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売上アップにつながるSNSマーケティング

UGC数が1年で9倍、売上も伸長 個性派ブランドのジョンソンヴィルを「自分ごと化」させたSNS活用


 企業がSNSの活用を商品・サービス認知の域に留めず、実際の売上につなげるためには何が必要となるのか。本連載では、SNSマーケティングを支援するホットリンクをホストに、SNS活用施策から売上アップに成功した企業を迎え、具体的な活用事例、成果に結びつく運用のベースとなる考え方を深堀りする。今回は、本格的なSNS運用からおよそ1年でUGC数を9倍にしたソーセージブランドの「ジョンソンヴィル」にその戦略を聞いた。

個性的なブランドを受け入れてもらうには

いいたか:マーケティングの本質は「どれだけ売上に貢献するか」だと思うのですが、マスでは視聴率文化、インターネットではCPA文化があり、SNSでも同様に「中間指標を追いたい」という考え方があると思います。今、世の中でSNSの成功事例として挙げられているものでも、中間指標で成功が語られている印象です。

 そこで今回から、SNSの活用を商品・サービス認知の域に留めず、実際の売上アップにつなげている企業にその戦略と考え方を伺い、伝えることを目的とした対談連載を始めました。第1回は、ジョンソンヴィルのSNS活用について伺っていきます。まず、海宝さんから現在の業務領域や与えられているミッションを教えてください。

海宝:マーケティングの全般を担当しており、ジョンソンヴィルブランドを伸ばしていくため、ブランドコミュニケーションや新製品を含むブランドの成長戦略を立案、実行しています。

 KPIは利益なので「売上をどれだけ上げるか」そして「いかに投資の費用対効果が高い形で成果に結びつけるか」というのがミッションです。

ジョンソンヴィル・ジャパン マーケティングマネージャー 海宝晃子氏
(左から)ジョンソンヴィル・ジャパン マーケティングマネージャー 海宝晃子氏
ホットリンク 執行役員 CMO いいたかゆうた氏

いいたか:その中で、マス広告やデジタルマーケティングなど色々やられてきたと思うのですが、マーケティング全体の中ではSNSをどのように捉えていましたか?

海宝:「SNSをなぜやるか」をシンプルに言うと、(1)質の高い認知、(2)自分ごと化の2つがキーワードになっていると思っています。

 ジョンソンヴィルのブランドを伸ばしていく上で課題は主に2つあって、一つは「ブランド認知が低い」ということです。

 ソーセージというカテゴリーでは、生活者の多くが「ソーセージならAかBかCのブランド」というように、いくつかのレパートリーを持っています。冷蔵庫に備蓄がなくなったタイミングでスーパーに行き、A、B、Cの中で一番安いものを買うという方がほとんどです。

 そして、ブランド認知が低い状態では、店頭で目にも入りません。そのため、まず店頭で想起され、レパートリーに入れてもらうために、店の外でブランド認知を作っておくということが重要と考えました。

 もう一つの課題、これはジョンソンヴィルの強みでもあるのですが「見慣れないサイズ・洋物感・価格」であるということです。他社の一般的なソーセージの重量では1本が約20g、ジョンソンヴィルでは60gほど。もし認知まで至っても「どう食べるの?」など、馴染みのなさからなかなか手にとってもらえない状況でした。

 その方々にどうしたら「自分向けのブランドだ」「自分も試してみたい」と思っていただけるか、いかに「自分ごと化」してもらえるか、と考えていました。

“One Fits All”はありえない

いいたか:認知の獲得、自分ごと化を実現するためにSNSの活用を本格化されたんですね。

海宝:そうですね。基礎的な認知を獲得しようとすると、ソーセージカテゴリーはF2・F3層がメインターゲットなので、まずテレビが選択肢に出てくると思います。とはいえ現在は情報爆発、マルチスクリーンの時代です。テレビだけやっていてもダメだなという感覚がありました。これもSNS活用を本格化させた理由の一つです。

 一方で「自分ごと化」については、過去のブランドコミュニケーションとの違いを感じていました。

海宝:伝統的なブランドコミュニケーションでは「ブランドたるもの、こうあるべき」というものがあってそれを360度に展開していきましょう、という考え方でした。しかし、そのような“One Fits All”は、この嗜好性が多様化した現代にありえないわけです。もちろんブランドとしてのコアがあるのは前提ですが。

 生活者に「自分ごと化」してもらうためには、「ジョンソンヴィルは興味ないけど、ビールが好き」という方に「ビールがお好きなあなたにぴったりのソーセージがあるんです」など、その人にとって関心のある形でブランドをコミュニケーションしていくことが必要です。

 それぞれの文脈にあわせてコミュニケーションをしていくのであれば、デジタルが必要で、特にSNSがハマるはずだと考えていました。加えて、ソーシャルリスニングをやっておかないと「どのような文脈がありえるのか」も拾えないので、そのためにも運用すべきだと考えていました。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/09/10 13:01 https://markezine.jp/article/detail/34006

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