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本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド

アクセス解析の数値がズレる4つの要因
【リクルートのアクセス解析担当者が明かすノウハウ】


 さて、今回はアクセス解析同士の比較についてのお話です。無料のツールを導入しているサイトに有料のツールを導入する。あるいはAという製品からBという製品に乗りかえる。または、アパッチログの数字を取得しているなど、色々なケースがあるかと思います。このように、違う種類のアクセス解析サービス同士の数値を比較する場合の注意点をまとめてみました。【バックナンバー】

数値はズレるのは当たり前

 アクセス解析ツール同士の数値を比較するとずれている場合が多いかと思います。もっと言うと、間違いなくずれていると思いますまずはこの原則を理解した上で重要なポイントは、

 大切なのは「数値のズレ」ではなく「数値のズレによる影響」

 という点です。

 それでは、「数値がずれると何が問題なのか」を洗い出しましょう。上司に怒られる? 前年比で比較が出来ない? ツールの数値が信頼出来なくなる? 取引先に怒られる? いろいろあると思います。まずはこれらを箇条書きにしてみましょう。

 そして、それら課題に対して、1つずつ対策を考えていくことが大切です(これらの対策に関してはまた後半で触れます)。まずは、数値がずれる原因をみていきましょう。

数値がズレる4つの要因

 さて、ここからは数値がずれる4つの要因について紹介をしていきます。その4つとは「比較している対象が違う」「アクセス解析ツールの定義が違う」「設定が違う」「アクセス解析以外の要因」です。それぞれの概要と数値ズレを減らすための対策を紹介していきます。

比較している対象が違う

 1つ目の要因として「比較している対象が違う」が挙げられます。個人的に問い合わせを受けてきた感覚だと、この要因が一番多いと感じています。具体的な例をいくつか挙げてみます。

  • サイト全体を比較しているつもりだったが、タグが片方のツールでは一部入っていなかった
  • 全く同じページを比較しているつもりだったが、片方のツールでは複数のページがグルーピングされていた
  • 成果ページの訪問回数とPV数を比較していた
  • 非リアルタイムとリアルタイムのアクセス解析ツールで最新の日も含めた月次のデータを比較していた

 対策としては、「本当に同じ内容で比較をしているか改めて確認をしましょう」となります。特に数値のズレが非常に大きい場合はまずはここを疑ってみたほうがよいでしょう。

アクセス解析ツールの定義が違う

 2つ目の要因は「アクセス解析ツールの定義が違う」です。これも非常に多くある要因で、そもそも定義が違うので数値が合わない場合があります。この場合、ツールの定義を正しく理解しておく必要があるため解決策を導く難易度は高くなります。マニュアルや設定画面を読み込んだり詳しい人に聞いてみたりしましょう。主に確認点としては、以下のポイントが挙げられます。

  • 新規の人が同じ日にサイトに2回訪れた場合の、新規・リピートの考え方
  • セッションの上限時間と、日をまたいだ場合の扱い
  • 同一セッションで複数回の広告コードをつけて流入してきた場合の数え方
  • 計測対象ドメインでタグが入っていないページはリファラーレポートでどう出てくるか?
  • Cookieを許可していないブラウズからのアクセスはどのように集計されるいるか?
  • Bookmarkから広告コードつきでアクセスしてきた場合の計測の仕方
  • クローラーを計測対象としているか、していないか

 対策としては地道に確認をしてみるしかないかと思います。しかし、苦労する割には実りが少なかったり、要因としては小さい可能性が高いです。また、仕様が違う場合は、今後もそのズレる要因を直すことが出来ません。

設定が違う

 3つ目は「設定が違う」です。数値が大きくズレる要因として、アクセス解析ツールAとアクセス解析ツールBで設定が違うケースがあります。これは前述の「定義が違う」とは別で「設定すれば一緒に出来るのに、設定があっていない」という意味です。いくつか具体的な例を見てみましょう。

  • 社内からのアクセスを除外している?
  • WWILLCOMやE MOBILEは計測対象となっている?
  • リピーターの日数設定は一致している?
  • 計測除外対象ページは一致している?
  • ダウンロードやFLASHのページの計測条件は一致している?

 対策としては、設定を1つずつ確認していくしかありません。また、確認をしても過去に遡って反映させることが難しい場合が多く、ある程度の割り切りは必要です。

アクセス解析以外の要因

 4つ目は「アクセス解析以外の要因によって数値がずれる」です。例えば、

  • タグ形式の2種類の記述を並べて記載していたが、1つ目の記述が読み込まれた直後に、ユーザーが次のページに遷移してしまった
  • ユーザー側で計測タグをSPAM扱いにして取得出来ないようにしている場合は、アパッチログのみで計測可能

 などがその代表例です。

 技術的には対策も可能ですが、仕方ない部分がほとんどなので割り切ることをお勧めます。

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この記事の著者

小川 卓(オガワ タク)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンで勤務。2015年にフリーランスとなり、UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)に就任。フリーランスでは、コンサルティング、勉強会、執筆などで活躍してい...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/11/03 13:27 https://markezine.jp/article/detail/8725

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