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モバイル時代のCRM

アプリを制するものはCRMを制す。自社アプリ運用における5つのポイントとは

 顧客と常に行動をともにしているスマートフォンを中心に、CRMを展開する上で必要なことを解説する本連載。第4回を迎える今回は、アプリ活用をテーマに、アプリをCRMに活用するメリットや他のアプリとの競争に打ち勝つために必要なポイントを紹介します。

アプリで進むオムニチャネルCRM

 スマートフォン(以下、スマホ)の利用時間が長くなったことは皆さんにとって周知の事実だと思います。ただ、スマホ利用の中で、ブラウザ利用はわずか20%程度しかなく、スマホ利用時間のほとんどをアプリが占有していることはご存じでしょうか。

ソース:Nielsen Mobile NetView
ブラウザおよびアプリからの利用2015年の7月~9月平均を抜粋しオプトで加工

 この数字は、検索から行動が始まるPCとはスマホの行動が大きく違うことを意味しています。さらに、顧客の検索を促すマーケティング手法の効果は弱まっているため、より顧客行動に沿ったマーケティング設計が必要となります。

 単純にアプリの利用が80%なのだから、自社でアプリを作れば良いという訳ではありません。皆さんのスマホ画面にはいくつのアプリがインストールされているでしょうか。私のスマホでは、1スクリーンに24個のアイコンがあり、4スクリーンの中に75個のアプリがありました。おそらく皆様も3から5スクリーンに収まる程度のアプリが入っていると思います。

 当然その中には、LINEやFacebookなど誰もが日常的に使うアプリや地図、乗り換え案内など生活に便利なアプリ、ゲーム、動画、音楽などのエンターテインメントアプリがあるはずです。

 もし自社アプリを作って顧客接点を保ちたいと考えた場合、これら多数のアプリとの競争に勝ち、メインスクリーンに入らなくてはなりません。そもそも使われないアプリはすぐに消されてしまいます。モバイル時代では、スクリーンの陣取り合戦が繰り広げられているのです。

自社アプリ運用に必要な5つのこと

 さて、スマホスクリーンの陣取り合戦での戦い方は二つあると私は考えています。

 一つは強いアプリに乗っかることです。強いアプリとは、インストール数とアクティブユーザー数が圧倒的に多いLINEやFacebookなどを指します。LINEの公式アカウントやFacebookページなどを活用し、顧客接点を持つ方法です。

 もう一つはメインスクリーンの陣取り合戦に勝てる魅力的な自社アプリを作ることです。もし、自社アプリを作る戦術を選ぶのであれば次のチェックポイントを確認してください。

1.インストールするメリットを明確に伝える

 スクリーンの1アイコン分とデータ容量を使ってアプリをインストールするのですから、何かしらの魅力が必要です。インストールすることで得られるメリットを明確にしましょう。

2.維持されるブランド力がある

 ここでいうブランド力とは一般的な認知度や知名度に限らず、そのユーザーにとって「愛着がある」かどうかを指します。より深く知りたい、関わりたいといった現代的なユーザーと企業の距離感を作る必要があります。

3.アプリならではの仕掛けがある

 例えば、カメラ機能や位置情報などスマホアプリならではの機能を活用することです。ポケモンGOなどはこれらの機能をうまく活用した例ですが、バーコードの読み取りで情報がわかるものや近くの店舗を探すなどの機能を持つことが重要です。

4.情報更新頻度を保てる体制である

 アプリをインストールしたものの、情報更新が無いものであればすぐにアンインストールされてしまいます。アプリではWeb以上に更新頻度が重要であることを考慮し、その体制を整えるべきです。

5.こまめに改善できる開発体制がある

 アプリはWEB以上に操作性によって評価が変わります。またアップデートの申請や計測のためのSDKなどアプリ独自の技術もあるため、いつでも改善・改修できる開発体制を維持するべきでしょう。

 これらのポイントを全て満たした上で陣取り合戦に挑まなければ、スクリーンに残り続けることはできないため、一点でも満たせない場合は強いアプリに乗っかることをおすすめします。

 また、次の図はアプリを運用するにあたり必要なKPIや施策をまとめたものですが、アプリを運用していくには、これだけ見るべきKPI、行える施策の選択肢があるのです。

 これらのKPIをモニタリングしながら必要な施策を選択し、不備があれば改修する。アプリを運用するのはそれなりに手間がかかることを覚えておいてください。

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この記事の著者

伴 大二郎(バン ダイジロウ)

株式会社ヤプリ エグゼクティブスペシャリスト/株式会社顧客時間 プロジェクトマネージャー小売業界においてCRMの重要性に着目。一貫してデータ活用の戦略立案やサービス開発に従事した後、2011年にオプト入社。 マーケティングコンサルタントを経て、 2015年よりマーケティング事業部部長として事業拡大...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/10/04 10:00 https://markezine.jp/article/detail/25244

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