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事例&データで深掘り!Instagramマーケティングの現在地(AD)

ダイキン×ワンメディアが検証!Instagramストーリーズでのブランド訴求&クリエイティブの最適解

 空調機器メーカーのダイキン工業(以下、ダイキン)は、人気インフルエンサーkemioさんを起用したクイズ動画「#ぴちょんクイズ」をInstagramで公開。インパクトのあるクリエイティブに加え、ストーリーズのアンケート機能も駆使することで、若年層とブランドの接点を作り出した。本記事では、取り組みを通じて見えてきたInstagram活用のポイントを、ダイキンの天野貴史氏、ワンメディアの及川和宏氏と三嶋悠太郎氏にうかがった。

若年層とブランドの接点作りにInstagramを活用

(左)ダイキン工業株式会社 総務部 広告宣伝グループ 天野貴史氏(中央)ワンメディア株式会社 執行役員 及川和宏氏(右)ワンメディア株式会社 ビジネス開発部 デジタルマーケティングアソシエイト 三嶋悠太郎氏
(左)ダイキン工業株式会社 総務部 広告宣伝グループ 天野貴史氏
(中央)ワンメディア株式会社 執行役員 及川和宏氏
(右)ワンメディア株式会社 ビジネス開発部 デジタルマーケティングアソシエイト 三嶋悠太郎氏

――はじめに、皆さんのご担当業務を教えてください。

天野:ダイキン工業(以下、ダイキン)の広告宣伝グループに所属し、トリプルメディアを通じたコミュニケーション全般を担当しています。今回のInstagram活用に関しては、及川さん、三嶋さんを中心に、ワンメディアさんにお手伝いいただきました。

及川:この施策にはビジネスプロデューサーとして携わり、戦略の策定や当社の制作・マーケティングチームの統括などを行いました。

三嶋:私は日頃SNSへの広告配信やデータ分析を業務としており、ダイキンさんの取り組みをメインで担当させていただきました。

――ダイキンさんはこの夏、Instagramにインフルエンサーkemioさんを起用したクイズ動画「#ぴちょんクイズ」を配信しました。まずは施策の狙いをお聞かせください。

天野:ひとつは、若年層に「ダイキン」というブランドを知ってもらうことです

 私たちは、一般消費者向けにはエアコンを中心に販売していますが、特に若年層においてブランドの知名度が低いことが長年の課題でした。実家のエアコンは親が選んでいるはずですし、一人暮らしする部屋にも、元々備え付けられていることが多い。自ら購入する機会がないため、ブランドとの接点がどうしても少なくなってしまいます

 また、エアコンの機能に関する理解を深めてもらいたいという目的もありました。快適な空間を保つには、温度だけでなく湿度のコントロールも重要で、当社のエアコンはその点においても優れているのですが、多くの方にとってエアコンのイメージは「『温度』を調整するもの」。湿度の重要性はあまり認識されていませんでした。

 これら2つの課題を解決するために、若年層を中心に「湿度のコントロールは大切」「湿度といえばダイキン」という認知を獲得する施策を、Instagramで展開しました。

三嶋:Instagramの特徴は、若年層のアクティブなユーザーが多く存在している点、そして様々なフォーマット/機能を使うことができる点です。今回は、特定の商品を訴求するのではなく、ブランドに対する理解を深めることが目的だったため、プラットフォームの強みを活かして楽しく見られるコンテンツにすることを最優先しました。

ダイキン×ワンメディア「#ぴちょんクイズ」のクリエイティブは、こちらをチェック!

ワンメディア流、SNSマーケを成功させる「3点セットの訴求」とは

――若年層の認知獲得という目的に対して、ワンメディアさんはどのようなアプローチを行ったのでしょうか。

及川:私たちがSNSマーケティングにおいて意識しているのは、「会社やプロダクトの名前」「特定のキーワード」「人物」の3点セットを覚えてもらうことです。今回はあえてエアコンは登場させず、「ダイキン」「湿度」「kemioさん」に絞ってしっかり訴求しました。

 特に「人物」に関して、SNSのインフルエンサーはそれぞれの世界観を体現するハッシュタグや@ハンドルネームを背負っていて、ユーザー側も「誰が」そのコンテンツを発信しているのかを強く意識しています。そのためブランドの訴求にインフルエンサーを起用する際には、軸となる人物とブランドの文脈がマッチしているのかをよく検討する必要があります

――マス広告におけるキャスティングとは、違った視点が必要になりそうですね。

及川:その通りです。最大のリーチ獲得を目的とするテレビCMの場合、好感度や認知度が高いタレントを起用することで、商材とトンマナが多少ズレていたとしても話題になりやすい。しかしSNSは好きな人やモノを見に行く場なので、文脈が合っていないと不自然さが出てしまい、成立しないことがあるのです。

天野:「3点セット」の中で、ダイキンというブランドをどこまで強く押し出すかについては、議論を重ねました。広告色が強過ぎるとSNSでは受け入れてもらえませんが、ダイキンらしさがないキャンペーンは実施する意味がありません。

 本当に悩みましたが、最終的には画面の上下に帯を入れてロゴを配置したり、ダイキンのキャラクター「ぴちょんくん」をさりげなく登場させたりしました。

及川:SNSではどのアカウントから発信するかという点も非常に重要で、今回のプロジェクトでは、あえてダイキンさんのアカウントからではなくワンメディアのアカウントから配信しています

 これには、以前あるアパレルブランドのキャンペーンをお手伝いさせていただいた際の経験が活きています。今回のようにインフルエンサーに登場してもらい、ブランドの考え方を発信する動画を制作したのですが、これをワンメディアのアカウントから配信すると、とても良い反応を得られました。しかしブランドのアカウントでは、あまり見られていませんでした。

 逆に商品を前面に出した動画は、ブランドのアカウントでは好評だったのに、ワンメディアではクリック率が振るわなかった。ユーザーがそのアカウントに何を求めているのかを汲み取って発信することが、効果を大きく左右するのです

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A/Bテストでストーリーズの“意外な”最適解を発見

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この記事の著者

田崎 亮子(タサキ リョウコ)

マーケティング&コミュニケーション領域の編集・執筆・翻訳を手掛ける。コミュニケーション領域の専門誌編集、コーポレートコミュニケーション領域の制作会社を経て、現在はフリーランス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/17 12:00 https://markezine.jp/article/detail/32055

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