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マルケトに聞く、新規リード獲得に振り回されないBtoBマーケティング法と1stパーティデータの重要性

カスタマーマーケティングにおける1stパーティデータの活用可能性

松井:我々は、ユーザーがモチベーション高くマーケティングに取り組んでいるかの指標としてもファーストパーティデータを使っています。Adobe Marketo Engageは、ユーザーが学習と活用を繰り返すことで、マーケターとしての成功を支援する製品です。ですので、オンボーディングが特に重要だと考えています。「我々から提供する情報・コンテンツに、適切なタイミングで触れていないお客様はAdobe Marketo Engageの活用が思うように進まない」という仮説のもと、学習コンテンツに触れているかを注意して見ています。ほかにも、契約インスタンスにおけるユーザー数やデータベース数が増えているか、ユーザーコミュニティに参加しているかといったところも注視しています。

 これらの情報はAdobe Marketo Engageの中に蓄積されており、定期的にユーザーヒアリングをさせていただく際は、事前に活用状況を把握した上で、お話を伺っています。

MZ:カスタマーマーケティングでも、ファーストパーティデータは多いに活用できるのですね。

虻川:BtoBでは現在サブスクリプションモデルで商品やサービスを提供する企業が増えています。買い切り型のビジネスモデルではカスタマーマーケティングを重視していなかった企業も、サブスクになり、お客様との関係性を維持するためにカスタマーマーケティングを強化している動きがあります。お客様の信頼をつかむにはどうすればいいか、LTVを高めるにはどうすればいいかを考えた時に、カスタマーマーケティングの重要性に行き着くようです。

松井:SaaS事業者はチャーンレート(解約率)を低くしたいという課題を抱えており、その目的でAdobe Marketo Engageを活用されている企業が多くいらっしゃいます。あるお客様は、Adobe Marketo Engageと他のツールを組み合わせて、お客様の満足度や困りごとがないかを定常的にヒアリングし、その情報を営業にも共有する仕組みを構築されていました。解約のリスクがありそうなお客様をすぐに検知でき、営業担当もすぐに動ける状態を作れているので、素晴らしいですよね。

1stパーティデータ戦略を進める上でのアドバイス

MZ:顧客との関係性をしっかり構築するという原点回帰が求められていると言えそうです。最後にマーケターにアドバイスをお願いします。

松井:マーケティング側には、検討度の高いリードが欲しいという声が寄せられます。リードに関しては“質”なのか“量”なのかという話題がよく出てきますが、デジタルマーケティングだけで検討度の高いリードを、量も満たしながら獲得することは難しいだからこそ、ファーストパーティデータに基づいたコミュニケーションによるタッチポイントの創出を継続し、お客様が何か行動を起こそうと思った時に想起される存在になることが大事だと考えます。ベンダー側は、これらお客様の大きな行動の変化を察知する仕組みが必要かもしれません。

虻川:そうですね。実は、昨年のスポンサーイベントで接点を持ったリードから、今年に入って10件以上のアポイントに繋がりました。昨年の時点ではほとんどアポイントに繋がっていなかったので、施策の成果は短期には判断できないことがあります。継続的にやり取りをして、お客様をフォローしておくことが大事だと改めて感じました。

 そのためには、社内でお客様をどうフォローするのかを整理し、部門をまたいだプロセスとして確立しておく必要があります。ステージ毎に何をするのかを定め、ちゃんと成果が出ているのかを数字で管理することが重要です。

 もう一点、「全員が同じ方向を向いて施策を行うこと」も大切です。自社にどんな課題があり、どんな人に響くコンテンツを、どんな手段で届けるのか、目標は何かといったことをメンバーで共有できていれば、視点が「リードの直近の検討度」から「お客様に関心を持ってもらうためにはどうすればいいのか」に変わります

松井:今回あがったCookieレスの話に関連して、許諾いただいたお客様の情報を安全に管理し活用するために、マーケター自身も知識を習得しておくことが必要だと思います。

 特定メール電子法、改正個人情報保護法などの法律を理解しておけば、自社内にあるお客様の個人情報をどのように守ればいいのかがわかります。国外のお客様もいらっしゃるようなビジネスであれば、GDPR(EU一般データ保護規制)CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などについても最低限の知識を身につけておくと、法に抵触することなく、お客様の情報を守りながらコミュニケーションできる方法が見えてくるでしょう。

 この部分を法務やリスク管理の部門に任せっきりにしていては、安心して施策を展開できず、他の部門にも説明できません。手始めに、マーケター自身が法律を勉強するのもいいかもしれません。

アドビ社内で実践しているワークシートを参考に作成された「キャンペーン計画テンプレート」。優れたアイデアを実施可能なプランに落とし込み、実行に移す際に役立ちます。自由に変更・修正できるので、自社独自のテンプレートを作成し、ご活用ください。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/12 11:00 https://markezine.jp/article/detail/37537

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