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同じインフルエンサーなのに代理店で価格が異なる謎 Instagramで“ただの商品紹介”は時代遅れ?

 「インフルエンサーマーケティング」という言葉が、ここ数年で一気に普及し、プロモーションのチャネルの一つとして、多くのマーケターが活用を進めています。各SNSにインフルエンサーがいますが、プロモーション活用となるとやはりメインストリームはInstagramです。しかし、広告主とInstagramのインフルエンサーについて話をする際、何か違和感があります。今回、その違和感の正体について広告代理店目線で解説し、今後のインフルエンサーマーケティングにおける向き合い方のポイントをお届けします。

違和感の正体は何か?

 2018年11月に開催された「Instagram Day」で発表されましたが、InstagramのMAUは2,900万を突破しました。そして、ユーザーと情報量の増加にともない、様々なハッシュタグ企画や、ユーザー参加型の目新しい企画が増えております。

 もちろん、Instagram黎明期からあった「インフルエンサーに商品を紹介してもらうPR」も依然よく見かけます。しかし、広告主・インフルエンサー・フォロワーのどの立場から見ても、この手法には限界があり、得られる価値やインパクトが相対的に落ちてきていると私は考えます。

 なぜなら、そのPRの投稿が「ただの商品紹介」と化しているケースがほとんどだからです。そしてその背景には、企画やキャスティングの進め方に問題があると感じています。

 広告主がインフルエンサーを起用する際に、最も気にするのが「フォロワー単価(掲載費用÷フォロワー数)がいくらか」です。広告代理店は、広告主のターゲットや狙いに合いそうなインフルエンサーを選出し、運用工数やプランに応じてマージンを乗せて提案するため、広告代理店ごとにマージンが異なるケースが出てきます。

 ここで、広告主と話す際、よく起こるのが「フォロワー単価が高いねー。他社だと○○円ぐらいで提案してもらえるよ」という現象。なぜそんなに安いのかを追及していくと、Instagramを「単発の認知拡大施策」や「二次利用素材の拡充」と捉えられていることが多いのです。

 純広告と同じ扱いでInstagramのインフルエンサーを起用することは正しいのでしょうか。そして、広告枠としてPR投稿を実施したインフルエンサーとその投稿を見たフォロワーは、その商品の“ファン”になるのでしょうか。

 私がここで言いたいのは「インフルエンサーはただの広告枠ではなく、“人”であることを忘れないでほしい」ということです。

広告枠扱いになってしまう2つの要因

 しかしながら、インフルエンサーがなぜ純広告の枠のような扱いになってしまうのか。主な要因は2つあると考えています。

1.課金形式が固定費

 GoogleやFacebookをはじめとする運用型広告(CPC、CPM課金)や、1CVいくらといったアフィリエイト広告(CPA課金)と違い、Instagramインフルエンサーへの掲載依頼は、純広告にありがちな掲載保証の固定費が主流です。

 最近でこそ、アフィリエイト方式でストーリーズ面に掲載、といったライトなプランも増えてきましたが、メインのフィードへの投稿は固定費が必要な場合がほとんどです。

2.データドリブンでPDCAを回しづらい

 インフルエンサーを起用したPR投稿は運用型広告と違い、ユーザーの属性や興味関心・クリックが起こった時間帯、CTR、CVRなどの細かいデータを出しづらい点も、純広告扱いを助長しています。

 「どのインフルエンサーがどのような特性を持ち、何が得意か」といったことを出稿企業側や広告代理店側で、すべて把握することは困難です。かつ、インフルエンサーのフォロワーは日々増減するため、場合によっては1ヵ月前とはまったく違う性質になっていることもあります。

 そうなると確かに、年齢や性別などのおおまかなカテゴリを見た上で、わかりやすい指標である「フォロワー単価」で判断をすることが合理的なのかもしれません。

 広告代理店も効果計測のハードルの高さから、運用型広告のようにデータドリブンなフィードバックが広告主に対してできていなかったという事実もあると思います。

 そのため、提案の仕方も「CVとかは直接起きづらいですが、影響力のあるインフルエンサーに、第三者の口コミとして紹介していただけるので、認知拡大につながります」といった形になりがちでした。

 Instagramを純広告として提案したのは、広告代理店に非があります。その結果、インフルエンサーを人ではなく、無数にある広告枠の一つにしてしまったのです。

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この記事の著者

松尾 亮(マツオ リョウ)

株式会社アドウェイズ ユニットマネージャ。2014年7月入社。大手化粧品メーカー、健康食品メーカーを中心に多くのWebプロモーションを手掛け、国内広告事業部約250名の営業の中で1位の営業成績をマークする。2017年4月、ユニットマネージャ(課長職)に就任。EC領域の運用型広告売上250%伸長に貢献...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/23 07:00 https://markezine.jp/article/detail/30176

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