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FEATURE

その手があったか!!「2013年 世界の凄いプロモーション10選」

 今年、世界をにぎわせた広告プロモーションの中から、AdGangの山田健介氏が厳選した10件を紹介する年末企画。「動画プロモーションの再興」「ソーシャルグッドなキャンペーン」など、今年のトレンドが見えてきます。世界の広告業界人の斬新なアイデアをご堪能ください!

2013年のトレンドは?

 毎週、世界中のキャンペーンを紹介している連載「AdGangが選んだ今週の一押しキャンペーン」の特別編として、今年のキャンペーン事例から厳選した10件をご紹介します。プロモーションのテーマをあえて絞らず、「その手があったか!」「そうきたか!」と思わず唸ってしまうような想像力あふれるケースをセレクトしました。

 2013年の世界の広告業界のトレンドを挙げると、「動画プロモーションの再興」、「デジタルデバイスを駆使したO2O施策の多様化」、昨年に続いて6月のカンヌでも散見された「ソーシャルグッドなキャンペーンの浸透」といったあたりでしょうか。SNSがもはや当たり前になった中で、企業・ブランドが社会の構成員として、その“良心”大胆に打ち出す仕掛けが増えているように思います。それでは、今年、世の中をにぎわせた傑作たちを紹介しましょう。

“虫の習性”を逆手にとった、殺虫スプレーの看板広告

国名:イタリア 業種:殺虫剤 ブランド名:ORPHEA 参考資料:AdverblogYouTube

 イタリアの殺虫スプレーブランド「ORPHEA」による看板広告。ハエや蚊が増えてくる季節に合わせて、屋外でも充分に使用できる殺虫スプレーであることを市民に訴求することがねらいです。

 人通りの多い道路に面した真っ白な看板広告の左端に、殺虫スプレーの缶の絵だけを描きます。その右側には、スプレーが噴射する軌跡の形に合わせて、透明な糊を塗ります。後は、看板の上にライトをつけて待つだけ。

 数日かけて、看板表面の糊に捕らえられた大量のハエや蚊で、スプレーの噴射の様子が徐々に浮かび上がるという仕掛け。この看板によって、殺虫スプレーのパワーをユニークな形で道行く人々に訴求するだけでなく、およそ23万匹ものハエや蚊を捕えて、市民が悩まされるのを幾分和らげることに成功したといいます。光に集まってくるという虫の習性を利用した斬新な看板広告ですね。

郵便受けにさえも駐車できるスマートなDM

国名:スペイン 業種:自動車 ブランド名:Smart 参考資料:Ads of the World

 コンパクトカーブランド「Smart」によるユニークなDM。ターゲットである都心部に住む人々に、「Smartであれば、どんな場所にも簡単に駐車でき、駐車スペースを探すのに苦労しませんよ」というメッセージを、低コストで訴求することをねらった施策です。

 制作したのは ミニチュアのSmartの形をしたDM。こちらのDMは指で押しつぶして平面にしてポスティングしますが、ゴムバンドが仕込まれており、時間が経つと徐々に元の形に戻ります。そのため受取人が郵便受けを開いたときには、目の前に立体になったミニチュアSmartが駐車されているという仕掛け。そして「Smartならどこにでも停められますよ」というメッセージがHPのURLとともに、ルーフに記載されています。

 本来、(入口の非常に狭い)郵便受けには決して入らないであろうミニチュアSmartが、郵便受けを開けたら目の前に駐車されているというサプライズな演出。訴求したいメッセージを驚きとともに伝えられるウィットに富んだアイディアですね。

速すぎてフォローできないTwitterアカウント

国名:ドイツ 業種:自動車 ブランド名:ABARTH 参考資料:Twitter

 FIATのコンパクトスーパーカーモデル「ABARTH 500」によるTwitterを活用した斬新なプロモーション。このクルマのウリは、1.4リットルで135馬力を発生するターボチャージャーが生み出す“加速性”ですが、今回の企画ではその“加速性”を訴求することが狙いです。

 コンセプトは、「ABARTH 500. Too fast to follow.」(ABARTH 500があまりにも速過ぎて、誰もフォローすることができない)。同ブランドの公式Twitterページを開いてみると、確かにフォロワーが0のまま。実際にフォローしてみると、一瞬だけフォロワー数が1に変更されますが、すぐさま0に戻ります。そして、再度フォローしようとしても、「ブロックされているのでこのユーザーをフォローすることができません」と表示されます。

 フォローしようとしたユーザー宛にはTwitterのダイレクトメッセージが届き、キャンペーンサイトへと誘導するという仕掛けでした。“フォロワーを増やすこと”に躍起になるマーケッターが多い中で、“フォローさせない”という逆転の発想がユニークですね。

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この記事の著者

山田 健介(株式会社PR TIMES)(ヤマダケンスケ (PR TIMES))

著者Twitter著者Facebook●About / PR TIMES Inc ・プレスリリース配信サービス「PR TIMES」の運営 ・ブログマーケティングサービス「ブログタイムズ」の運営 ・WEBクリッピングサービスの提供●About / Vector Group コアバリューである「モノを広める」スキルを通じて、企業・消費者の皆様をマッチしたサービスを提供しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/12/25 11:00 https://markezine.jp/article/detail/19037

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