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MA導入・活用に潜む3つの落とし穴~新規獲得の負のスパイラルを打破するために必要なこととは

2016/11/16 10:00

 本記事では、2016年9月9日に開催された「MarkeZine Day 2016 Autumn」でのセッション『ここがおかしい、日本のマーケティングオートメーション〜MA導入に潜む3つの罠〜』の模様をお届けする。登壇者のフロムスクラッチで代表取締役社長を務める安部泰洋氏は、「データ統合の罠」「ツール分散の罠」「運用不全の罠」の3つを軸にマーケティングオートメーション活用に必要な考え方を解説した。

CPAが下がらず企業が陥る、負のスパイラル

 日本でも多くの企業が注目し、導入を始めているマーケティングオートメーション(以下、MA)。2010年頃に日本のマーケットに入ってきたその市場規模は、2020年には150%以上の成長が予測されている。次世代型マーケティングプラットフォーム「B→Dash」を開発・提供するフロムスクラッチにて代表取締役社長を務める安部泰洋氏は、日本の企業がMAツールの導入を始める背景に、これまでのリスティングやDSP、ソーシャルメディアなどを中心とした新規獲得施策が、以前に比べて上手くいかなくなってきていることを挙げた。

株式会社フロムスクラッチ 代表取締役社長 安部泰洋氏

 「年々、デジタルマーケティングに注力する企業が増えています。結果として競合が増え、これまでと同じ運用ではCPAが下がらなくなってきています。つまり、新規獲得が難しくなってきているのです」(安部氏)

 さらに安部氏によれば、新規獲得に苦労している企業が陥りやすい “負のスパイラル”があるという。

 新規獲得が難しい場合、最初に思いつくのは既存顧客や見込み客へのアプローチだ。しかし、実際に様々なセグメントに合わせたコンテンツの作成や複数のチャネルを横断したメッセージ配信を行う場合、担当者数人のリソースで実行するのは難しい。

 工数が足りなくなると細かくセグメントを分けることができない。結果、画一的なメッセージを一斉配信することになる。その後も収益化せず「新規獲得をするべき」と振り出しに戻り、CPAは下がらずコンバージョンも取れないという負のスパイラルに陥ってしまうのだ。

 安部氏は、この負のスパイラルから脱却しようと生まれたのがMAであるとし、企業にもたらすメリットについて述べた。

 「MAであればターゲティングも、30代男性で商品情報のページを2分以上閲覧して、特定のメルマガに登録し、再度HPに訪問したユーザーなど、属性・行動双方による複数のセグメント情報をかけあわせたセグメンテーション、ターゲティングが可能になります。そして、ターゲットに合わせた複数のコンテンツを、メールやLINEなどターゲットに合わせたチャネルで自動的に出し分けることができます。つまり、限られた工数でも、パーソナライズされた施策で顧客への訴求力を高め、収益を向上させることができるのです」(安部氏)

新規獲得偏重で見逃しがちな宝の山とは

 では、MAを導入することでどれほどの効果があるのだろうか。安部氏は新規獲得を目的とした広告投資と比較して説明した。

 例えば、あるECサイトでは月に1,000万円、新規獲得を目的としたネット広告を投下しているとする。そこからのサイト流入が10万PV、サンプル購入のCVRが2%で2,000件あり、さらに20%の400人が本購入、本購入者のうち40%にあたる160人がリピート購入をした。商品単価が15,000円の場合、月間売上は840万円となり、ROI(投資対効果)は84%となる。後にリピート購入者が増えれば、いずれ投資は回収できるというわけだ。

 一方、MAを活用すると、この一連の流れの裏に隠れているユーザー、サンプル購入後に本購入しなかったユーザー1,600人と本購入したもののリピートしなかったユーザー240人に対しても、アプローチできる。

 「このユーザーたちは宝の山といっても過言ではありません。サンプル購入や本購入を1度でもしたということは、商品やサービスに何かしら共感や興味を持っているということですから。日本のマーケターは新規獲得に重きを置きがちですが、新規獲得の過程で埋もれたユーザーにアプローチした方がはるかに効率的です。しかし、多くの企業ではこのユーザーに対するアプローチを一斉メール配信だけで済ませていることで、取りこぼしている。非常にもったいないと思います」(安部氏)


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