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ハム係長がファンと商品を共創! 伊藤ハムが進める「新たな関係」づくり

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2015/01/27 12:00

 注目が集まりつつある「共創マーケティング」とは何か、事例を交えて紹介する本連載。4回目は伊藤ハムの共創プロジェクトを紹介します。人気キャラクター ハム係長を擁する同社が抱える課題と、その解決策として進められているのが「ハム係長の商品開発部」と「ハム係長のセレクト・キッチン」です。

人気キャラクターハム係長の新しい挑戦

 今回は、共創マーケティング事例として伊藤ハムの「ハム係長の商品開発部」について紹介します。ハム係長といえば、Facebookページで人気を誇るキャラクターとしてご存知の方も多いでしょう。現在、伊藤ハムでは新しいチャレンジとして、ハム係長がコンシェルジュとして商品を紹介するECサイト「ハム係長のセレクト・キッチン」を開始しています。さらに、ファンが伊藤ハムのパートナーとして商品開発に参加するプロジェクトも発足、新しいブランド作りと信頼作りに取り組んでいます。

ハム係長のセレクト・キッチン

ハム係長のセレクト・キッチンと商品開発部

 今回は、このプロジェクトを推進する天津学氏、およびハム係長としてコミュニティを運営する関澤昌弘氏に、プロジェクトにかける思いについてお話を伺いました。

伊藤ハム株式会社 加工食品事業 事業戦略統括部 家庭用企画部 マーケティング推進室 担当課長 天津学氏(左)、同社加工食品事業本部 事業戦略統括部 家庭用企画部 第1マーケティング室 プロダクトマネージャー 関澤 昌弘氏(右)
伊藤ハム株式会社 加工食品事業 事業戦略統括部 家庭用企画部 マーケティング推進室 担当課長 天津 学氏(左)、
同社 加工食品事業本部 事業戦略統括部 家庭用企画部 第1マーケティング室 プロダクトマネージャー 関澤 昌弘氏(右)

SNSで培ってきた関係を活かして新しいECサイトを作る

――ECサイト「ハム係長のセレクト・キッチン」を始めた理由は?

天津氏:2011年より、伊藤ハムではFacebookとGREEでハム係長というキャラクターを立てて、ユーザーとコミュニケーションしてきました。そこで培ったユーザーとの密接なつながりを軸にした取り組みをしたいと考え、ECサイトを運営することにしました。

 すでに楽天市場などには伊藤ハムのECサイトがありますが、それは伊藤ハムというブランドで運営されているECサイトです。セレクト・キッチンでは商品をハム係長がおすすめする、というコンセプトにすることで新しい可能性を生み出しています。

 そもそも、生活者が商品を選ぶ時に「伊藤ハムだから買う」とならないことが課題でした。商材の特性上、他社との差別化が難しいのです。どうしても食材の1つだという認識をされがちで、生活者が価値を見出しにくいのだと思います。しかし、Facebookでのユーザーの関与度は違います。ハム係長が「疲れた ぷふぅ~っε=(公)」といった投稿をすると、約2,000人の方が「いいね!」してくださり、しかも「大丈夫ですか」というような言葉も頂けます。ハム係長でつくってきた生活者との関係性は新たなきっかけになり得ると考えました。

生活者との共創プロジェクト「ハム係長の商品開発部」

――セレクト・キッチンと、生活者と商品開発を行う「ハム係長の商品開発部」の位置づけは?

天津氏:生活者と一緒に開発した商品は、セレクト・キッチンの目玉商品になると考えています。現在、共創している商品は、「幸せを感じるウインナー」です。ウインナーは朝ごはんやお弁当などで食べられることが多いですが、夕食に家族で一緒にウインナーそのものを食べるシーンを商品とともに開発したいと思っていました。

 「商品開発部」という名前はハム係長という立ち位置から連想しました。“係長”という部分がいかにも会社っぽさを持っています。それならば、参加してくれる生活者の方も会社の一員にしてしまおうと考えました。ですから、参加者は外から来たお客さまではなく、商品開発部の「部員」。我々と一緒に商品を開発していくパートナーという位置づけです。部員の方々にはネット上のコミュニティで意見や体験を書き込んでもらったり、オフラインの試食会に参加してもらうなど、商品開発に実際に加わって頂いています。

「ハム係長の商品開発部」でのウインナー開発の流れ
「ハム係長の商品開発部」でのウインナー開発の流れ

――「ハム係長の商品開発部」に関わっている部署、予算などはどうされているのですか?

天津氏:マーケティング推進室の予算として組み入れています。部署は共創企画のプロジェクトチームという形で、調査・生産・商品開発などのメンバーに関わってもらっています。全員、通常の業務にプラスの形で担当してもらっていますが、商品作りに関連する複数の部署が関わることで、それぞれがプロフェッショナルの考え方を活かしながら製品に反映させられる体制をひいています。

 例えば調査担当者が関わることで、アンケートを通じた潜在的なニーズの発見や、意見を引き出すワークショップの実現ができています。また、商品開発の担当者が関わることで、試作品のイメージを練り上げることができます。この取り組みの特長は、試食会で出た参加者の声を直接拝聴することで、開発・改良へダイレクトに反映できていることですね。


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