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CM超えの成果をTwitterで実現!「きのこの山・たけのこの里 国民総選挙 2018」が成功した訳

 約40年にわたり愛され続ける明治のチョコレート菓子ブランド、「きのこの山」と「たけのこの里」。既にほとんどの人に認知され、どこでも購入することができる強いブランドであるがゆえに、目的を持って購入・喫食する機会作りが難しいという、ロングセラーブランドならではの悩みを抱えていた。そこで2018年に実施された「きのこの山・たけのこの里 国民総選挙 2018」キャンペーンでは、Twitterを活用し利用者を巻き込むコミュニケーションを展開。2017年に行った、マス中心のプロモーション同様のパフォーマンスを実現した取り組みの全容を探る。

約1,600万票が集まった「きのこの山・たけのこの里 国民総選挙 2018」

 明治のチョコレート菓子ブランド「きのこの山」と「たけのこの里」。きのこ・たけのこを模した愛らしいカタチと、シンプルで素朴な味わいは老若男女に愛されており、発売からそれぞれ43年・39年が経つ現在まで国民的人気を誇るお菓子だ。

きのこの山・たけのこの里
きのこの山・たけのこの里

 2つは兄弟ブランドながら、そのカタチ・味わいの違いから「きのこ派」「たけのこ派」に分かれ、「きのこたけのこ論争」なるものがTwitterなどを中心に双方のファンによって繰り広げられ、度々話題となってきた。

 明治はこれを受け、2018年2月末から7月末までの期間「きのこの山・たけのこの里 国民総選挙 2018」キャンペーンを実施した。きのこの山を擁する「きのこ党」、たけのこの里を擁する「たけのこ党」、どっちも好きだという「どっちも党」の3党による国民総選挙で、各党にはそれぞれユニークなマニフェストが用意された。

 たとえば「きのこ党」では、映画「きのこの王国」の公開や「AI女子高生KINO」の開発を行う。「たけのこ党」では、「吉田沙保里とつくるたけのこの里」発売、アイドル「恋するたけのこ」デビュー。「どっちも党」では、「きのこたけのこウエディング」開催や「きのこたけのこMUSEUM」の開館など、様々だ。

きのこの山・たけのこの里 国民総選挙
「きのこの山・たけのこの里 国民総選挙 2018」のマニフェストの一例

 そうしたマニフェストに対し特設Webサイトで1日1回投票でき、それ以外にもパッケージの中や店頭に設置したハガキ、Twitterのツイート数・フォロワー数が換算される仕組みで、投票期間中に最も票を集めた党が勝利するという内容だ。最終的に約1,600万もの票数が集まり、勝利した「たけのこ党」のマニフェストが2018年9月以降に順次実現されていき、年間を通じて話題となったキャンペーンとなっている。

 キャンペーンの狙いはなんだったのか。両ブランドの広告宣伝を担当する明治の酒見康隆氏と、キャンペーンのプランニングをした読売広告社の内田光紀氏に、取り組みについて話を聞いた。

左:株式会社 明治 コミュニケーション本部 宣伝部 酒見康隆氏右:株式会社読売広告社 統合ソリューション局 プランニングディレクター 内田光紀氏
左:株式会社明治 コミュニケーション本部 宣伝部 酒見康隆氏
右:株式会社読売広告社 統合ソリューション局 プランニングディレクター 内田光紀氏

会社都合の広告・宣伝から双方向のコミュニケーションへ

 「きのこの山」「たけのこの里」は2つのブランドのように見えるが、ブランドマネージャー、広告宣伝担当、開発担当は分かれておらず、「きのこの山・たけのこの里」を1ブランドとして捉え、プロモーションを進行している。

 そしてこれまでは、テレビCM中心のコミュニケーション設計がされてきたが「既存の方法に限界を感じていた」と酒見氏は語る。

 「メーカーの言いたいことを、メーカー都合の言葉とタイミングで伝える一方的な方法ではなく、ファンと常につながりを持ちながら絆を強固にしていくやり方を模索していました」(酒見氏)

 そこで目を付けたのがTwitterの活用だった。既にTwitterの中では、多くのファンによって「きのこの山・たけのこの里」に関する会話が頻繁に行われており、そうした会話を増幅させ、ファンとの双方向のコミュニケーションを強化しようと、広告代理店の読売広告社に相談した。

 ファンの間で行われていた会話の中でも、特に多かったのは “きのこたけのこ論争”というワードだ。それを公式から『国民総選挙』という形で盛り上げようと考えた。

 「Twitterで注目すべきは、『私はどっちが好き』という自分の意思をSNSで誰でも簡単に発言ができて、その話題が緩いつながりの中で広がっていくところ。コアなファンに直接火に油を注ぐのではなく、誰でも参加できるようなフレームにすることを目指しました」(内田氏)

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共感に必要なのはブランドの人格化

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/05 16:44 https://markezine.jp/article/detail/29885

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