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デジタルトレンドレポート

【調査】フェイスブックの強さ目立つ 東南アジア各国のネット広告市場トレンド


 本コラムでは、デジタル広告の新領域や日本以外の市場動向について紹介する。2010年代以降、東南アジアへ日本の主要ネット広告事業者の進出が続いている。今回は東南アジア地域のネット広告市場全体の特徴について、基本的な解説を行う。

規模は日本の約4分の1、東南アジアのネット広告市場

東南アジア主要6か国のデジタル広告費(単位:10億ドル)/参照:eMarketer
東南アジア主要6か国のデジタル広告費(単位:10億ドル)/参照:eMarketer

 米eMarketerによると、2017年の東南アジア主要6か国(シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン)のネット広告市場規模は、20億7,000万ドル、日本円で約2,318億円規模であり、2020年にはおよそ1.4倍、29億7,000万ドル、日本円で約3,326億円規模に達すると予測している。

 日本のネット広告市場と比較した場合、約4分の1であるが、今後の成長性を見据えて、世界中の事業者がこの地域を注視している。

人口増加、ネット利用時間の長さ、EC市場の拡大

 東南アジアのネット広告の成長性の高さは、具体的にどのような点から裏付けられるのだろうか。注目すべきポイントとしては、人口増加、ネット利用時間の長さ、EC市場の拡大の3点が挙げられる。それぞれ見ていこう。

人口増加

 若年層を中心に人口が増加し、今後も人口増が続いていくと予想されている。この点は、該当地域の今後の潜在性を最も担保している点である。

東南アジア主要6か国の人口/参照:THE WORLD BANK
東南アジア主要6か国の人口/参照:THE WORLD BANK

ネット利用時間

 東南アジア各国ユーザーのネット接続時間は、非常に高いと言われている。主要6か国のPC、モバイルの1日当たりインタ-ネット平均接続時間は、いずれの国も日本を大きく上回っている。

1日当たりのネット利用時間 2015年10-12月(単位:時間/1日)/参照:We Are Social
1日当たりのネット利用時間 2015年10─12月(単位:時間/1日)/参照:We Are Social

 読者の皆様もお察しの通り、ネット接続における東南アジア地域の特徴は、モバイルデバイスからの接続が中心となる。日本や欧米諸国においてはモバイルにおけるネット利用の普及はPC時代を経て進んだが、東南アジア各国においてはスマートフォンの普及がPC利用を経ずに進んだ。

 各国とも都市部を中心に、スマートフォンが急速な普及を遂げており、このことが東南アジアネット広告市場のモバイルファーストな成長を大きく後押ししている。

スマートフォンユーザー数】(単位:万人)/参照:eMarketer
スマートフォンユーザー数(単位:万人)/参照:eMarketer

EC市場の拡大

 忘れてはいけないのは、ECの普及・拡大である。Amazonや、Rocket Internet Groupに端を発する、LAZADAやZALORA、そして各国独自のローカルEC企業がサービスを急成長させており、これら企業による大きなプロモーション需要がネット広告市場を牽引している。

 だがその普及は途上にある。東南アジア各国では、シンガポールや各国主要都市を除き、決済・物流環境がまだ整備されきれておらず、その伸び白は大きい。

 物流については、2万もの島で構成されているインドネシアに象徴されるように、まだまだ課題が多いとされており、インフラ整備には少し時間を要するであろうという現地関係者の声も聞かれる。

東南アジア小売市場EC化率 2013年/参照:ASEAN UP
東南アジア小売市場EC化率 2013年/参照:ASEAN UP

デジタルインファクトでは、東南アジアのネット広告市場を継続的に調査し、その結果を調査レポートとして発刊している。詳細はこちらへ

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この記事の著者

野下 智之(ノシタ トモユキ)

株式会社デジタルインファクト 代表 ExchangeWire.jp 編集長1983年設立の市場踏査会社、株式会社シード・プランニングの独立プロジェクトとして、2014年10月にデジタルインファクト(Digital InFact)を設立、2016年4月に法人化。デジタル領域を対象とする市場・サービス評価機関...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2017/09/18 22:50 https://markezine.jp/article/detail/26737

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