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O2Oからオムニチャネルへ

アプリが「買物」という行為を変える。
デジタル化する店舗と日本企業が抱えるジレンマ

 アプリ経由の売上が10億ドルを突破したといわれる米スターバックス。店舗とデジタル、このふたつが結びつきを深めることで、いま「買物」という行為が変わろうとしています。海外における店舗のデジタル化の最前線と、日本企業が抱えるジレンマについて解説します。

オンライン→オフラインはそもそも効率が悪い?

 第4回を迎えた当連載では、O2O/オムニチャネル領域の最新事例を見てきました。ここで、O2Oについての大前提を改めて確認してみようと思うのですが、そもそも店舗送客において、起点がオンラインである必要はあるのでしょうか。O2Oという言葉は、一般に「オンラインからオフラインに送客する」という解釈で浸透しているため、あたかもネットサービスから実店舗へ人を動かさなければ意味がないかのような印象を与えます。しかし、実際には大きな送客力を持つオンラインメディアというのはごく一握りですし、通常はそこから人を動かす上で、大きな媒体費をかけなければいけません。

 どんなに効果的な企画を考えても、オンラインからリアルの空間へ送客するというかたちは、ネットサービスからネットサービスへ人を動かすのに比べて送客率(CVR)が低く、コストもかかってしまうため、ROIも見合わないケースがほとんどです。

 O2Oという言葉は国内ではバスワードになりましたが、海外ではほとんど使用されていない概念であることはすでに述べました。オンラインから無理に実店舗に連れて行くことを考えるよりも、まずは徹底してオフラインで自社のデジタルメディアに顧客を囲い込んだほうが、マーケティングの観点から見た場合のコスト効率は良いはずです。

店舗でいかに顧客を捕まえるか

 BUSINESS INSIDERのレポートでは、USのスターバックスの昨年1年間の自社アプリ経由の売上が10億ドル(約1000億円)を突破したと推定しています。ある意味、O2O/オムニチャネル領域の現存する最高の実践成功例と言えますが、これを実現させたのはまさにオフライン(店頭)での顧客捕捉によるもので、大規模なネット上でのプロモーションによるものではありません。

 店頭でのPOPによる掲示や、「支払いが便利でリワードが溜まってお得である」ことのクチコミ拡散が主だった流入経路であるようです。

 店舗空間という強力なアセットを持つ事業者は、それ自体が自社メディアプロモーションにおいての大きな武器になります。店頭で声をかけるなどのアプローチがあれば、かなりの登録を促せるはずですし、広大なインターネット空間にディスプレイバナーを貼って訴求する非効率性と比べたら、すでに店舗に来ている顧客を囲い込んだほうが、例えばアプリのダウンロード後のアクションを見ても、圧倒的に離脱率は低いはずです。

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この記事の著者

新田 剛史(ニッタ タケフミ)

東京ガールズコレクション・プロデューサーとしてビジネス面の責任者を務めた後、2009年、株式会社ミクシィ入社。NIKEiDとコラボレーションした“ソーシャルバナー”や“mixiXmas”などのヒットコンテンツを生み出す。オンラインから店頭への送客施策においても先んじて実績を残している。2012年、株式会社Showcase Gig設立。<受賞歴・講演等> 2007年、2008年モバイル広告大...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/02/27 11:00 https://markezine.jp/article/detail/19333

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