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CVR5倍、売上2倍を実現した動画メールの仕掛け人に聞く、新たなメールマーケティングの形

 エクスペリアンジャパンが 2015年2月から提供を始めた動画メールが順調に提供社数を伸ばしているという。近年、動画マーケティング市場が盛り上がりを見せる日本において、今後どのような展開を見据えているのだろうか。エクスペリアンジャパンの吉澤 和之氏に話を聞いた。

あえて日本初を逃してリリースへ

――御社が動画メール配信サービスをリリースしたのは2015年の2月でしたが、この時期を選ばれたのは何か狙いがあったのでしょうか。

エクスペリアンジャパン株式会社 エバンジェリスト 吉澤 和之氏

 動画メールは、北米のExperianでは、2012年頃からすでに提供を始めていましたので、実は、日本でもやろうと思えばいつでも始められる状態にはありました。しかし、デジタルマーケティングの潮流でいえば欧米のほうが2、3年は先です。

 当時の国内を見れば、まだ動画マーケティング市場はスタートをきったばかり、ブームになるのは、まだもう少し先だろうと見込んだのです。もちろん2012年時点で国内での提供を開始していれば日本初登場と銘打つことはできたでしょうけどね。

 優先すべきは奇をてらうことではなく、いかに時代の潮流をつかんで戦略的に普及させるか。せっかくの新しい技術も市場に受け入れられなければ意味がありませんからね。

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――なるほど。日本では時期尚早だったと。

 そうですね。他のデジタルマーケティングの流れを見ても、広告で流行った施策がCRMに落ちてくるという過程を踏むことがよくあります。例えば、LINEもスタンプなどの広告メニューだけだったのが、LINEビジネスコネクトの登場で、CRM領域での活用も進んでいますよね。画期的な広告手法を代理店やツールベンダーが広め、それをCRMでも活用しようという流れはよく起こります。そして動画でも同様のことが起きるだろうと、その時が来るのを待つことにしました。

満を持してリリースした動画メール、その特徴は「自動再生」

――そこから2015年2月にリリース時期を設定された背景は?

 2012年時点での国内リリースは見送りましたが、市場調査は引き続き行っていました。国内でも動画マーケティングは着実に市場規模を広げ、2014年にはCRMにおける動画の有効な活用チャネルを模索する企業も増加してきました。実際に、弊社のクライアントからも「動画を活用できる新たなチャネルはないか?」という声をよく聞くようになりました。

――そこでいよいよ時機が来たなと?

  はい。動画マーケティングの浸透とともに各企業がさまざまなアプローチの動画を制作するようになりました。一方で、その動画を活用するチャネルはまだまだ限られていましたからね。動画メールをリリースするなら、このタイミングしかないと思いました。リリースに際しては、いくつかのクライアントにお声がけしニーズも探りました。

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――これまでの背景のもとリリースされた動画サービスですが、御社ならではの特徴や強みはありますか?

 弊社の動画メールは、“メールを開くと自動で動画が再生される”ところが一番の強みです。

 これまで一般的に動画メールと言われるサービスでは、HTMLメール内に動画風の静止画が入っていて、その画像にWeb上の動画へのリンクを設定しているものが主流でした。これって本当に動画メールって言えると思いますか?

 実際、ユーザーのアテンションを引き出すには、メールを開いたときに動画が動いていることが大事で、動画風の静止画ではその役割を果たせないですよね。

 その点、弊社の動画メールでは国内シェアの高い端末やメーラーでの自動再生を実現し、動画メールとしての効果を引き出すことを可能にしました。

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――メールを開いてすぐに動画が再生されるのですか?

 動画の容量や、長さによっては、読み込みに時間がかかってしまうことはあります。また、弊社の動画メールでは最大再生秒数は30秒としていますが、メールの特性を考えると15秒くらいがおすすめですね。メール内で全てを伝えるというよりは、動画をフックにサイトへ誘導したり、次のアクションを促したりすることが重要ですから。

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動画メールがもたらす4つの効果とは

――動画メールの主な効果を教えてください。

 「興味喚起」「クリック率(CTR)」「直帰率」「コンバージョン率(CVR)」のいずれかに良い影響を与えられると考えています。

 まずは、「興味喚起」ですね。メール内で動画が自動再生されることによりユーザーの視線を捉え注目を集めることができます。動画によって与えられる印象は、ブランドイメージの形成にもつながると考えます。次に「クリック率(CTR)」ですが、限られたレイアウトスペースで多くの情報量を伝えることができる動画は、さらなるユーザーの興味・関心を刺激し、サイト誘導のフックとなります。結果的にCTRの向上に寄与します。

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  そして「直帰率」、これはメール内ではなくサイト誘導後の効果ですね。動画を見て興味を持った人がWebサイトを訪れることで、より深い情報が知りたいというモチベーションでWebサイトを見てくれる可能性が高くなり、結果的に直帰率が下がるというワケです。最後は「コンバージョン率(CVR)」。これは、動画広告の例にもありますが、動画を見ていない人に比べ、動画を見た人は商品の認知度や購買力が高まると言われています。動画によりユーザーのブランドロイヤルティを高めることで、売上げの向上に寄与できるのです。

