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トヨタが連続で首位獲得/WPPとカンターが2021年度「日本のブランドランキング」トップ50を発表

 WPPとKantar(カンター)は、世界におけるブランド価値を測る年次調査「ブランドZ 世界で最も価値のある日本ブランドランキングTop 50」を2021年度版を発表した。

1位はトヨタ NTT、ソニーが続く

 今年も首位を守ったのはブランド価値総額284億ドルのトヨタだった。通信プロバイダーのNTT(203億ドル、※)が昨年比1%増の2位を維持し、ソニー(120億ドル)が昨年比3%増で3位に浮上した。トップ15は以下の通り。

 ※NTTはマスターブランドで、その内収益の過半数を占めるNTTドコモの評価を含む

 ブランドZ調査(以下、ブランドZ)は、380万人以上、世界51か国の消費者アンケートの結果から集められる消費者インサイトと、Bloombergによる各企業の財務実績や業績の分析を組み合わせてブランド価値を算出するブランド価値調査。

 トップ50全体のブランド価値は昨年より9%減少し、2,029億ドルとなったが、エンターテインメントとテクノロジーのカテゴリーでは成功するブランドが見受けられた。日本は、世界で最も軽いロックダウンであったにもかかわらず、消費者は自宅での交流を好むようになったため、エンターテインメントのカテゴリーでは、19%も増加する結果となった。

 トヨタのブランド価値総額(284億ドル)は昨年からわずかに2%減少したが、自動車カテゴリー全体では10%減少していることを考慮すると、ブランドの強さと回復力を示していると言える。トップ50全体で、自動車カテゴリーは最も多い24%を占めており、5つのブランドがランクインしている。自動車大国の日本において、強力な自動車ブランドは、ブランドZの主な指標である消費者の認知度のスコアが国内外のライバルをはるかに凌駕している。

イノベーター筆頭格は任天堂

 今回のランキングでは、以下4つのカテゴリーでブランド価値が上昇。エンターテインメント(+19%)、パーソナルケア(+7%)、ホームケア(+5%)、通信プロバイダー(+3%)で、これらのカテゴリーは人々が家で過ごす際に必要とされるもの。一方で、自動車(-10%)、小売(-9%)、テクノロジー(-8%)は、いずれもトップ50全体のマイナス9%と同程度の下落となった。

 任天堂(8位、86億ドル)は今回のランキングで、破壊的変化を起こすイノベーターとして頭角を現した。 「リングフィットアドベンチャー」、「どうぶつの森」、「ポケットモンスターソード・シールド」などのゲームは、急増したハードウェアの需要に貢献。その理由は、「体を動かしたい」「家にいても人との交流を持ちたい」「社会的な距離感のストレスから逃れたい」といった消費者のニーズにマッチしたゲームを提供したことが挙げられる。

パンデミックの影響からLINE、楽天が躍進

 通信プラットフォームのLINE (13位、43億ドル)も34%の増加と大躍進したブランド。新型コロナ危機の前から、既に日本の消費者の生活に欠かせない存在となっていたが、LINEニュースのアクティブユーザー数、テキストメッセージ量、スタンプ使用量、アプリ内通話量はロックダウン中に大幅に増加。政府は若年層にリーチするためのツールとして、LINEを使って健康調査やオンライン健康相談プログラムまで実施した。

 また、今年のパンデミックは日本のデジタル化を加速させた。テクノロジーの先進国であるにもかかわらず、これまでeコマースの利用率が低かった日本も現在は変わりつつあり、企業はデジタル化に多額の投資を行っている。国内の大手オンライン小売の楽天 (23位、25億ドル)は、昨年の国内eコマース成長率(※)が7.65%に達したことを背景に最大の恩恵を受けた1社で、そのブランド価値は22%も上昇した。同様に、小売のニトリ(26位、19億ドル)は、積極的にeコマースにリソースを効率化・集中させ、オンライン購入を40%以上も増やした。

 ※Source: Ministry of Economy, Trade and Industry

ブランド成功のカギは、差別性と信頼

 今回のランキングで明らかになった、成功するブランドとそうでないブランドの違いは、「差別性」と「信頼」の指標に差があること。今回価値が上昇したブランドは、価値が減少したブランドと比較して、消費者がそのブランドをどれだけユニークなものと認識しているかを示す指標である「差別性」のスコアが平均で8ポイントも高くなっている。

 消費者のブランドに対する強い「信頼」の指標も、パンデミックの影響を最も強く受けたカテゴリーの一部を支えている。旅行サービスカテゴリー全体の価値は、大幅に減少(-34%)し、今年は厳しい年となったが、トップ50の中でブランド価値の減少を最小限に抑えられたのは、航空のANA(28位、19億ドル)の27%の減少だった。今回のトップ50の中で、最も信頼されているブランドとなったANAの「信頼」のスコアは143で、物流のヤマト運輸(32位、16億ドル)が141のスコアで追従している。

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MarkeZine(マーケジン)
2020/11/06 11:00 https://markezine.jp/article/detail/34797

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