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愛され続けるためのブランド戦略

誰かに広めたくなる新しい価値を発信 朝食りんごヨーグルトが取り組むブランディングとは


 グリコが販売するロングセラーブランド「朝食りんごヨーグルト」。近年個性的なPR施策でメディアやSNSでの話題化に成功し、新規顧客を獲得している。定番化したブランドを壊すことなく、どのようにして新しい価値を創出・拡散していったのだろうか。同社で朝食りんごヨーグルトのマーケティングを手がける藤田晃子氏に話をうかがった。

必要なのは「おいしい」以外の価値

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、朝食りんごヨーグルトがどのようなブランドとしてスタートしたのか教えてください。

藤田:朝食りんごヨーグルトは1997年に発売された商品で、22年間販売を続けています。発売当時は、朝食の欠食率の高さが社会問題となっていました。そこで、朝食を食べて元気に1日をスタートしてほしいという思いから、りんごとヨーグルトという健康的でおいしい食品を掛け合わせた商品を開発したと聞いています。

江崎グリコ株式会社 マーケティング本部 乳業マーケティング部 藤田 晃子氏
江崎グリコ株式会社 マーケティング本部 乳業マーケティング部 藤田 晃子氏

MZ:最近のプロモーションを拝見すると、夜食や食後臭対策など、新たな食シーンの創出に力を入れている印象があります。なぜそのような取り組みを進めるようになったのでしょうか。

藤田:シャキシャキの角切りりんごと、まろやかだけれどさっぱりしたヨーグルトが一緒に食べられるおいしさというのが、プロダクトとしての一番の価値であることはずっと変わりません。しかし、おいしいだけでブランドは続けていくのは難しくなってきています。

朝食りんごヨーグルト
朝食りんごヨーグルト

 我々は定期的にブランドに関する調査を行っているのですが、「昔はお母さんが買ってきてくれてよく食べていたけれど、今は食べていない」と答える方も一定数いらっしゃいました。そういう方々に、朝食りんごヨーグルトがもたらす価値を改めて伝えなければならないと考えています。

朝食以外の利用実態が明らかに

MZ:ブランドに関する調査では、他にどのような声があったのでしょうか。

藤田:発売から22年間経つ中で、お客様の利用シーンも変化してきました。調査結果から、朝食以外でも食べられている方が多いことがわかりました。たとえば、夜遅くに帰宅してもやもやした気持ちを朝食りんごヨーグルトですっきりする、お酒を飲んだ後に食べて次の日に響かせないようにするといった食べ方ですね。

 また、からあげやラーメンなど脂っこいものの後に、すっきりするために食べるというお客様も多くいました。実際に自分たちでも脂っこいものや臭いのキツイものの後に食べてみましたが、すっきりするということを実感することができました。お客様の声から、商品の本当の価値を教えられましたね。

 朝食りんごヨーグルトは、フルーツの素材が味わえるおいしさという点以外にも、食べた後にすっきりするので、お口直しとして食後のデザートに向いている点が強みになっています。そうした、さっぱりした味で食事を締めるのに良いというお客様が持っているイメージを訴求していくことにしました。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/07/30 12:59 https://markezine.jp/article/detail/31491

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