 これらの指標が向上できるということは、マーケティングファネルすべてに対応できるといっても過言ではありません。もちろん、目的に合わせたクリエイティブの設計あっての話だとは思いますけどね。

動画メールでCVR5倍・売上2倍の事例も

――活用事例があれば教えてください。

  リリース後、業種業態を問わず様々な企業に採用いただき、成果も上がってきました。例えば、アパレルブランドのMARK STYLERさんの場合、動画のあり・なしでABテストを実施したところ、コンバージョンで5倍、売上で2倍という結果が出ました。

 このときは、期間限定セールの案内だったのですが、動画が入っていることでユーザーの高揚感をあおり、セール情報を見てみようという動機を後押ししたのではないかと思います。

 また、動画には任意のURLを設定できるので、動画から誘導したいWebページへ遷移させることも可能です。

――ECサイト以外での事例はいかがですか。

 集英社さんが発行している雑誌『UOMO』の10周年記念の特設サイトで複数の広告主とコラボした動画を公開した際、特設サイトの告知用に動画メールを採用いただきました。ラグジュアリーブランドとコラボした動画を配信したところ、CTRはもちろん、特にWebサイトへ誘導してからの回遊率の高さに好評価をいただくことができました。

 メールの効果というと、CTRばかりに目を向けがちだと思うのですが、それだけでなく直帰率も併せて見ていただくことで、動画メールの効果を正しく評価していただけると思います。

 また、個人的に面白いと思ったのは、動画制作会社のCROSSCOさんの事例ですね。BtoB向けのメールというと情報発信のツールに偏りがちなイメージですが、動画メールによるエモーショナルな表現が相互コミュニケーションのきっかけにもつながったということです。動画制作会社だったので制作のノウハウを持っていたことも要因の一つかもしれませんが、クリエイティブ次第ではBtoB向けのビジネスを行っている企業でも活用の可能性があるということがわかり、私自身とても勉強になりました。

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伝えたい相手、時間を選べるのがメール最大の強み

――動画メールに最適なクリエイティブというものはあるのでしょうか。

 クリエイティブについては、動画メールの目的を明確にして、それに応じた動画を制作するのがあるべき姿だと思っています。現状は他のチャネルで使用していた動画素材を配信するケースが多いので、今後動画メールならではのクリエイティブを制作する広告主が増えるようにしていきたいですね。

――パーソナライズド動画をメールで配信している広告主もいると思いますが、これも動画メールならではのクリエイティブといえますでしょうか。

 たしかに、動画メールの成功事例としてよく取り上げられています。実はすでに、パーソナライズド動画を提供している企業とはアライアンスを組んでいますので、今後我々からもどんどん提案できるようにしていきたいです。

――他のチャネルと比べた際に、メールで動画を配信する優位性はどういった点がありますか?

 一番に言えることは、メールのプッシュ型メディアとしての特性ではないでしょうか。メールマーケティングも一昔前のようなバルク配信ではなく、One to Oneのコミュニケーションが当たり前になってきています。自分たちの伝えたい相手に好きなタイミングで届けられる点は、何よりの強みだと思います。

動画メール市場の今後について

――今年、動画メールの市場は、どのように変化していくと思いますか?

 ある調査によると、2016年、動画広告市場は1,000億円に到達する見込みだとも言われています。弊社の動画メールもリリースから約1年が経ち、認知度も高まってきました。

 今後はさらに競合企業が増え、動画メールのマーケットはさらに活性化するでしょう。マーケットが拡大するならば、我々は競合が参入してくることは大歓迎です。あわせて、既存の動画を流用するパターンだけではなく、より戦略的な動画メールの活用を検討する広告主も増えてくるはずです。デジタルマーケティングを実施している企業であれば、少なからずメールというチャネルを戦略的に活用していると思いますし、まだまだ拡大の余地はあると思っています。

――貴社の動画メールソリューションにおける今後の展望を教えてください。

 今後は特にパートナーとの連携を進めていきたいと考えています。すでに販売代理店や動画制作会社、メディアなど様々な企業とタッグを組んでいます。

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 先述のMARK STYLERさんの事例も、プリントシール機事業を展開するフリュー株式会社とのパートナーシップにより実現しました。

 弊社としては、自社のサービスの拡大はもちろんですが、動画メールの市場自体を広げていくことが大切だと考えています。そもそも市場が広がらなければ、サービスの拡大も望めませんからね。そのためには時にはパートナー企業の力を借り、時には競合他社と刺激し合い、まずは市場全体の成長を促していくことが重要でしょう。

 弊社が様々な企業とタッグを組むことで、動画メールの利用を拡大し、市場全体を盛り上げられたらいいですね。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&a...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/02/09 12:00 https://markezine.jp/article/detail/23833