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統括編集長インタビュー

「データドリブン、受け身の姿勢は消えた」トップアナリストの2016年キーワードは「育成」と「コラボ」


 2012年より度々開催しているトップアナリスト対談。2014年に米から帰国、複数企業でCAOや社外CMO/CAOを務める清水誠氏に続き、小川卓氏も昨年に独立し、新たなプロジェクトに参画している。Webアナリティクスやデータ活用が浸透しつつある状況を表すように、話題は細かなテクノロジーよりも組織改革や人材育成へ。今年の動向からキャリア論にまで及んだ本対談、お見逃しなく!

データドリブン推進のため、社外フェローから社内CAOへ

押久保:さて、前回の対談(2013年5月)から間があいてしまいましたが、その間に小川さんは独立され、清水さんはアメリカから帰国されて。清水さんの昨年のトピックとしては、以前から提唱されているコンセプトダイアグラム(※)について、書籍を出されましたよね(『コンセプトダイアグラムでわかる [清水式]ビジュアルWeb解析』)。

(※)コンセプトダイアグラムとは、Webサイトのコンセプト(存在意義、ゴール)を図解する手法(詳細)。

写真左:小川卓氏 写真右:清水誠氏
写真左:小川卓氏 写真右:清水誠氏

清水:もうすぐ1年になるので、だいぶ前のことに感じますけど(笑)。

押久保:前回は、ツールは安価になってきたが使う側が使いこなせない、データドリブンが進まないといった課題が上がっていました。清水さんは前回ちょうど、米Adobeに参画しながら旧・電通レイザーフィッシュ(現・電通アイソバー)の社外フェローになられたところでしたが、その後どうですか?

清水:在米中に社外フェローになったわけですが、結局「中に入る必要がある」という結論に至ったんですよね。アメリカには結局3年いて、2014年5月に帰国しました。

 3年の間にツールベンターもサービスもだいぶよくなったと手応えがありましたが、当時感じていたのは「日米の差があまり縮まらない」こと。そこで、改めて日本でしっかり状況の改善に取り組もうと考えて、帰国後に早速、電通レイザーフィッシュにより深くコミットすることにしました。

小川:社外フェローから、現職の社外ではないCAOへ。

清水:そうそう。やっぱり中に入ることで、なにがネックになって組織が変わらないのか、といったこともよく分かった。で、それらをみつつ組織的にデータドリブンを推進して2年くらい経って、今思っているのは、ちょっと急ぎすぎたかなと。

 データドリブンの実装は進みましたが、それはデータ活用を積極的にできるとか、PDCAを回せるといった短期的な変化で。顧客を“顧客”というまとまりではなく一人ひとりの“お客様”として捉えないといけないのと同じで、組織を変えてツールを入れたからといって、自動的に皆の意識が変わるわけじゃない。もっと一人ひとりを見ないといけないな、というのが最近の気づきです。

ユーザーメリットを考え抜いてゴールとKPIを立てる

小川:コンセプトダイアグラムは、私もコンサルティングに使わせてもらっていますけど、非常におもしろい。遷移率や直帰率などのアクセス解析のKPIを一通り理解して、しばらく取り組んだ企業が突き当たる課題を解決するのに、まさにマッチしているんです。

 たとえば、今のKPIは本当に正しいのか、ユーザーのためになっているのかとか、部署ごとにKPIが違うのをどうすればいいのかとか。

押久保:けっこう複数の企業に適用されているんですか?

小川:昨年10社くらいやりましたね。実際のコンサルティングに入る前に、コンセプトダイアグラムを描いて現状を分解して。で、ユーザーの気持ちを変えるというのをKPIにする。ユーザーがサイトを訪れる目的や悩みを踏まえて考えていくと、それまで遷移率や直帰率といった細かい数字に一喜一憂していたのが、本当にユーザーのことを考えられるようになります。

 実際、たとえば遷移率や滞在時間が増えればいいのかというと、違いますよね。長くいたからブランドが向上したんじゃなくて、いい体験をしてこそ上がる。すばやく目的を達成できるなら、そのほうがいいブランド体験でしょうし。

清水:そうそう。小川さんもすっかりコンセプトダイアグラム教(笑)。

小川:まあ、いいものは取り入れるので、なんなら小川式って言ってもいいんですけど(笑)。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 20:09 https://markezine.jp/article/detail/23735

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