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アトリビューション分析のフレームワークを構成する6つの視点とは?【アトリビューション編:第5回】

 前回の記事では広告効果測定ツールの役割、ラストクリック偏重問題、アトリビューションの概念の登場、3PASが注目されるようになった背景、そしてカスタマージャーニーまで、それぞれの概念のつながりを理解できるように、順を追って解説しました。今回は、オンラインアトリビューションのについて説明していきます。(バックナンバーはこちら)

カスタマー・ジャーニーの考え方

 3PASを使ってカスタマー・ジャーニーの情報が取れるようになったことで、インターネットマーケティングの戦略構築の仕方が大きく変化しました。なぜなら、それぞれ異なる媒体がコンバージョンに至る経路の中でどのような役割を果たしているかが分かるようになったからです。そして、その役割に応じて予算配分をしたり、クリエイティブを作成したりすることができるようになりました。

Google“The Customer Journey to Online Purchase”より

 グーグルが国別・業界別にカスタマー・ジャーニーを見ることができるツールを公開しています。これを見ると、カスタマー・ジャーニーのイメージがより分かりやすくなると思います。例えばこのツールで「Japan」「All Industries」を選択してみると、DISPLAY(バナー広告)が経路の中では一番前にきていて、SOCIAL(SNS)は中間ぐらいに位置している、といったことなどが分かります。

 ところで、カスタマー・ジャーニーとほぼ同じ意味で、Consumer Decision Journey(CDJ)という言葉も使われています。CDJは2009年にMcKinsey & Companyが発表した考え方です。このCDJもカスタマー・ジャーニーと同様に覚えておくといいでしょう。

経路データから、顧客の心の移り変わりを想像する

 3PASを使って取得できるカスタマー・ジャーニーの情報は、バナー広告配信を中心にした3PASで捕捉できる経路データになります。つまり、広告主企業が配信した広告に、ユーザーが接触した履歴のデータと広告主企業にユーザーが訪問した履歴のデータになります。

 つまり、ユーザーのインターネット上でのすべての行動履歴が分かるわけではありません。もちろん、リアルでの行動履歴が分かるわけではありません。あくまでも広告主企業を軸としたユーザーの行動履歴がわかるだけです。しかしながら、媒体社のレポートやアクセス解析ツール、あるいは、広告効果測定ツールなどに比べれば、圧倒的な量の行動履歴が3PASでわかることになります。この3PASの経路データを分析することでかなり面白いことが見えてくるようになります。

 たとえば、旅行サイトの例で考えてみましょう。

最初に海外旅行のバナー広告をクリックして広告主サイトを訪問して離脱。それから3日後に「イタリア旅行」というキーワードで検索して訪問して離脱。その5日後にイタリア旅行を訴求したバナー広告をクリックして訪問して離脱。その4日後に、なぜか「箱根温泉」というキーワードで検索して訪問し、そのままコンバージョン(予約完了)した。

 上記のような流れがデータで分かったとしましょう。この例では、あくまでも推測ですが、最初は海外旅行にいきたいと思っていたユーザーがイタリア旅行を検討してみたが、おそらくは費用が高いとか十分な時間が取れないなどの理由で、結局、国内の箱根温泉旅行で妥協して予約をした、というようなことが考えられます。

 このような例はいくらでもありますよね。たとえば、住宅情報系のサイトあれば、一戸建てのバナー広告から訪問してきたが、しばらくすると、結局マンションの資料請求をしているといったことなどです。読者の方自身も、思い当たる経験があるのではないでしょうか。

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/06/18 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17866

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