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スポーツ×デジタルマーケティングの現在位置を探る

ラグビーワールドカップに学ぶ、SNSで最大の盛り上げを作る方法

 プラスクラスの平地氏とともに、スポーツ業界のマーケティングの現状と課題、今後について探る本連載。今回は2019年、日本をラグビー一色に盛り上げた「ラグビーワールドカップ2019」のSNS運用に携わっていた河原井瑛太さんに、SNS活用の秘訣を聞きました。

ラグビーワールドカップのSNS運用体制とは?

平地:今回は、2019年大盛り上がりだったラグビーワールドカップのSNS運用について、担当者の河原井さんから話をお聞きします。まず、どのような体制で運用していたのかを教えてください。

元公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会
チケッティング・マーケティング局 広報コミュニケーション部 主任
河原井 瑛太さん

 ラグビーワールドカップ2019のデジタルチームリーダーとして大会公式Webサイト・モバイルアプリ・メルマガ・SNSなどの計画・運用を通じて、チケット売上や認知度を拡大させる。前職はスポーツアパレルメーカーであるゴールドウインにて、マーケティング、オウンドメディア、公式通販サイトなどを担当した。

河原井:私は、ラグビーワールドカップ2019の組織委員会の広報コミュニケーション部に所属し、デジタルチームのリーダーを担当していました。

 その中で、SNSの運用に関しては、世界のラグビーを統括する機関であるワールドラグビーやその子会社でラグビーワールドカップを運営する専門会社「ラグビーワールドカップリミテッド(RWCL)」と連携したチーム体制になっていました。

 具体的には、日本語に関する投稿は私を含めた4名が最低2名ずつ交代勤務をし、英語・スペイン語・フランス語に関しては各1~2名が担当。さらに、映像担当が3名、Web・モバイルアプリ担当が2名、マーケティング全体責任者が1名のもと、情報配信をしていました。

平地:さすがにしっかりした体制ですね。少し前の情報ですが、NHL(National Hockey League/ナショナルホッケーリーグ)の体制より人数も張ってますね。このような体制は、前回大会や前々回大会など、過去開催から脈々と受け継がれているものなんですか。

河原井:そうですね、過去の組織委員会のメンバーが文書などで知見を残していて、大会ごとにそれをブラッシュアップしてきました。ただ、これまではラグビーの人気がある伝統国だけで開催されてきており、新興国でかつアジアで初めての開催国である日本では、ブラッシュアップのみならず新たなチャレンジが求められていました。

事前の試行錯誤で効果的なコンテンツを探る

平地:この体制は大会期間中だと思うのですが、大会期間前は何名でSNSを運用していたのでしょうか。

株式会社プラスクラス 代表取締役 平地大樹氏

 Webコンサルティング会社プラスクラス代表。プロバスケ選手引退後、人材業界を経験し、Web業界へ。営業活動一切ナシのWebコンサル事業をプラスクラスとして収益化し、現在はプラスクラス・スポーツ・インキュベーション(以下、PSI)代表として、スポーツ界にWeb/ITを取り入れることを推進している。PSIでは今回のラグビーワールドカップに関わるプロジェクトも社内で進行し、大きな成果を上げた。

河原井:大会前は私ともう1人の2名体制ですね。

平地:大会期間に入るまでの仕込みはいつ頃から行っていたんですか。

河原井:SNSなどデジタルでのアプローチは前回の2015年大会が始まる前からです。2015年1月のタイミングで大会公式ではありませんが会員登録などを募りデータベースの蓄積をスタートしました。そのデータベースに対しメルマガを配信したり、SNSによる情報配信を行ったりしていました。

 先ほどお伝えしたように日本はラグビー新興国なので、かなり前からチケット販売を促進するためのデータベースなどを構築しておかないと、売り切れないと考えていました。その後、2015年末のタイミングで、2019年大会の公式SNSアカウントとして始動したんです。

平地:非常に長丁場のコミュニケーションを行ってきていたんですね。その頃からやってきた意味はありましたか。

河原井:ありますね。やはりお客様のインサイトをもとにどういった投稿が響くのかを事前に試行錯誤できたのは非常に大きいと思います。試行錯誤で得られた結果は、当然大会期間中のコンテンツ設計や方針にも確実に活かすことができました。それを長い期間かけてできたのは良かったですね。

平地:では、どのような方針でSNSを運用していたのでしょうか。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/02/19 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32821

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