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MarkeZine Day 2020 Autumn(AD)

環境変化に動じない 高速PDCAを回すダイキン工業と日産自動車に聞く「Datorama」活用術

過去のデータから全体を俯瞰する/ダイキン工業

 予想していた未来とはいえ、それが急に訪れたことで「部内はバタバタしていている」と片山氏は打ち明ける。だが、以前からマーケティング分析を支援するセールスフォース・ドットコムの「Salesforce Datoramaデートラマ(以下、Datorama)」を導入しており、データ化が進んでいた部分は、変化に迅速に対応できているそうだ。

 エアコン商戦は夏と冬が本番で、訴求内容はそれぞれ異なる。ダイキン工業では、テレビCM、ネット広告、オウンドメディア、戦略PRなど、様々なコミュニケーション施策を展開していた。「それぞれの過去のデータを引っ張り出して、一年前のこの時期は何をしていたかなと思い出すんです」と片山氏。だが、媒体や代理店ごとにデータの形式が異なったり、参照したデータが旧バージョンのものだったりと、全体を俯瞰することが難しかった。しかし、Datoramaでデータを一元化してからは、過去の施策状況をリアルにイメージしやすくなったという。

 「どの広告への反応が良かったか、どのメディアが効果的だったのかが実施しているタイミングで日々わかるので、自分の実感と紐づけてデータを見ることができます。施策を打ちながらデータを確認し、広告を柔軟に変えていくこともできるため、キャンペーンが終わってから反省していたころと比べて、圧倒的に効率的な広告展開の実行につながる。そして一年後にこのデータを開いても、当時の状況をリアルに思い出せるのです」(片山氏)

 外部のパートナーと同じデータを共有できることも、迅速なアクションにつながる。媒体社や代理店と、同じダッシュボードを確認できるようにしておくと、どの広告のどのワードへの反応が良いのか、読者アンケートに何が書かれているのか、全員でリアルタイムに共有でき、高速でPDCAを回すことが可能になるという。

広告ごとの分断を担当者の意識レベルから改善/日産自動車

 自動車も買い替えサイクルが長い商品であり、購入を即決するものではない。そのため、日産自動車では様々なタッチポイントで接点を作るべく、多種多様な広告活動を展開しているが、各広告担当者が自身の担当領域にのみフォーカスしてしまうことが課題だった。

 テレビCM、動画広告、バナー広告などの専門チームは、それぞれのデータを使って改善活動を行う。クリエイティブ担当はより良い広告クリエイティブを作ることに、メディア担当はその広告を流すことに注力している。しかし「皆が同じ方向を見れば、お客様にメッセージをお届けする上でもっと改善できるのでは」と堤氏は考えていた。

 日産自動車もDatoramaを導入しており、「広告を見て能動的に調べて比較検討している人、さらにディーラーに足を運んだ人はどれくらいいるのか。一連の流れがダッシュボード上で見られるので、広告活動の流れを皆で共有できるようになりました」と堤氏は語る。バナー広告が効いている理由はアッパーファネルがリッチだから、という全体の中での関連性も明らかになっていった。

 次第に、広告担当者が分野の垣根を越えて施策やクリエイティブを見直し、反映させていく意識が芽生えた。代理店任せにしなくとも自分でデータを確認できるので、改善のスピードも速くなり、今までになかった改善が生まれるなど、恩恵を実感しているそうだ。

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データを読み解き活かすために必要な能力とは?

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この記事の著者

田崎 亮子(タサキ リョウコ)

マーケティング&コミュニケーション領域の編集・執筆・翻訳を手掛ける。コミュニケーション領域の専門誌編集、コーポレートコミュニケーション領域の制作会社を経て、現在はフリーランス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/10/23 10:00 https://markezine.jp/article/detail/34320

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