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MarkeZine Day 2021 Autumn

なぜ支持される?ABEMA、Schick、MERYの戦略からZ世代女子のインサイトに迫る

 マーケティングターゲットとして企業からの注目を集めるZ世代。その心をつかむ秘策はあるのか。2021年5月にコミュニティメディアを立ち上げたMERY、Z世代に刺さる番組を中心に次々とヒットを飛ばすABEMA、「毛について、話そう。」というインパクトのあるコピーで「#BodyHairPositive」キャンペーンを打ち出すSchick。9月8日開催のMarkeZine Day Autumn 2021には、Z世代女子のインサイトを捉え、マーケティング戦略を展開するこれら3社が登壇。事例を交えながら、彼女らの心を動かすコツを考察した。

Z世代女子をターゲットにする3社が集結

 Z世代女子のインサイトを捉えて、いかにマーケティングに落とし込んでいくかが、ディスカッションのテーマ。まずは、3社の現在の取り組みから見ていこう。

(左)株式会社MERY 『MERY&』コミュニティマネージャー 兼 ビジネスプロデューサー 木綿 裕美氏(中央)株式会社AbemaTV 総合編成部制作局 第1局局長 若村菜摘氏(右)シック・ジャパン株式会社 Marketing Director 山盛省作氏
(左)株式会社MERY 『MERY&』コミュニティマネージャー 兼 ビジネスプロデューサー 木綿裕美氏
(中央)株式会社AbemaTV 総合編成部制作局 第1局局長 若村菜摘氏
(右)シック・ジャパン株式会社 Marketing Director 山盛省作氏

 MERYは、月額800円の有料コミュニティ『MERY&(メリーアンド)』を2021年5月にスタートさせた。メディア全体としてもコミュニティメディアとしてリニューアルし、MERY&だけにとどまらず、SNSフォロワーやWeb会員を巻き込みながら、コンテンツを共創し発信している。コンセプトは「“好き”を見つけて、なりたい私に」。ゲストを招いたイベントやメンバー同士のブログ、チャット機能を使った交流に加え、コミュニティ発の新規開発プロジェクトなど、“ファンとの共創”が核となっている。

 続いて、ABEMAは、全世代の“キュン”を網羅するをミッションに恋愛番組を中心としたオリジナル番組の企画開発を行っている。シリーズ出演者のめるるや山之内すずが一躍有名になった恋愛番組シリーズ『オオカミ』や、高校生の約1/3が視聴するというマンモス番組『今日好きになりました(以下、今日好き)』は、見聞きしたことのある方も多いだろう。Z世代への影響力は絶大で、ネクストブレイクの登竜門的な位置づけにもなっているほどだ。

ABEMAの主力コンテンツ
ABEMAの主力コンテンツ

 最後に、シック・ジャパンは世界50ヵ国以上で事業を展開する「Edgewell Personal Care Company」の日本法人。替刃式カミソリおよびシェービング剤において、日本のマーケットでシェアナンバーワンを誇っている。Z世代女子に向けては、「シェービング。私が選んだスキンケア。」をキャッチコピーとし、シェービングが美容の一環であることを訴求。「シェービング=スキンケア」という認識を広めるべく注力している。

キーワードは「自分らしさ」と「リアル」

 業種は違えど、Z世代女子をターゲットにしている3社。ディスカッションでは、初めに「Z世代女子ってどんな子たち?」という問いが投げかけられた。各社から挙げられたZ世代女子の特徴や傾向は次の3つだ。

・自分らしさや自分にぴったり合うものを大事にし、日々情報取集をしている

・自分の“推し”を大事にする

・作りこまれてない“リアル感”を好む

 MERYの木綿氏は、長年若年層女子をターゲットにWebコンテンツを企画編集してきた経験から、Z世代女子の特徴について次のように解説する。

 「わかりやすく10年前と比較すると、当時は“愛され女子”“ロールモデル”といった言葉が流行っていたように、お手本の対象が明確にあり、他者目線でどう見られるかを意識する傾向が強かったと思います。対して、今のZ世代は「自分らしさ」をとても大事にしています。MERYのコンテンツでも、骨格診断やパーソナルカラーなど、自分に似合うものを見つけるためのコンテンツがとても人気です」(木綿氏)

 続けて山盛氏は、「“リアル”を大切にするという点が、Z世代の大きな特徴である」と話す。リアルとは、自分らしくあること、自分に素直であること、自然体でいること。これらが会話や行動、情報発信に表れているという。

 「木綿さんのお話しにもありましたが、Z世代は“自分らしくありたい”という自己発見の欲求が強く、色々なものを試しながら、自分らしくあるための手段を選んでいる方が多いと捉えています。こうした点を踏まえ、当社では“多様性”を重視して、製品開発やマーケティングコミュニケーションを行っています」(山盛氏)

 さらに若村氏も「本当におっしゃる通りだと思います」と共感を示し、「恋愛ジャンルにおいて、リアリティショーがZ世代を中心に流行ったのは、未完成な彼らの恋愛スタイルや上手くいかず涙を流す様子に、等身大の自分を重ねているからでしょう。未完成でリアルな部分に魅力を感じてもらえたことが、番組が受け入れられた要因だと考えています」と語った。

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/10/18 08:00 https://markezine.jp/article/detail/37421

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