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顧客に寄り添い、LTVを高める~マルケトがMAで目指す「エンゲージメントマーケティング」の世界

マルケトの自社活用を通じて、MAの使いどころを知る

 セッションの最後にかけては、マルケトの自社活用を事例モデルにしながら、MAを通じての体制、テクノロジーの使いどころを紹介。マルケトという企業の前提として、ITサービスを行う会社であり、ターゲットは10名規模の企業から数万名が在籍するグローバル企業まで、数カ月かけて検討する商材を提供しているという点を共有し、福田氏の話が進められた。

 特徴的なのは、8つの層に分かれたファネルだろう。自社のデータベース上にない、つまり匿名の状態(Anonymous)から商談成立した状態(Customer)までがMA上できちんと管理され、それぞれで定義されたステージに合わせたコミュニケーションがMAを通じて行われることになる。そして、ファネルの各層にマーケティング、インサイドセールス、営業に役割が分担され、役割にあったツールを用意している。

 福田氏は続けて、コンバージョンの手前にあたるファネルをTOFU、MOFU の2段階に分け、踏み込んだ説明を始めた。TOFU(Top of the funnel)と呼ばれるゾーンでは、主に見込み客をどう次のステージへと引き上げていくかに対応する。特にここで重要となるのが、リード獲得時の情報に基づくスコアリングである。

 マルケトのMAでは、「獲得リードソースによる重みづけ(電話、インターネットでの問い合わせ、広告経由など)」「役職による重みづけ(マーケター、営業、IT部門、経営層)」「プログラムステータスによる重みづけ(自社イベントの参加状況など)」という3つの重みづけを掛け合わせて、各顧客にスコアの高低を付けて管理する。

外部リソースとして、マルケトをうまく利用してほしい

 TOFUからよりコンバージョンに近いフェーズがMOFU(Middle of the funnel)である。

MQLはマーケティングクオリファイリードのこと

 

 「MOFUは、価格情報を2度見にきているなど、検討フェーズのレベルが高い顧客です。ここで、エンゲージメントプログラムを実行します。エンゲージメントプログラムは、One to Oneマーケティングのように100人に100通りを用意するのはなく、BtoBかBtoCか、スタートアップかといった大きい集団に対し施策を行っていきます。

 たとえば、顧客の状態(ファネル)に応じて配信メールの送付タイミングを変えるだけでも、事態は改善されます。他にも、一度送ったメールは同じ相手に送らない自動制御機能を活用するなど、今まで現場のマーケターが苦労してきた点を自動でMAが最適化します」(福田氏)

 マルケトでは、MOFUのゾーンでスコアリングを行うとき、3要素を重視する。それは、「顧客の興味(行動情報)」と「自社との相性(属性情報)」、「今の温度感(活動頻度)」だ。これら3要素を掛け合わせることで、より実態に近い顧客のスコアを算出する。

 行動や属性など、元来は定量化できなかったものを数値化することで、顧客との適切な距離を勘案したコミュニケーションを実現する。たとえば、朝型のユーザーと夜型のユーザー別に管理できるため、送るメールの中身とタイミングの工夫がさらにできる。

 福田氏は最後に「決して、すぐMAを導入すべきとは思いません」と自社のスタンスを表明し、その理由を次のように語った。 

 「まず皆さまが取り組む事業を因数分解することを推奨しています。たとえば、売上がどのような関係性で成り立っている事業なのか。多くのケースでは、Web以外にも店舗や営業、代理店などマルチチャネルで複雑な要因が絡んでいます。それらを明らかにしながら、本当に皆さまにとってMAの導入が適切であるかどうか。根本的なところから話を進めることができると、とても有意義になるかと思います」(福田氏)

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この記事の著者

遠藤 義浩(エンドウ ヨシヒロ)

 フリーランスの編集者/ライター。奈良県生まれ、東京都在住。雑誌『Web Designing』(マイナビ出版)の常駐編集者などを経てフリーに。Web、デジタルマーケティング分野の媒体での編集/執筆、オウンドメディアのコンテンツ制作などに携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/12/19 08:00 https://markezine.jp/article/detail/25726

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