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ソーシャルメディア施策を打つ前に理解しておくべき考え方

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 ソーシャルメディア上で消費者と能動的にコュニケーションを行う場合、マス広告や販売促進的手法と同じ考えで臨むべきではない。『真説!ソーシャルメディアマーケティング』第4回は、ソーシャルメディアマーケティングの強み、戦略策定時のプロセス、KPIなど、施策立案・実施前に理解しておきくべき考え方や方法論を解説していく。【バックナンバー】

今回の解説範囲

 連載第1回では「ソーシャルメディアマーケティングを取り巻く環境」について概観してきた。連載第2回ではソーシャルメディアマーケティングの戦略策定においてベースとなる「聴く戦略(Listening)」について概観し、連載第3回では「Listeningの方法論」について解説してきた。

 ここで、おさらいの意味もこめて第2回で説明した「ソーシャルメディアマーケティングの5つの戦略図」を見てみよう(図表1)。

【図表1】ソーシャルメディアマーケティングの5つの戦略図
ソーシャルメディアマーケティングの5つの戦略図

 Talking、Energizing、Helping、Embracingなどは、能動的に消費者に働きかけ、関係性を構築していく戦略である。連載第4回である今回は、このソーシャルメディアマーケティングにおける「エンゲージメント(関係性構築)戦略」について詳説していく(図表2)。

【図表2】ソーシャルメディアマーケティング戦略の構造と今回の範囲
【図表2】ソーシャルメディアマーケティング戦略の構造と今回の範囲

マーケティングファネルとソーシャルメディアマーケティングの5つの戦略の関係

 消費者が、広告などの情報をきっかけに「気づき」「熟考」「選好」「行動」「ロイヤルティ」というプロセスを経て、ロイヤルカスタマーになっていくという、一連の購買行動プロセスを「マーケティングファネル」と呼ぶ。

 このマーケティングファネルにおいて、ソーシャルメディアマーケティングはどのような役割を果たし得るのだろうか? マーケティングファネルとソーシャルメディアマーケティング戦略の関係を見てみよう(図表3)。

【図表3】マーケティングファネルとソーシャルメディアマーケティング戦略の関係
【図表3】マーケティングファネルとソーシャルメディアマーケティング戦略の関係

 「選好」には“talking”が、「ロイヤルティ」には“Energizing”“Helping”“Embracing”が、それぞれ対応する。このように、ソーシャルメディアマーケティングはマーケティングファネルのミドルパートを強化する役割と、顧客のロイヤルカスタマー化を促進する役割が中心になる。ソーシャルメディアマーケティングはマス広告や店頭販促とは異なり、パーソナルなコミュニケーション手法である。つまり、企業と消費者・顧客との心理的距離を近づけ、Relevancy(関連性、つまり、そのブランドは自分に関係のあるものだと意識すること)の促進に向いている。

 従来、マス広告を中心としたAwareness獲得と、購買接点におけるAction促進のための販促的手法を中心に消費者とコミュニケーションを行ってきた企業にとって、PreferenceとLoyaltyのパートは手薄になっているのではないだろうか?

 マス広告によるAwareness獲得が難しくなってきており、リスティング広告などの販促手法によるAction獲得効率が頭打ちとなっている状況において、ソーシャルメディアマーケティングは企業にとって新たなマーケティング手法へのチャレンジの機会となるであろう。

ソーシャルメディアマーケティング戦略――戦略策定プロセス

 Listeningと同様、エンゲージメント戦略を策定する上で、プロセスを意識することが重要である(図表4)。

【図表4】ソーシャルメディアマーケティング戦略 戦略策定ステップ
【図表4】ソーシャルメディアマーケティング戦略 戦略策定ステップ

 戦略策定に当たって、まずは「現状把握」を行ってほしい。特に、自社のビジネスモデル理解と経営リソースの把握は必要不可欠である。加えて、Listeningによって抽出した課題と、導き出した消費者・顧客インサイトが戦略策定上に必要な情報のベースとなる。

 次に目的設定であるが、図表4にあるように「目的」と「目標」で分解して考えることが肝要である。目的は“中長期的かつ戦略的なもの”であるのに対して、目標は比較的“短期的かつ戦術的なもの”である。目標は、施策レベルの行動目標や実施したアクションに対する反響度を測るものとして設定される。

 このように目的と目標とを分解し、それに対応するようにKPIも大きく2つのレベルに大別する。1つは目的に対応する「ストラテジック(戦略的)KPI」であり、もう1つは目標に対応する「タクティカル(戦術的)KPI」である。この2つのKPIをレベル別に分類することで、効率的なKPIモニタリングが可能になる。

 そして、最後にエンゲージメント戦略の中で、最も有効なアプローチを選択する。


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