サイバーエージェントが運営する、動画広告に特化した研究機関であるオンラインビデオ総研は、デジタルインファクトと共同で、国内動画広告の市場動向調査を行った。なお、同調査では、インターネットを通して配信される動画広告の年間広告出稿額を推計し市場規模予測を算出している。
動画広告市場の約7割はスマートフォン向けに
2016年の動画広告市場は、前年対比157%の842億円に達する見通しだ。この背景として大きいのは、スマートフォン端末による動画視聴の増加だ。2015年から2016年にかけて、ソーシャルメディア上での動画コンテンツの提供が急速に進み、動画視聴のスマートフォンシフトをさらに後押しした。
また広告主の間では、自社商品やサービスのブランディング需要だけでなく、スマートフォンアプリゲームのインストール促進をはじめとした、商品・サービスの購買促進などのダイレクトレスポンスを目的とした動画広告の出稿需要が急増している。
結果、2016年のスマートフォン動画広告需要は、前年対比約2倍の成長を遂げる576億円に拡大し、動画広告市場全体の約7割を占める見通しが立っている。
今後も中長期的に、スマートフォン動画広告需要の拡大が市場成長をけん引し、2020年には2,309億円、2022年には2,918億円に達すると今回の調査では予想している。
主流はインストリーム、インフィードも拡大傾向
2016年の動画広告市場規模を広告商品別に推計・予測したところ、インストリーム広告が市場全体の半分以上を占め439億円に成長する結果となった。
さらに、インフィード広告とインバナー広告を合計したアウトストリーム広告と呼ばれる広告商品の需要が急増。とくに、スマートフォンでのユーザー体験を損なわない広告フォーマットの普及に沿い、インフィード広告の需要が著しく拡大しており、2016年は197億円、前年比約2.5倍の成長となる見通しだ。なお、2022年には5倍超成長の1,018億円に達する予測になっている。
【調査概要】
調査主体:株式会社サイバーエージェント
調査時期:2016年7月~2016年9月
調査方法:動画広告市場関係者へのヒアリング、
調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:動画広告市場
調査機関:株式会社 デジタルインファクト
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