SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2021 Spring(AD)

「Braze」が支える、メルカリUSのグロース戦略とリアルタイムエンゲージメントとは

“今”の在庫を確認して的確にリマインドする

 現王園氏がメルカリUSの成長において「重要だった」と強調するのは、前述のリアルタイム性と、それをベースに膨大なABテストを実施して仮説検証ができることだ。

 リアルタイム性は、たとえばこのような形で施策に生きている。カートに入れたものの放置されている場合、メルカリではほとんどの商品が1点もののため、リマインダーを送るにもその時点での在庫の有無を確認する必要がある。既に売れているのにお知らせしてしまったら、ユーザーは不快感や不信感を抱き、エンゲージメント毀損につながるだろう。

 そこで、カート放棄から2時間後、などのリマインダーを送りたい設定時間になった時点で自動で在庫を確認し、売れていなければお知らせと、加えてその時点で購入可能な関連商品のレコメンドを送る……といったことをBrazeを通して実現している。

出典:講演資料より

 この一連は、Brazeの複数の技術と極めてスムーズなAPI連携が下支えしている。セグメンテーションも自由自在で、アプリまたはWebのユーザーのみ、買ったことはあるが売ったことがない人のみ、といった切り分けも容易だ。そのため、マーケターが考える様々なアイデアを設計、施策に落とし込むことができる

 実際に現王園氏のチームでは、エンジニアと連携して多種多様なグロースのアイデアを設計し、BrazeでABテストを回して効果を引き上げている。

顧客に受け入れられるアプローチが重なるとLTVに効いてくる

 「プロモーションの実現時にカギになるのは、やはりリアルタイムの状況を捉えられる点と、セグメントとの連携」と現王園氏。メルカリUSでは、現在までのテストの積み重ねでグロースの定石をいくつも見出し、ひとつずつ機能実装しているという。

 現在、Androidのプッシュ通知の開封率を業界平均と比較すると40%ほど高くなっている。この状況も、地道に、そして相当量の施策のアイデアを設計し、PDCAを回して得られた結果だ。「Brazeをグロースのプラットフォームとして位置づけていろいろなアイデアを試し、顧客に響くものを積み上げたことが数字に表れていると手応えを得ています。CRMの分野はエンジニアリングの力で大幅にパフォーマンスを高められる分野だと実感しています」(現王園氏)

(タップで拡大)
出典:講演資料より(※タップ/クリックで拡大)

 さらに今、よりパーソナライズした施策を模索している。メルカリUSの顧客志向がよく表れている一例が「数多くLikeしてくれているなど、メルカリをよく使う人ほど、値下げ通知なども多く届いてしまう状況は果たして良いことなのか?」に着眼していること。厳密に言うと、通知が多くてもかまわない・逐一チェックしたいという人と、通知が多いのはイヤだという人が存在し、かつ心地よい頻度も人によって異なる。もちろん、メッセージの種類によっても反応が違ってくる。

 「そこで今、通知の開封率の予測モデルを立て、顧客ごとに配信頻度を変えるテストを実行しています。総配信数が減るので開封の絶対数は下がるのですが、開封率は上がり、同時に通知拒否の割合は減っているので、顧客の気持ちを汲んだ接触がLTVに効いているとみています」(現王園氏)

出典:講演資料より

次のページ
WHOとWHATを見極めと施策実行がグロース戦略の肝

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZine Day 2021 Spring連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/03/26 10:00 https://markezine.jp/article/detail/35739

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング