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地味で評価されない?MA担当者に伝えたい「マーケターとしての価値向上の可能性」と「成功の秘訣」

必要なマーケティング施策を逆算して考えよ

虻川:私は、現在アドビでMarketo Engageを運用している身として、やみくもに施策を立ててMAを運用するのではなく、必要なマーケティング活動を逆算することの重要性を感じています。

MZ:どのように逆算するのか、考え方を教えていただけますか?

虻川:まず前提として、アドビのマーケティングは四半期ごとにプランニングをしています。期末に全体の数字を振り返り、それをもとに期初に目標と計画を立て、期中はプランの軸をあまりぶらさず施策を実行していく、という流れです。

 次に、MA活用に限らずとも、実行した施策を振り返る時は、結果に影響した要素を分解して考えないと、どこをどう改善すればいいかわかりませんよね。その際、アドビが重要視しているのが「チャネル」です。Marketo Engageでは、ソーシャル広告、リスティング広告、SEO、スポンサードイベントなど、設定している各々のチャネルでどのくらいの人がコンテンツにタッチしたか、何件の商談を創出できたのか、そのうち何件が受注につながったかがわかるようになっています。ですので、目標値から「受注→商談→新規リード獲得」と必要な数字を逆算することができるのです。

 期末に振り返った数字をもとに、「このチャネルから〇件の商談を創出する」と目標を立てて、そのために必要な施策の量や内容を逆算して考えていく。期末の数字の振り返り、期初の施策の計画、期中の施策の実施の3段構えでPDCAを回していくというのが、現時点で私のMA活用の最適解です。

松井:チャネルごとに結果を分析して、必要なマーケティング施策をプランできるというのはMarketo Engageならではの特徴で、これができるのは、Marketo Engageで実行するすべての施策にチャネルが設定されているからです。

 もう少し詳しく説明すると、お客様ひとり一人に複数のタッチポイントがありますが、すべてのタッチポイントが「施策(プログラム)」で管理されていて、すべての施策を「チャネル」別に見ることができます。これができるから、「このチャネルは流入からの商談化率が高い、コンテンツへの反応がいい」などと分析して、チャネルごとに必要なリード獲得の施策を逆算することが可能になる。これがMarketo Engageの素晴らしいところだと思います。

社内での価値向上のためにマーケターができること

MZ:最後によくMA活用の課題としてあがる“営業部門との連携”について、これをクリアできている企業のマーケターはどのように取り組まれているのでしょうか?

松井:マーケと営業の間にある壁は、どうしても多くの企業で問題となってしまっています。ですが、マーケティングで売り上げに貢献するためには、やはり営業の方との連携が不可欠です。

 ですので、私は「効率化やテクノロジーが好きな営業の方をまずは1人捕まえるとよい」と、よくアドバイスします。これも私自身の経験に基づいたものですが、ロジカルに業務を効率化するのが好きな営業は必ず社内にいらっしゃいます。そういった方を捕まえて、マーケがMAを使って日々実施していること、数字やデータの意味を説明すると、興味を持って営業活動に取り入れてもらえる。1人でも営業を巻き込んで一緒に成功体験を作ることができれば、それが営業とマーケの間にある壁を崩す突破口になるはずです。

 また、営業の方も日々商談活動をしている中で、案件が少なくて困っている瞬間があります。そんな時に、「マーケがいると助かる」と思ってもらえるようなことを協業できるとよいのではないでしょうか。

虻川:Marketo Engage Championを受賞されたマーケターの方々のお話しを聞いていると、MAの有効性を現場で体感してもらう、実績で示すことが大事なのだな、と勉強になることが多々あります。

 たとえば、ある不動産企業では、最初はなかなか営業部門にマーケティング施策やMA運用のメリットを理解してもらえなかったそうです。そんな中でも、MA担当の方は地道にかなり細かく見込み客のスコアリングをチューニングされていました。すると、一定のスコアに達した見込み客の成約率が圧倒的に高くなり、MAのデータの有効性や確実性を実感することが営業部門でも増えていきました。そしてある日ダッシュボードからスコアを1つ外したところ、営業部長から「あのスコアがないと困る」と言われ、その時にマーケティング施策が営業活動に欠かせないと認識されていることを感じたそうです。この話を聞いて、データと実績で有効性を示すのがいかに重要かを改めて実感し、感銘を受けましたね。

松井:BtoBの場合は特に、案件発掘を自ら行い、足で稼ぐ営業がよしとされてきた時代が長いので、どうしても営業>マーケといった力関係になってしまう企業がまだまだ多い印象があります。ですが、これからの時代、営業が頑張れば売り上げが伸びるという状況を維持していくのはなかなか難しいのではないかと思います。

 理想は、MAをコミュニケーションツールとして、マーケと営業がフラットな関係性で一緒に売り上げの最大化に向けて動ける状態を作ることですね。お互いが補完しあって、成功への道筋を立てられる組織であれば、マーケターも活躍できるはずです。コミュニケーションツールとしてMarketo Engageがどのように使えるか、という視点でもユーザーさんからノウハウを教えていただき、それを共有することで、社内でのマーケターの価値向上に貢献できればと思います。

【マーケティング施策の見通しを立てるテンプレート】

アドビが社内で実践しているワークシートをもとに、チャネル単位で必要なマーケティング施策をプランニングできるテンプレートをご用意しています。自由に変更・修正できるため、自社独自のシートを作成することが可能です。ご興味のある方はこちらからダウンロードください

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/08/05 10:00 https://markezine.jp/article/detail/36700

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