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Owned Media Report~オウンドメディアマーケティング戦略の潮流

「自社が持つ全ての顧客接点をオウンドメディアと定義」
大和ハウスのオウンドメディア戦略


 企業のオウンドメディア活用の実態をお伝えする「Owned Media Report」。今回は、早くからデジタルマーケティングの活用を進めている大和ハウス工業を訪ねました。オウンドメディアの定義やアドテクノロジー活用について、黎明期からデジタル広告に関わっている大島氏ならでは意見を伺うことができました(聞き手:松矢順一氏)。

今回お話を伺ったのは…
大和ハウス工業株式会社 総合宣伝部 デジタルメディア室 室長
大島茂 氏

入社以来、営業現場、経理、情報システム部門を経験した後、2007年1月より現職の総合宣伝部デジタルメディア室にて、当社のWebサイト及びWeb広告、ソーシャルメディアを統括。不動産という耐久消費財を扱っているため、最近の関心はロケーションサービス、ソーシャルメディアなど。

最も大切な接点は“営業担当”

大和ハウス工業株式会社 大島茂 氏
大和ハウス工業株式会社
大島茂 氏

 ── はじめにオウンドメディアの定義について教えてください。一般的にはオウンドメディア=自社サイトのイメージですが、御社の場合はどのように定義しているのでしょうか?

 はい、私たちは自社が持つ顧客接点の場=オウンドメディアととらえておりますので、商品カタログ、住宅展示場、モデルハウス、建築中の工事現場、営業担当までがその領域に入ると考えております。つまりオウンドメディアはデジタル上だけでなく多岐にわたります。

 例えば、通勤途中にある建設中の工事現場なども非常に重要なオウンドメディアと言えます。雑多になりがちな工事現場をクリーンに保つことで、弊社に対して好印象を持っていただくことにつながります。

 また、自社のターポリン幕(建築・工事現場の垂れ幕)を張り、私たちが建設していることを認知させることもできます。マンションや家屋が完成した後では、どこの会社が建築したのか分かりませんので、PRへ活かすという意味でいうと、建設中の期間が最適なタイミングとなります。

 そして、弊社のようなビジネスの場合、最も大切なコンタクトポイントは営業担当となります。昨今Eコマース企業などでは、アクティブサポートを重要視されていますよね。ただ、弊社の場合お客様対応はすべてリアルで行わなければいけないと考えておりまして、アクティブサポートの役割を営業担当が担っている状況です。

 住宅展示場に来訪されたお客様一人ひとりに営業担当がサポートしますので、Web上のアクティブサポートと同等以上のサービスが既に提供できていると感じますし、24時間対応のお客様窓口、コールセンターなどの体制も整っております。One to Oneのサポートは今まで以上に重要になりますが、各企業が持っている商品によってお客様のサポートは異なるということですね。

 ── 次に御社のビジネスの中で、デジタル活用がどのような意味を持っているのかについて教えてください。住宅展示場やモデルハウスへの送客、ブランディング、ソーシャルメディアを使った顧客接点の場としてなど様々な意味があると思いますが。

 現場の営業担当がお客様と直接会話をするためにデジタルをどう使うかということを常に考えていて、営業担当がいる場所へにお客様に足を運んでいただくことが最大の目的です。

 そのために住宅展示場があり、お客様と商談するリビングサロン(大和ハウス工業の住宅展示場の総称)などリアルでの接点の場があります。営業担当とのコンタクトをいかに作れるかが、デジタルの重要なミッションです。

 また、お客様が私たちを選ぶ大きな動機の一つが口コミです。「あのお家は大和ハウス工業で建てた」というような口コミはもちろん、オーナー様のご紹介も重要な要素の一つです。

 おかげ様で私たちのお客様の満足度は90%を超えている状況ですが、よいことばかりが口コミで伝わるとは限りません。特に拡散される口コミというのは、ネガティブな内容が多くなることも事実です。そのため私たちは、去年より「ダイワファミリー倶楽部」というオーナーコミュニティを開設し、オーナー様同士で会話ができるサイトも作っております。

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この記事の著者

松矢 順一(マツヤ ジュンイチ)

株式会社アサツーディ・ケイ クロスコミュニケーション局を経て、伊藤忠商事株式会社情報産業部門でデジタルマーケティングを担当し、株式会社ADKインタラクティブ取締役就任。その後、楽天株式会社メディア事業副事業長を経て株式会社Tube Mogul執行役員就任。著書には共著で『次世代広告コミュニケーション』『トリプルメディアマーケティング』。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/04/19 12:19 https://markezine.jp/article/detail/17478

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