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「クリエイティブはデータサイエンスで進化する」サイカ平尾氏×元シンガタ松田氏が語る、テレビCMの未来

 オンライン広告・オフライン広告の統合分析ツール「マゼラン」で知られるサイカは、2020年9月に「XICA ADVA」を発表し、そのサービスラインアップの一部として成果報酬型テレビCM出稿サービスの提供を開始した。そして12月16日には、脳波解析データなどを用いて定量的にクリエイティブの効果測定から制作までを行う「ADVA CREATOR」を提供開始。そのアドバイザーに、クリエイティブ・ブティック「シンガタ」創設者の一人、松田康利氏が就任した。一連のリリースの狙い、「ADVA CREATOR」で進化するテレビCMの可能性について、サイカ代表・平尾喜昭氏と松田氏に聞いた。

テレビCMは、過小評価されている

――これまでサイカはオンオフ統合分析ツール「マゼラン」を提供する企業として知られてきましたが、9月の「XICA ADVA(サイカ アドバ)」の発表と同時に「ADVA PLANNER」「ADVA BUYER」を提供開始して成果報酬型のテレビCM出稿サービスに進出。12月には「ADVA CREATOR(アドバ クリエイター)」をリリースしました。この一連のリリースには、どのような狙いがあるのでしょうか。

平尾:一連の新サービスリリースの背景には、テレビ広告市場の活性化という目的があります。サイカはこれまで「ADVA MAGELLAN(アドバ マゼラン)」(9月にXICA magellanから名称変更)の統計を用いた分析で、広告主の皆様に最適なメディアプランニングとアロケーションの支援をしてきました。しかし、マゼランで120社を超える企業のオンライン広告・オフライン広告の統合的なマーケティング最適化に携わらせていただいた中で、数ある広告媒体の中でも、テレビCMへの投資に対する企業の課題が深いことを痛感しました。

 マーケターの方々からは「テレビの効果を感じているが、オンライン広告のようにPDCAが回せない」という悩みを聞くことも多いです。またテレビCMはグロス金額が大きい分、広告費が高い印象が根強いのです。動画の配信単価と比べても適切な視聴単価であるのに、テレビが過小評価されてしまっていると感じています。

株式会社サイカ 代表取締役 平尾 喜昭氏/2012年慶應義塾大学総合政策学部卒業。父親が勤める会社が倒産したことを原体験として、大学在学中に出会った統計分析から経営支援の可能性を見出し、2012年2月に株式会社サイカを創業。統計学と経済学をベースに、これまで数多くの大手クライアントでマーケティング精度向上のコンサルティングを行ってきた。その知見を基に、サイカの各種ツール開発におけるプロダクトオーナーを歴任。
株式会社サイカ 代表取締役 平尾 喜昭氏
2012年慶應義塾大学総合政策学部卒業。父親が勤める会社が倒産したことを原体験として、大学在学中に出会った統計分析から経営支援の可能性を見出し、2012年2月に株式会社サイカを創業。統計学と経済学をベースに、これまで数多くの大手クライアントでマーケティング精度向上のコンサルティングを行ってきた。その知見を基に、サイカの各種ツール開発におけるプロダクトオーナーを歴任。

――テレビの効果が肌感覚止まりで、事業成果に対するインパクトが可視化されず、PDCAが回せていないんですね。

平尾:そうなんです。XICA ADVAのサービスラインアップで、データサイエンスに基づいてPDCAを回せるようにしたいと考えています。具体的には、「P(Plan)」がテレビCMに特化したプランニングを行う「ADVA PLANNER(アドバ プランナー)」と、今回リリースしたクリエイティブ分析のADVA CREATOR。そして「C(Check)」がADVA MAGELLAN、「A(Action)」を「ADVA BUYER(アドバ バイヤー)」が担います。

ADVAサービスラインアップ
ADVAサービスラインアップ

クリエイティブにおける“データ活用”の重要性

――松田さんはどういった経緯でADVA CREATORのアドバイザーに就任されたのでしょうか?

松田:平尾さんから直接お声がけいただいたのですが、はじめにお声がけいただいたときは、正直言って「クリエイティブの分析って、ほんまかいな」と思いましたね(笑)。でも、クリエイティブは感性だけでなく、データも重視するべきという考えには同感でした。

 ターゲットや訴求メッセージが絞られていないテレビCMは、視聴者が何に心を動かされるのか? が曖昧で「おもしろいけれど、なんの商品だっけ?」となりやすい。そういったテレビCMは、事業にとってプラスになりません。そのため、調査などを行い、定量的なデータも用いてクリエイティブの方向性を決める必要があると考えています。

 しかしこれらを継続的に、汎用性を持たせながらデータで説明することは難しく、クリエイターや制作サイドにとっては長年の課題でした。そこを、ADVA CREATORがテクノロジーで解決してくれるとあって、「ならば私が一肌脱ごう」とアドバイザーを引き受けたんです。

株式会社松田康利事務所 代表取締役 松田康利氏/電通で営業・経営企画などを経験し、その後にクリエイティブ・ブティックのシンガタで営業兼アカウントプランナー。2012年に独立してコミュニケーション・プランナーやコンサルタントに従事。広告主側コンサルティングの経験多数。
株式会社松田康利事務所 代表取締役 松田康利氏
電通で営業・経営企画などを経験した後、クリエイティブ・ブティックのシンガタで営業兼アカウントプランナーを務める。2012年に独立してコミュニケーション・プランナーやコンサルタントに従事。広告主側コンサルティングの経験多数。

――クリエイティブ領域の専門家として、XICA ADVAが目指す世界観をどのように捉えていますか。

松田:広告会社やクリエイターにとって、大きなチャンスだと感じています。今、テレビだけでなく、新聞・雑誌、ラジオも交通もデジタルも、単純な物量作戦だけじゃなくて、データで正しい価値が計れる世界になろうとしています。

 媒体特性や事業への貢献が可視化されることで、それぞれの個性を活かしたキャンペーンやクリエイティブが作りやすくなると思います。「コストを押さえよう」ではなく、「こういうプランニングで、こんなクリエイティブの効果が高いですよ」といった提案ができると、日本の経済にも明るい日差しがさしてくるんじゃないかな。そのくらい、ADVA CREATORやサイカのビジョンに期待しています。

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脳波測定データを用いてクリエイティブを分析するADVA CREATOR

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2021/01/08 10:00 https://markezine.jp/article/detail/34997

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