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「モノを伝えるためにコト作りを重視する」 コーセー『肌極大学』のコミュニケーション戦略

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2013/10/15 08:00

 企業のオウンドメディア活用の実態をお伝えする「Owned Media Report」。今回はコーセーが運営するオウンドメディア『肌極大学(はだきわみだいがく)』のコミュニケーション戦略について同社宣伝部 宣伝企画・PR課の丸山悦史氏に話を伺いました。ブランドサイトとサテライトサイトの位置づけ、ファンを醸成していくための戦略とは?(聞き手:松矢順一)

今回お話を伺ったのは…
株式会社コーセー 宣伝部 宣伝企画・PR課 丸山悦史氏
1993年4月 株式会社コーセー 情報システム部に入社。その後コーセー化粧品販売の営業や関係会社を経て、2003年から宣伝部に所属。宣伝部ではPR業務に従事し、現在は主にWEBコンテンツを中心としたコミュニケーション戦略を担当。

モノより先にコトを届ける

 ── まず、御社のオウンドメディア全体戦略に関して教えてください。商品情報、コーポレート情報などさまざまな情報を発信されていますが、どのような視点・考えで情報を整理し運用されているのでしょうか。

 当社の業態の場合デジタルに加え店頭もオウンドメディアとして定義できます。自店舗は美容スタッフとお客様がダイレクトにコミュニケーションできる場なので様々な商品説明ができるのに対して、ドラッグストアなどの店舗では、他社と何が違うのかなどの商品優位性をしっかり説明できる機会がありません。デジタルでのオウンドメディアはその課題を解決するための手段として活用しております。

 例えば「ファシオ」というメイクアップブランドがあります。商品を伝えるためのメッセージを「まつげ美人」とし「まつげ美人選手権」というコンテンツも開発し、コミュニケーション戦略を展開してきました。また、東日本大震災後というタイミングだった「雪肌精」というブランドでのコミュニケーション戦略においては、CSRの意味合いを持たせつつ「海を守っていこう」というメッセージでコミュニケーションを展開しました。

 このように、私たちは「モノ(商品情報)」を伝えるために、まずどのように「コト(コミュニケーション)」を作り展開していくのかを考えます。コト作りにより商品情報だけを配信するよりもユーザーの接点が拡大し、購買起点になると考えています。

 ── オウンドメディアへの送客プロセスはどうなっているのでしょうか。また、ユーザーが能動的に来訪するためのメディア活用方法のポイントはなんでしょうか。

 送客設計の基本は、ターゲットユーザーに対して何をすれば受け入れてもらえるのかを考えることです。それは、伝えたいことをダイレクトに表現するのではなく、ユーザー心理を考えることだと言い変えられると思います。

 その考え方を起点に、オウンドメディアの全体戦略を構築するようにしています。最初にこちらの伝えたいことがあり、ゴールとしてどうやったら伝わるのかを設計した上で、中身は試行錯誤をしながら決めていく手順で進めています。メディアの活用に関してですが、オウンドメディアに来訪していただくために、当然ながらマスメディアも含めたペイドメディアを活用するケースもあります。

 重視しているのは第三者の記事化による情報発信、パブリシティです。リリース配信会社との戦略的な情報発信や専門美容誌からの情報発信もバランスを見ながら実施しております。パブリシティにおけるポイントは、情報配信の「スピード」と内容の「濃さ」だと思います。

 デジタルメディアへの広告投資で重要なポイントは「効率」ですので、広告投資効率を向上させるためにDSPなども積極的に活用しています。しかし、忘れてはいけないのが効率だけを追求すると徐々に効果が低くなってくるケースがあるということです。数値では見えにくいですが、その情報に触れてユーザーの気持ちが動いたのかという点も意識しなければなりません。

 そのため、広告効果を計測する際も定量的なチェックとともに、どのぐらいメッセージが伝わったのか? どのくらい気持ちが動いたのか? という定性的な効果を評価する視点も同じく重要だと考えております。

ガラケー対応もまだまだ重要

 ── 昨今、スマートフォンからのアクセス数がPCを抜きはじめたという話を耳にすることが増えてきました。一方で業態によってはまだまだガラケーが強いという声を聞く機会もあります。複数デバイスが共存する環境の中、御社ではどのようにデバイス対応をされているのでしょうか。

 デバイス対応はブランドごとにコミュニケーションボリュームをチューニングしつつ行っております。例えばブランドターゲットに40~50代の方が多い場合、まだガラケー所有者の方が多い傾向にありますのでガラケーありきのコミュニケーション戦略を設計します。実際、スマートフォンだけのキャンペーンを実施した際に、お客様から「スマートフォンを持っていない」というお問い合わせをいただくケースも多いです。


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