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「withファン」レポート

期間限定商品をファンと共創!カルビー「堅あげポテト 応援部」に学ぶ、ファン共創の進め方

 アジャイルメディア・ネットワークは、同社が提唱するアンバサダープログラムの一貫として、ファンと企業の関係に主軸を置いたオンラインセミナー「withファン」を主催している。10月14日に行われた回では、カルビーの福原椋太氏をゲストに、ファンとの共創プロジェクト「堅あげポテト 応援部」について語られた。本稿では、その様子をお届けする。

期間限定の味替わり品をファンと共創

徳力:福原さんは、『堅あげポテト』のファンコミュニティである「堅あげポテト 応援部」の担当をされています。まずは自己紹介からお願いします。

福原:大学新卒で製菓会社に入社し、2019年にカルビーに転職してきました。それ以来「堅あげポテト 応援部」を担当しています。

(左)ゲスト:カルビー株式会社 マーケティング本部 商品1部 3課 福原椋太氏/(右)モデレーター:アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 アンバサダー/ブロガー徳力基彦氏
(左)ゲスト:カルビー株式会社 マーケティング本部 商品1部 3課 福原椋太氏
(右)モデレーター:アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 アンバサダー/ブロガー徳力基彦氏

徳力:『堅あげポテト』単独で作られたファンコミュニティが、「堅あげポテト 応援部」ということですが、立ち上げの経緯は?

福原:「堅あげポテト 応援部」の立ち上げは2016年の7月です。その頃、『堅あげポテト』はアイテム数を増やしていく一方で、一品あたりの販売実績に直すとあまり振るわないという課題がありました。

 カルビーでは、先んじて『じゃがりこ』がファンサイト「じゃがり校」でコミュニティ運営や商品の共創をしておりました。その共創商品の実績が非常に良いことと、『堅あげポテト』においてもアンケートを使ったお客様の声を反映した商品の実績が、普通の味替わり品(3~4ヵ月のみ発売される期間限定の商品)に比べてかなり良かったことを受けて、『堅あげポテト』でもファンとの共創をしていく意義が十分にあると考え、立ち上げに至りました。

「堅あげポテト 応援部」部員の心得
「堅あげポテト 応援部」部員の心得

ファンとの味の共創、第三弾は「梅かつお味」に

徳力:「堅あげポテト 応援部」は最初から共創ありきで考えていらしたのですね。具体的な商品づくりの取り組みについて教えてください。

福原:今年8月から11月中旬にかけて限定発売していた「梅かつお味」を例に説明させていただきます。

 まず「味の募集」について。応援部のWebサイト内で、こちらから設定したテーマ「疲れた身体を元気づける新しい味」に沿って部員のみなさんに味案を募集しました。そして、みなさんからいただいた700件近くのアイデアをもとに、社員のほうで開発実現性、堅あげブランドとの合致度、その他の判断基準に照らしていくつかの味に絞り込み、サイト内で「決選投票」を行いました。

 次に、投票で選ばれた味について試作品を弊社から3パターンを用意。これを部員のみなさんと「共創イベント」という形でコミュニケーションを取りながら試食し、味についてご意見をいただくとともに、パッケージについて考えていただく場を設けました

 パッケージデザインについてはイベントで自由にスケッチしていただき、それを元にデザイナーがデザイン案を起こします。「梅かつお味」については左右非対称に梅とかつおを表現したアイデアが印象的だったため、その案を活かした3つのパッケージ案を作成。こちらも「サイト内で決選投票」で決定しました

共創プロジェクトの進め方
共創プロジェクトの進め方

福原:ここまでで商品の内容はできあがっていますが、そのあとは、販売促進もお手伝いいただきます。投票で勝ち抜いたパッケージデザインを使った見本生産品を部員のみなさんにも先行サンプリングで改めて食べていただき、感想や応援コメントを頂きます。これらは、店頭販促物に反映して使わせていただいています。

 いよいよ発売された後は、Webサイト上で共創商品が発売したことを、対外的に部員のみなさんが発信できるような施策も組み込んでいます。

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この記事の著者

吉田 朗子(ヨシダ サエコ)

アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 マーケティング部広告代理店とカナダでのワーキングホリデーを経て、2018年アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)入社。AMNでは、マーケティング部に所属しながら”寄り添う企業として”をスローガンにしウェビナー、イベントなどを開催中。個人では保護犬のボランティアなどを行いながらより良い未来を模索している。アンバサダープログラム事業部:https://agilemedia.jp/ambassador-program

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田口 和裕(タグチ カズヒロ)

タイ在住のフリーライター。ウェブサイト制作会社から2003年に独立。雑誌、書籍、ウェブサイトなどを中心に、ソーシャルメディア、クラウドサービス、スマートフォンなどのコンシューマー向け記事や、企業向けアプリケーションの導入事例といったエンタープライズ系記事など、IT全般を対象に幅広く執筆。著書に『できるfit メルカリ&LINE&Instagram&Facebook&Twitter 基本+活用ワザ』(インプレス・共著)、『ゼロからはじめるテレワーク実践ガイド ツールとア...

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宮崎 綾子(ミヤザキ アヤコ)

編集者。編集プロダクション勤務を経て2009年に独立、“ひとり編プロ”アマルゴンを運営。PC・スマホ・ウェブ関連の技術&カルチャー書籍編集制作を中心に、PRコンテンツ企画など幅広く関わる。電子書籍の導入期にはImpress QuickBooksシリーズに参画。実績は https://amargon.net

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MarkeZine(マーケジン)
2020/12/09 09:00 https://markezine.jp/article/detail/35000

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