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逸見光次郎氏が見た、ヨーロッパ最大級のカンファレンス「DMEXCO」で巻き起こる議論とは

2016/11/18 08:00

 「カメラのキタムラ」をはじめとした事業を展開するキタムラのオムニチャネル戦略を推進してきた逸見光次郎氏が、ヨーロッパで最大規模のデジタルマーケティングカンファレンス「DMEXCO」に参加した際の気づきを2つの記事で共有する。今回は前夜祭から1日目の模様をお届けする。

ヨーロッパ最大級のデジタルマーケティングカンファレンス

 今回レポートするDMEXCOとは「Digital Marketing Exposition & Conference」の略称で、今年で8回目を迎えるヨーロッパ最大級のデジタルマーケティングカンファレンス。昨年の来場者数は2日間で5万人、基本は入場無料のコンベンションだが、事前登録が必要だ。

 また、会場となるのはドイツのケルン駅から一駅隣にあるケルンメッセで、感覚的には、日本の幕張メッセを2、3倍にした大きさの会場で行われる。

 私自身は新卒で三省堂書店に入社してから22年の間、小売業で販売を主体としたキャリアを歩んできたので、マーケターと呼ばれるのは苦手である。だが小売に携わる人間として、物を売る事と関連してお客さまを知るマーケティングには関心がある。

 今回の視察ツアーに参加したのも、小売の観点からヨーロッパのマーケティング最新事情を学びたかったのと、ツアー後半のイギリス・ロンドン小売視察のコーディネーターにご指名頂いたからである。このレポートも小売という観点から伝えていきたい。

 DMEXCOの会期は2日間だが、招待された人だけが参加できる前夜祭がある。前夜祭にも関わらず、ホールは人でいっぱいになり、皆どこかで付き合いがある様子。それがヨーロッパ全体という単位なのがすごい。

 聞いた話ではあるが、以前はヨーロッパでもアドテックが開催されていたそうだが、今はこのDMEXCO一本になったらしい。ヨーロッパ唯一のデジタルマーケティングカンファレンスなのである。また海外ではカンヌライオンズとも並ぶイベントといわれており、アワードや最先端のブースではなく、商談やネットワーキングが主体というところが、この前夜祭でも感じられた。

Facebook活用のヒントは体験の共有化

 ここからは1日目に面白いと感じたセッションをいくつかご紹介していく。まずはFacebookのCPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)を務めるChris Cox(クリス・コックス)氏による、「Video and the Next Billion」と題した30分間のオープニングキーノートだ。コーディネートと通訳をして頂いたdigital media織田(おりた)氏の同時チャット訳と自身のメモから気になった部分を解説していく。

 ニュースフィードのサービスを始めて10年の間に、スマートフォンの普及が進み、誰もが簡単に情報発信できるようになった。さらに高速ネット回線の利用が進み、VRなどの表現も可能になり、Facebookでも「スライドショー」という広告メニューを導入した。

 これに対しコックス氏は、「利用者が自身の体験を全世界にすぐ共有する手法が、Facebookの中でテキストから写真、そしてビデオへと進化してきた」と語る。これから5年でトラフィックの70%がモバイルビデオになるともいわれており、同氏はメッセンジャーもテキストからビデオ通話に変わっていくと言及していた。

 実際に現在、ライブ動画配信機能がニュースとしてクリエイティブに活用されており、テロなどの事件が起きた際、非常に重要な役割を果たしている。一方で広告も売上をシェアする形で考えている。さらに同社では今後、ビデオの360度化をすすめ新しい体験を提供していきたいとも語っていた。

 このキーノートでわかったことは、Facebookのニュースフィードがメディア化し、テキストから画像そしてビデオ(動画)と表現が進化したことで、より今を伝えることができるプラットフォームになったということだ。こうして人と人がつながるサービスの中で、広告も動画となってFacebookに組み込まれていく理由が伝わってきた。

 同メディアを小売・販売で活用していく場合、私は体験の共有化の中から生まれる“同じものが欲しい”“同じ体験を経験したい”というのが鍵になるように感じた。そして、知人のお勧めを信頼するといったソーシャルコマースの考え方を用いて動画や体験の共有化という、利用者から消費者となるような潜在ニーズや気持ちの部分に踏み込んでいくのではないだろうか。


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