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ビジヲタ必見!「すべらない事業」の作り方

数千円からのアウトソーシングを可能にした、在宅ワーカーと企業のマッチングサイト「シュフティ」の話

 毎回ユニークな事業を行っている企業の経営者にインタビューする「すべらない事業のつくりかた」。第25回は、在宅ワーカーと企業のマッチングサイト「シュフティ」を運営する、株式会社うるるの代表取締役 星 知也氏に話を聞いた。リスクを考えると、企業側は個人事業主への発注はなかなかし辛いもの。その心配を取り除くために同社が採った施策とは?(バックナンバーはこちら)

Q. 貴社の事業内容を教えてください

 企業と在宅ワーカーのマッチングサイト「シュフティ」を運営しています。

シュフティ
シュフティ

 昨今、BCP(※注1)の観点からも、働く場所を選ばないテレワークに、多くの企業から注目が集まっています。働く側も、出産や育児、家族の介護などで外に働きに出られない主婦や、体の不自由な方、本業を持ちながら平日夜と土日祝日にアルバイト感覚でダブルワークする方など、様々な方に自宅で働くニーズが高まっています。

※注1:BCPとは?

 「Business Continuity Plan」の略。企業がビジネスコンティニュイティに取り組むうえでの基本となる計画のことを指す。事故や災害などの予期せぬ出来事の発生により、限られた経営資源で最低限の事業活動を継続、または目標復旧時間以内に再開できるようにするために、事前に策定される行動計画のこと。

 また、今で言えば、被災された東北地方の就業は切実な問題になっています。東日本大震災の発生から3か月以上が過ぎ、被災地で求められている支援は「物資」から「雇用」にシフトしています。現在、震災で職を失った方々に対する求人の9割が「被災地外の企業」からです(厚生労働省 震災による雇用の状況(6月3日現在)より)。多くの被災者が、家族や自宅から離れて働きに出ないと、収入を得ることができないのが現状です。

 このような状況を踏まえ、4省合同で東北地方在宅就業支援プロジェクトが、7月から始動しました。テレワークであれば、東北地方に居ながら東北以外の仕事を行うことが可能です。シュフティは、このプロジェクトの中核を担っています。

Q. 「シュフティ」の仕組みをもう少し詳しく教えてください

 シュフティはテレワークの中でも、企業と雇用関係のないSOHOや在宅ワーカーと、企業のベストマッチングを支援しています。

 ただ、そこで問題になるのは“発注側の企業にとって、個人事業主である在宅ワーカーに大切な業務を依頼するのは、品質や納期、情報漏洩などの観点でリスクが高い”ということです。シュフティの場合、登録している在宅ワーカーの能力が数値化されており、過去の業務の実績を「評価」という形で確認することができるため、リスクコントロールが可能です。

 例えば、“名刺データをExcelに入力してほしい”という業務を企業がシュフティに登録すると、数分で数件、1日後には数十件の見積りが提出されます。企業はその見積り金額、ワーカーの能力や評価を比較して、発注する人を選ぶことができます。

 リスクコントロールできる情報を公開することでベストマッチングを支援し、企業にとっては大幅なコスト削減になり、ワーカーにとっては自宅でできる仕事をGETでき、営業活動を省略することが可能になるのです。

発注側は、ワーカーの能力や評価を把握できるようになっている(※画像はシュフティより転載)
発注側は、ワーカーの能力や評価を把握できるようになっている(※画像はシュフティより転載)

 また、在宅ワークをするのに最低限必要な知識や技術を、eラーニング形式で提供しています。ワーカーにとっては、スキルアップすることで受注確度が高まります。納品物のクオリティが上がるため、発注企業に対してもメリットを生むことができます。

 派遣やアルバイトといった働き方のように、在宅ワークという働き方がスタンダードになる日もそう遠くはありません。自宅に居ながら収入を稼いだり、活かしきれていないちょっとした空き時間や自分の能力を、報酬に変えることが簡単になる世の中になります。

 仕事を発注する側も、最適な能力を簡単に探せたり、ストレスなく業務の発注や決済ができたりすることで、自分の助手のような存在を抱えることができます。自分は本業に専念することができ、雑多な業務や特殊な業務は低コストで処理することができるようになるのです。

Q. 「シュフティ」内での仕事の流通量を教えてください

 2011年7月現在、1200名以上のワーカーと700社以上の企業が登録しており、月間100件程度の仕事が流通しています。

 流通する仕事の内容は、データ入力、ライティング、動画チェック、翻訳などですが、今後、デザインやプログラミングなど、自宅のパソコンを使ってできる仕事であれば、あらゆる業種を流通させる予定です。

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Q. 「シュフティ」の事業モデルは、どのような発想で生まれたのでしょうか?

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この記事の著者

矢作 嘉男(株式会社ハチワン)(ヤハギ ヨシオ(カブシキガイシャ ハチワン))

株式会社ハチワン代表取締役。New Jersey City University卒。 中国人観光客向けクーポンサイトなどインバウンド媒体を運営。 2011年、中国のインターネットプロモーション事業を行う北京博洛密網絡科技有限公司と提携し、中国向けプロモーション事業を開始。本当に成果の出る中国市場向けインターネットマーケティングのみをを提供し、インバウンド向けから中国現地進出向けまで数多くの実績を持つ。 プロモーションのご相談:info@813.co.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/07/28 11:00 https://markezine.jp/article/detail/14148

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