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FEATURE

「紙→電子書籍化」ではなく「最初から電子書籍」の発想
「impress QuickBooks」の狙いとは

 2016年には2,000億円規模の成長が見込まれている電子書籍市場。しかし、現状はまず紙の書籍がありそれを電子書籍化する傾向が一般的であり、最初から電子書籍で企画する、いわゆるデジタルファースト発想での取り組みはあまり見かけない。一方、インプレスグループが展開する電子書籍ブランド「impress QuickBooks」では、企画段階から電子書籍を想定した「デジタルファースト」にこだわる。果たして、市場規模が縮小し続ける出版業界の起爆剤となるのだろうか。impress QuickBooks事業を推進する北川氏と河野氏に話をうかがった。

デジタルファーストには発想の転換が必要

株式会社インプレスホールディングス 北川雅洋氏
株式会社インプレスホールディングス 取締役 グループ事業開発担当 北川雅洋氏

 編集部:「impress QuickBooks」は電子端末向けの出版ブランドとのことですが、紙の出版とはなにが違いますか。

 北川:一番の違いは、紙の書籍を電子化するのではなく、デジタルファーストの発想で電子書籍をつくることです。企画段階から電子端末向けに、商品開発を行います。

 編集部:紙の書籍を電子化するケースの方が多いと思いますが、あえてなぜデジタルファーストにこだわるのでしょうか。

 北川:紙の書籍を電子化だと電子書籍ならではの良さを活かせていないと感じるからです。

 実は電子出版は、世界に先駆けて日本から始まっています。2000年頃から徐々に拡大し、2011年には600億円規模に膨らんでいます。

電子書籍市場規模の推移(出典:インプレスR&D)
電子書籍市場規模の推移(出典:インプレスR&D)

 しかしコンテンツの大半は漫画で、文芸書やビジネス書、専門書といった幅広い分野のタイトルが流通するアメリカとは、性格が大きく異なります。例えば日本の電子書籍は、端末の制限を考慮していません。表示文字数が少ない端末では、紙向けに編集された書籍はとても見づらかったりします。もっと電子書籍の良さを活かすため、表現、ボリューム、構成など「電子生まれ」の商品開発が必要だと考えました。

 編集部:なるほど、同じ本でも、紙と電子では別モノと考えた方がよいのですね。

株式会社インプレスホールディングス 河野大助氏
株式会社インプレスホールディングス Quick Books 開発推進室 
河野大助氏

 河野:電子書籍とは、印刷や流通業界の「当たり前」から解放されたもの、と考えるとよいかもしれません。価格も、ページ数も自由。書籍は1冊200ページ程度ですが、10ページでも1000ページでもいいんです。

 編集部:まず、ページ数という制約から解放される。

 北川:「impress QuickBooks」のキーワードは「Quick」ですが、そのひとつに「Quickに読む」という意味合いを込めました。文量は2万文字程度で、紙の書籍では30~90ページ前後のもの。通勤通学時などに、コンパクトで気軽に読めるボリュームが、デジタルならではの強みだと考えています。

  編集部:価格はいくらぐらいの設定ですか。

 北川:試行錯誤の途中ですが、大胆な価格設定が可能です。従来のように「200ページだから1,500円」ではなく、50円でも500円でもいいんです。印刷代と紙代から解放されているのですから、読者数と総売上が最大になる価格を設定すればいいわけです。100円が最も読まれる金額であれば、そうすればいい。ちなみに、「impress QuickBooks」の書籍の多くは500円程度です。

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この記事の著者

齋藤 麻紀子(サイトウ マキコ)

フリーランスライター・エディター74年生まれ、福岡県出身、早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。 コンサルティング会社にて企業再建に従事したのち、独立。ビジネス誌や週刊誌等を通じて、新たなビジネストレンドや働き方を発信すると同時に、企業の情報発信支援等も行う。震災後は東北で起こるイノベーションにも注目、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2013/04/04 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17413

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