightでは客観的に他社の状況も見られるところがいいですね」。

 キーワード検索もよく使う機能のひとつだ。「良いところも、改善が必要なところも、Social Insightでキーワード設定をしておくと追うことができます。1件のツイートでのご指摘はもちろん重要ですが、件数の増加傾向が一目でわかるので、いち早く対応をすることが可能になります。そこのボリューム感がなかなかわかりづらいんですが、Social Insightでは視覚的にわかるので、対応の指示も出しやすいんです」。 

 Social Insightでは、テキストマイニングの機能が加わり、Pinterestやブログ、ニュースサイトで拡散された動向も見られるようになっている。こうした機能拡充にも藤原氏は期待しているという。

楽天トラベル×宿×ユーザーで作り上げていくソーシャルメディア

 Social Insightを導入し、さらにソーシャルメディア活用を推進する楽天トラベルでは、スタッフのアイデアをもとに、多くの宿も参加できる企画を実施している。

 「楽天トラベルは、お客さまとだけではなく、部屋や在庫を出していただいている宿泊施設や関連会社なども含めて、みんなでやっていかないとうまくいきません。弊社が年に1回行っている企画に「朝ごはんフェスティバル(R)」があります。自慢の朝ごはんを募って、ユーザー投票を行うというものです。今では旅館やホテルでもソーシャルメディアを使っているところがどんどん増えているので、自発的に拡散してくれて企画が広まっていくようになりました」(藤原氏)。

(左から)楽天トラベル株式会社 PRグループ 五十嵐真由子氏、小野寺舞氏
(左から)楽天トラベル株式会社PRチーム五十嵐真由子氏、小野寺舞氏

 こうした企画に携わった楽天トラベル株式会社PRグループの五十嵐真由子氏は次のように企画を説明する。「今までは、朝ごはんの写真に投票するスキームによって頂上を決定していたのですが、今年は上位施設様の調理長などに集まっていただき、実演・実食を経て頂上を決定する「朝ごはんフェスティバル頂上決戦」を実施いたしました。いろんな大きさのホテルや旅館が同じテーブルで戦う場ってなかなかないですよね。今回優勝したのも、10室しかない小さな宿でした」。

 こうした企画もユーザーや宿の人などを通して広がっていくので、同社では、これらもひとつのソーシャルメディア施策ととらえているという。

 また、同社PRグループの小野寺舞氏は、「次は年内に“絶景”をテーマに、ユーザー投票によって頂上を決定する企画を実施する予定です。この企画を通して、宿の新しいウリとなる要素を知っていただくきっかけとなればと思っています」と新たな企画にも意欲的だ。

 Social Insightという解析ツールを導入し、さらなるソーシャルメディア活用を続ける楽天トラベル。ソーシャルメディア運営の重要なポイントのひとつが「継続性」。その点について藤原氏は、「ソーシャルメディアは、ずっと同じようにやっていてもうまくいかなくなることもあるので、トレンドを分析して対応していく必要がある。そういった点でSocial Insightは安価で日本語にも強いのでお世話になっています」と語る。

 最後に藤原氏は、「楽天トラベルのソーシャルメディア活用は、私たちだけでなく、宿やお客さんと三位一体となって旅行の楽しい価値を提供できるよう、みんなで盛り上げていく姿勢でこれからも取り組んでいきます」と締めくくった。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2012/12/04 19:52 https://markezine.jp/article/detail/16639