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そのFAQ、ヤバイですよ!

なぜ御社がFAQに取り組むべきなのか?
― そのFAQ、ヤバイですよ!第1回

 Webサイトに設置される「よくある問い合わせ」。通称、『FAQ』と呼ばれるこのページは、ただ作れば良いというものではありません。電話やメールでの問い合わせを基準にしてコンテンツを作りこまなければならず、ページの構成なども重要になってきます。では、そこまで力を入れないとどうなってしまうのでしょうか。逆にメリットは何なのでしょうか。連載第1回はそれらを解説していきます。

高まるFAQへのニーズ

 皆さんが運営されているWebサイトに、FAQ(よくある問い合わせページ)は置いてありますか? 置いてある場合、どのくらい力を入れて作っていますか?

 「FAQなんて、よくありそうな質問と答えをいくつか書いておけば大丈夫でしょ」なんて思っている担当者の方。その考えはヤバイです。

 私は長いこと電話サポート業務に携わってきましたが、この数年くらいでしょうか、サポート業界にも変化が見え始めています。その変化というのは、電話の問い合わせは「減少」し、FAQに対する需要が「増加」しているのです。

 ある外資系企業でサポート窓口を利用されるお客様にアンケートを取ったところ、「FAQをもっと充実して欲しい」とか「自分で調べてできることは自分でやりたい」と言った回答を多く頂いたことがありました。それに基づいてFAQをリニューアルしたところ、電話の問い合わせは翌月から20%も減少し、同時にお客様の満足度も向上したのです。

 なぜこのような変化が起き始めているのかと言うと、いくつかの要因が考えられます。

  • 顧客層のITリテラシー向上によって高まった、インターネット上で完結する情報へのニーズ
  • 「Google世代」と呼ばれる層のコミュニケーションスタイルの変化
  • 電話窓口の開いていない、深夜の時間帯に自己解決を望む声の増加

 テクノロジー面で言えば、昨今はソーシャルメディアが盛り上がりを見せており、インターネット上でのコミュニケーションが多様性を持ちつつあります。そんな中でサポートに求められるのも、インターネット上での高度な情報公開なのです。

 そうしたニーズが高まる中で、「よくありそうな質問をいくつか載せておけば良い」などと言っていると、お客様はすぐに離れていってしまいます。

 そう、企業側にも「FAQに取り組まなければならない理由」があるのです。

御社がFAQに取り組まなければならない理由

 ご存知のとおり、日本の人口は減少しています。ですから、労働者人口はこれからも減少の一途をたどるわけです。どうでしょう、サポートに従事されている方の人手は足りているでしょうか。おそらくほとんどのサポートの現場が、人材不足の悩みを抱えていると思います。

 そこで必要になってくるのが、FAQです。

 さまざまなサポートの現場でお客様からの問い合わせを分析してみると、実は同じような質問を何度も受けていることが分かります。これは非常に効率の悪いことです。「よくある問い合わせ」というものを正しく分析し、その情報を分かりやすく展開すれば、おのずと問い合わせは減少するはずなのです。

 それだけではありません。サポート現場の内部的にみても、業務効率を改善するチャンスがあります。それは、人の入れ替わりが起きる時や、新しく人材が入ってきた時です。

 新人教育だ、OJTだと言って丸々1人が新人に張り付いてしまうと、それだけ現場が手薄になり忙しくなってしまいます。かといって、引継ぎ資料や教育資料などを作っている暇もない現場がほとんどでしょう。

 実はFAQがしっかり作りこまれた現場では、引継ぎ資料や教育資料の補完資料としてもFAQが活用されています。新人でもある程度読みこむだけで全体像が把握できてすんなり業務に入れますし、現場もOJTにばかり時間をとられなくて済む。このように、FAQがよくできていると内部的にも業務効率が向上するのです。

 それから、現場の問題点として挙げられるのが「属人化」です。要は「あの人に聞かなきゃ分からない」という状態ですね。サポートの現場ではこれが非常に起きやすく、そうなるとその人が抜けられずにいつまでも同じサポートを繰り返さなければなりません。

 溜まったナレッジや共有すべき情報はどんどんFAQに形を変えていくことで、こういった属人化の動きを防ぐことができるわけです。

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この記事の著者

原 正彦(ハラ マサヒコ)

株式会社ハウコム 新規事業開発室トヨタ自動車で勤務後、独立系SIerであるCSKに移り、様々なお客様先企業に常駐。外資系サーバーメーカーのコールセンターではリーダーを努め、外資系プリンタメーカーでは社内SE向けのサポートやFAQ作成を実施。その後、Web系のベンチャー企業にてコンテンツ企画などを経験...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/11/02 11:00 https://markezine.jp/article/detail/12188

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