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溢れる動画コンテンツの中でキラリと光るためにすべきこと、おんせん県の「シンフロ」PR戦略に迫る

「拡散はどこで火がつくのか」良い循環をイメージする

MZ:既に少し触れていただきましたが、PR戦略は、どのようなフローで進められたのでしょうか?

千田氏:PR戦略では、ネットニュースの波をつくることを目指しました。記者にとってのニュースソースはプレスリリースだけではありません。ネット上で話題になっているもの、話題になるポテンシャルが高いものなど、“間違いないネタ”かどうかを吟味して、記事にします。読者が面白いと思ってくれなければ意味がないので、タイムリーに報じることよりも良質なコンテンツを選びたい、であるならばPRにおいてまずすべきことは、手当たり次第に情報提供するのではなく、どこが「火付け役」のメディアになるか、考えることです。

 今回であれば、上質なクリエイティブ・コンテンツが好きな読者が多い媒体、ソーシャルを利用して、かつ楽しいことが大好きな読者が多い媒体に絞って、アプローチしました。ここの露出が叶えば良い循環ができると思っていたので、動画の見どころだけでなく、昨今の自治体広報の活性化や、おんせん県おおいたのプロジェクトの歴史など、プレスリリースには書かなかったことも挟みながら、単に面白いだけの動画ではないこともお伝えしていった感じです。

 このあたりのメディアが記事を書いてくださったことで、そこから急激にWebニュースが増え、数日のうちにTV放映もされていました。「SNSの反応があると書きやすいよ」という記者の方には、公開日以降の反響をまとめて、そのあたりも記事で触れて頂きましたね。肝心なのは、メディアが能動的に動いてくれたときにストレスなく記事化できるかどうか。そのためのプレスリリースであり、「こんな関連情報もありますよ」というちょっとしたメール連絡だと思っています。

「シンフロ」と他のコンテンツの違いとは

MZ:PRの観点で、シンフロが持つ特長や、他のコンテンツとの違いは何でしょうか?

千田氏:クリエイティブ面が素晴らしいというだけではなく、なぜ動画を使うかの目的が明確にあることでしょうか。「水深50cm、真夏の温泉で、本気のシンクロナイズドスイミング」という意外性や、「振付師に有名アーティストを起用」という作品力を裏付ける話題性もある。そして「拡散」に対する前向きな気持ちがあったことも大きかったと思います。PRする上ですべてがカチッとはまるストーリーがあることは非常に重要な事だと思います。

MZ:では、最後に制作の観点で、何か成功の秘訣があれば教えてください。

一ノ瀬氏:今回はクライアントである大分県様に大変助けていただいたことが大きいと思います。温泉でシンクロは斬新なアイディアかと思いますし、様々なリスクも考えられます。ですが、「面白そう挑戦してみよう!」と前向きにとらえていただきました。さらに、依頼したら制作サイドにすべてお任せ、ではなく非常にフラットな関係をつくっていただけました。双方に意見交換をしやすい環境ができたので、相互に「やりたかったけど、できなかった」といったフラストレーションを抱えることなく進められたと思います。

千田氏:西広さん経由で大分県の広報担当の方への取材可否をお伺いしたことがあるんですよ。大きな組織だと、返答をいただくまでに数日かかることも多いのですが、翌日にはすぐ了承の連絡をいただきました。西広さんと大分県様との強い連携を感じましたし、チームとしての強さも感じました。

MZ:今回の動画プロモーションは、クライアントサイドの目的意識の高さと柔軟さ、西広さんのストーリー性のある動画制作、PR TIMESさんのWEBにおける情報拡散戦力が巧みに組み合わさったものだったのですね。本日はありがとうございました。

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター 出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/01/25 10:16 https://markezine.jp/article/detail/23643

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