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編集長インタビュー

顧客のロイヤルティに着目せよ ポストCookie時代に必要なデータ活用の視点

 昨年、デジタルマーケティング領域の経験が厚い加藤希尊氏と白井崇顕氏が、ともにセールスフォースを離れてチーターデジタル ジャパンに参画。2020年1月17日には米国経営陣も交えたイベントを開催、顧客がみずから企業へ提供する“ゼロパーティデータ”とそれを活用した“ロイヤルティマーケティング”の重要性を説き、新生チーターデジタルの姿を印象付けた。本稿では両氏に、ポストCookie時代のマーケティング戦略において必要な視点を聞いた。

LTVを上げなければ事業の存続は難しい

――1月17日のイベント(参考記事)は、盛況でしたね。今回はデジタルマーケティング業界を牽引してきた加藤さん、白井さんのお二人に、これまでのキャリアに基づく業界の課題感をうかがいながら、ポストCookie時代にどのような考え方が必要かをお聞きしたいです。まず加藤さん、これまでのご経歴を踏まえて、今のマーケティング環境をどうご覧になっていますか?

加藤:僕は元々経営に興味があり、学生時代に起業もしていたのですが、マーケティング領域に就職したのは、経営に新規獲得やエンゲージメントの醸成が大きな影響を及ぼすと感じたからでした。近年はセールスフォースで日本のMA市場を開拓しながら、マーケターの課題を皆で共有する活動も続けてきました。

チーターデジタル ジャパン 副社長 兼 CMO 加藤希尊氏
大学卒業後、マーケティングエージェンシーのWPPと電通両社の出資による電通ワンダーマンに入社。WPP日本法人の立ち上げに携わった後、2012年にセールスフォース・ドットコムに参画。MAツールのExactTarget(現Salesforce Marketing Cloud)日本上陸を手掛け、シェアを拡大。同時に、マーケティングによる市場成長を目指す組織JAPAN CMO CLUBを設立し、Founderとして運営に携わる。2019年11月、チーターデジタル ジャパンへ。

加藤:企業のマーケターを支援する中で、また僕自身もマーケターとして今感じることは、LTVを上げていかなければ事業の存続が難しい、ということです。前職でもその点にフォーカスしてきましたが、今回チーターデジタルはロイヤル顧客に特化して理解を深め、そこでの知見を通した事業成長をソリューション含めて志向しているので、自分自身の課題感と合致しているんです。

――マーケターの方からは、LTVの重要性はわかるが、現状の予算配分は新規獲得に偏りがちだという課題を聞いています。ただ、実際にアクションを起こせている人は少ない印象です。

加藤:前提として、顧客を正しく理解できていないという問題があります。顧客理解が重要だといっても概念的で、新規数やリード数しか見えておらず、ロイヤル顧客が何%いてどのくらいの情報量があるのか、あるいは未認知顧客が何%なのかといった部分を理解できていません。そこで、経済・行動・心理という3つの切り口でロイヤルティを分解して把握し、生活者がみずから提供してくれる“ゼロパーティデータ”を活用して理解を深め、事業成長につなげていこうとしています。

「マーケティングを経営ごとに」をさらに推進

――白井さんも長くデジタルマーケティング領域でマーケティング支援をされてきましたが、今回の参画について、また現状の課題感をうかがえますか?

白井:私はNECを経てアドビ、セールスフォースでデジタルマーケティングに携わってきて、特にアドビからセールスフォースに移った際は「これからはCRMが重要だ」と考えたことが転職の決め手になっていました。

チーターデジタル ジャパン 日本法人社長 兼 最高執行責任者 白井崇顕氏
中高生時代を米国で過ごし、NECでマーケティングや海外宣伝を担当した後、アドビへ参画。同社がデジタルマーケティング領域で存在感を高める中、ソリューションを介したマーケティング支援に従事。その後、セールスフォースでCRMを中心にデジタルマーケティング支援に携わり、2019年10月にチーターデジタルへ参画。

白井:今のマーケティング領域の課題として、私もLTVをより重視していくべきと考えていますが、付け加えるなら、ツール導入にばかり目がいきがちな点を見直す必要があると思っています。マーケターやデジタル業界の方々はとかく「新しいテクノロジーを取り入れよう」とする意識が強いですよね。それ自体はいいのですが、導入が目的ではないので、テクノロジーをビジネスにインパクトを与えるものに変換していく必要があります。

 ただ、メール開封率やコンバージョンレートのような細かい指標を追うだけでは、なかなか経営陣の目に見える形になりにくい。私のこれまでの仕事でも、クライアント企業において「マーケティングを経営ごとに」することに並走してきましたが、今後は一層その点に注力していくつもりです。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/02/14 09:00 https://markezine.jp/article/detail/32810

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