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ローンチからリテンションまでアプリ成長段階ごとに最適化するDSPの狙い AppLift CEOに聞く

 「アプリのローンチ、ユーザーベースの成長、リテンションというマーケティングライフサイクルごとに違うソリューションを使うのは複雑すぎます」と語るのはベルリンのアドテク企業AppLiftのCEO、ティム・コスチェラ氏。新プロダクトとなるモバイル広告主向けプラットフォーム「DataLift 360」をリリースするにあたり、パートナークライアントから直接のフィードバックを得るために来日したコスチェラ氏に、開発の背景とその強みを聞いた。

ROASにこだわるアプリマーケターを支援

 AppLiftは2012年にドイツのベルリンで設立されたアドテク企業で、アプリインストールなどのユーザー獲得や課金といったパフォーマンスベースの広告出稿を支援するサービスを提供している。

 クライアントはCPIやCPAといった指標を追求しROASに敏感なアプリデベロッパーが多い。そのため、AppLiftのクライアントはゲームアプリのデベロッパーが比率としては一番大きいが、トランザクションベースのビジネスをしているアプリデベロッパーにも広く使われているという。

 たとえば、エクスペディアのようなホテルやフライトの予約サービス、eBayのようなEC、エンターテインメント系だと某音楽ストリーミングサービス、それからUberなどシェアリングサービス系が挙げられる。

 また、日本でも人気のファッション系CtoCサービスや、中国だとアリババやテンセントもクライアントになっている。その他にも、誰もが知っているような飲料メーカーのアプリもAppLiftが支援しているという。

 広告主への支援を強化するため「DataLift 360」という新プロダクトをリリースするにあたり、パートナークライアントから直接のフィードバックを得るべく来日したCEOのティム・コスチェラ氏。本稿では、コスチェラ氏に「DataLift 360」の開発背景と強みを聞いたインタビューの様子をお届けする。

AppLift CEO兼共同創業者 ティム・コスチェラ氏
AppLift CEO兼共同創業者 ティム・コスチェラ氏

広告主への貢献をつきつめた結果、SSP事業は売却しDSPに専念

 インタビューの冒頭でコスチェラ氏にAppLiftのDSPとしての成功要因をたずねたところ、「グローバルチームの構築」そして「デマンドサイドへのフォーカス」が大きいという。

 まず、グローバルチームの構築についてだが、モバイルアプリは国境をまたいで使用されるという特徴がある。たとえば、日本で開発されたゲームが世界中のプレーヤーによってプレイされることはざらにあるし、逆に日本で使われているアプリも海外の様々なアプリデベロッパーが開発したものになっている。

 デベロッパーもユーザーも世界中に広がっているため、約200人超いるAppLiftの全社員のうち約半数が海外拠点において現地デベロッパーの支援にあたっているという。

 次に、「デマンドサイドへのフォーカス」だが、少しでもROASを高めたい広告主と、eCPMを高めて広告収入を増やしたいパブリッシャーの利害対立は不可避だ。

 AppLiftは創業当初DSPとSSPの両方を提供していたが、SSPとして同じインベントリに対してより多く支払う広告主を探し配信面を増やすという方向性と、DSPとして的確なユーザーに対してより安くリーチできる配信面を探すという方向性の矛盾にぶつかった。

 そこでAppLiftはSSP事業の売却を決断。デマンド(広告主)サイドに立脚してサービスを開発し、ROASを改善できるように広告最適化のアルゴリズムを磨き上げると共に、アドフラウドから広告主を守る技術と知見を高めてきた。

 特にアドフラウドについては、フラウドに特徴的なアクセス行動パターンを検知するアルゴリズムとヒューミント(人間を媒介にした諜報活動)を駆使しつつ、フラウドを回避する能力を高めてきたという。

※アドフラウドについては、AppLiftが公表したレポートも参照されたい。

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この記事の著者

江川 守彦(編集部)(エガワ モリヒコ)

東京大学文学部を卒業後、総合広告代理店でマスメディアの媒体営業業務を経験し、出版社に転じて人文系の書籍編集に従事したのち、MarkeZine編集部に参画。2018年よりオーガナイザーとしてMarkeZine Dayの企画にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/14 09:00 https://markezine.jp/article/detail/27568

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