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サブスクリプションモデル大解剖

「要望を満たすのではなく感動を届ける」普段着のサブスク・エアークローゼットが語る仮説思考のデータ活用

 オイシックス・ラ・大地の西井 敏恭氏が、サブスクリプションを採用する様々な企業のキーパーソンと対談する連載「サブスクリプションモデル大解剖」。第3回目は、エアークローゼットの天沼 聰氏をゲストに迎え、月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」をゼロから作り上げた経緯や届けたい「体験」、それを実現するサービス設計について話を聞いた。

使うたびに似合う服に近づく「airCloset」

(左)株式会社エアークローゼット 代表取締役社長 兼 CEO 天沼 聰氏(右)オイシックス・ラ・大地株式会社 執行役員 CMT 兼 株式会社シンクロ 代表取締役社長 西井 敏恭氏
(左)株式会社エアークローゼット 代表取締役社長 兼 CEO 天沼 聰氏
(右)オイシックス・ラ・大地株式会社 執行役員 CMT 兼 株式会社シンクロ 代表取締役社長 西井 敏恭氏

西井:まずは、「airCloset(エアークローゼット)」のサービスについて教えてください。

天沼:「airCloset」は、サブスクリプションモデルの女性向けファッションレンタルサービスで、今年2月にリリース4周年を迎えました。

 特徴は、普段着のレンタルサービスであるという点。そして、アイテムを選んで借りてもらうのではなく、プロのスタイリストがお客様に合わせてスタイリングしたアイテムをお届けする点です。

「airCloset」のイメージ
「airCloset」のイメージ

 返却期限はなく、気に入ったら購入も可能。現在、月1回3着をレンタルできるライトプランを月額6,800円で、1回3着をレンタルし返却したら次のBOXが届く借り放題のレギュラープランを月額9,800円で展開しています。

西井:スタイリングにあたって、お客様の好みはどのように把握しているのでしょうか。

天沼:サービス登録時に、ファッションの好みやお悩み、サイズといったお客様情報をうかがい、カルテ化しています。このカルテを参考に、スタイリスト達がコーディネートを考えているのです。また、カルテには服を返却いただく際のアンケート内容を反映し、データを更新し続けているため、精度が上がっていくのです。

「airCloset」のサービスフロー
「airCloset」のサービスフロー

 会員数は、ライト・レギュラーの有料会員と、貸し出しているアイテムの閲覧やお気に入り登録ができる無料会員を合わせて、22万人になりました。20代後半から40代のお客様が多く、コア層は30代半ばから後半。また、働く女性が9割で、うち4割が働くママというユーザー構成です。

忙しい女性の日常に「新しい出会い」を届けたい

西井:普段着のレンタルサービスを提供したのは、「airCloset」が初めてとうかがいました。女性の普段着に着目したきっかけと、サブスクリプションモデルを採用した理由を聞かせていただけますか。

天沼:原点は「日常の中にワクワクする体験を作りたい」ということでした。女性はファッションへの関心が高い一方で、結婚やマタニティ、出産、育児といったライフステージの変化によって、自分のための時間が取れなくなり、新しいファッションと出会う機会が減ってしまいます。

 こうした方々に、忙しい日常の中でもワクワクする出会いを体験してもらいたい。そうすると、生活リズムを変えることなく、継続的に新たなアイテムに触れてもらえるサブスクリプションモデルが最適だと考えました。

 また、忙しい女性に使ってもらうには「煩わしさを取り除くこと」がキーポイント。いろいろなファッションを自由に楽しんでいただきたいので、返却期限は設けず、クリーニングの手間も省くことが必要でした。こうした条件からも、お客様と長期的な関係を築けるサブスクリプションモデルが合うのではないかと。

西井:300を超えるブランドを取り扱う中で、そのブランド名を公表していないことも、ファッションとの出会いを優先されているからですか。

天沼:その通りですね。海外メディアには、「『airCloset』はファッションディスカバリー」と紹介されたこともあります。お客様から、「自分では選ばないファッションが届き、似合って嬉しかった」というお声をいただくと、私たちが届けたい思いが伝わったと感じます。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/08 07:00 https://markezine.jp/article/detail/30842

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