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次世代マーケターの必修科目 「プライシング」の始め方

「価格差別」を行うことで収益は拡大する。プライシングを行う際に知っておきたい2大原則と買い手の心理

 Priceはマーケターなら誰でも知る「マーケティングの4P」の一つ。一方で、マーケターと名乗る多くの人がこれまであまり重視してこなかった要素でもあります。本連載では、プライシングを起点とするマーケティングのダイナミック化をテーマに、次世代の企業と顧客とのコミュニケーションの在り方を探っていきます。今回は、これだけは知っておきたい「プライシングの基本」を解説します。

そもそも「価格」とは何か

 モノやサービスの適切な価格設定を考えるプライシング。このプライシングを理解するためには、まず「価格とは何か」を考えるところから始めるのが良いでしょう。

 普段あまり意識することなく行っている売買ですが、ある一つの取引に注目してみると次のようなステップに分解できます。

1.売り手が商品に価格を設定する
2.買い手がその価格を見て、その商品から得られる価値や自分のお財布状況を鑑みて、取引すべきか考える
3.(交渉の余地があれば)交渉する
4.売り手が売ってもいいと思う価格と、買い手が買ってもいいと思う価格が合致すれば取引が成立する

 このように、価格とはある商品の価値を示し、また、売り手と買い手双方による合意や妥協に至るまでのプロセスと見ることもできます。

 価格の交渉・合意プロセスが行われている例としてわかりやすいのが、フリマ(フリーマーケット)アプリのメルカリです。メルカリでは売り手が不要となった商品の価格を設定し、出品を行います。他のユーザーはその商品の状態を写真や説明文から判断して、購入を検討します。メルカリがおもしろいのは、ここでメッセージを送り価格交渉ができること。メッセージを受け取った売り主はその価格に合わせることもできますが、まだ他の買い手が付きそうであれば見送ることもできます。このプロセスのなかで、売ってもいいと思う価格と、買ってもいいと思う価格が合致すれば売買が成立するという仕組みです。

 1対1の取引であればこれでいいですが、1,000個の商品を1,000人に向けて販売するときにはこのような交渉はしていられません。1,000人の買い手を市場として考えて、ちょうど良い価格を設定する必要がでてきます。

「Payable」と「Profitable」が重なるところで売買は成立する

 プライシングを売り手と買い手の合意形成と捉え、両者の関係を簡略的に表したのが、次の図です。

 まず、売り手にとって価格は高ければ高いほど嬉しいものです。また、商品の製造や販売に必要なコストを下回って売ることは基本的にはできないため、ある金額を下限とした“売っても良い価格範囲”である「Profitable」が決まります。

 反対に、買い手にとって価格は安ければ安いほど嬉しいものです。そして、一定以上の価格になると買うことはありません。そのような上限を持った“買っても良い価格範囲”である「Payable」を持っています。

 狭義のプライシングとは、このProfitableとPayableが重なる範囲で適切な価格を定めることを意味します。

 この関係性を踏まえたときに、マーケターとしてのスキルが求められるポイントは、2つあります。

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この記事の著者

松村 大貴(マツムラ ダイキ)

ハルモニア株式会社 CEO 平成元年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学法学部を卒業後、ヤフー株式会社に入社し、アドテク事業に従事。CSRやブランディング等を経験して退社後、2015年にハルモニア株式会社(旧:株式会社空)を創業。2016年にデータの取り込み・分析・価格決定を高速化するダイナミックプラ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/09/29 09:00 https://markezine.jp/article/detail/37272

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