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バンダイナムコアミューズメント新設のDX部が目指す、デジタルと店舗の強みを融合した新しい顧客体験

Brazeを活用し、デジタルでの接客力向上を目指す

MZ:目指したい顧客体験がある一方、課題もあるかと思います。Braze導入に至った背景は何でしょうか?

高原:2年ほど前からCDPを活用して、データ取得・分析を通してお客様を理解する取り組みは行っていました。しかし、その先の利活用の部分が十分ではなく、活用範囲を広げるためにも、新たな試みとして2021年の12月にBrazeを導入しました。

松本:お客様へのアプローチに関するDXは慎重に進めてきました。我々はリアル店舗の事業がメインです。顧客への提供価値のひとつは接客であり、一つひとつのコミュニケーションなんです。対面であれば得意なのですが、メールやプッシュ通知などのデジタルになると、ノウハウの蓄積が少ないため、途端に苦手意識が出てしまいます。そこを克服する、いわゆるデジタルの接客力を上げるツールとしてBrazeに期待しています。

高原:もちろん、お客様へのデジタルのコミュニケーション手段として、Braze以前にも様々なツールを導入していました。しかし事業によってツールが異なり、機能にもばらつきがありました。データを1ヵ所に集約することも重要ですが、アウトプットのツールも一本化したいという思いもありました。

 その点で、Brazeはオムニチャネルに対応している上、顧客のエンゲージメントを高める接客的な範囲もカバーしています。既に利用していたツールとの親和性も高かったので、顧客とのコミュニケーションツールはBrazeに一本化することを提案しました。

オンライン・オフラインの部署が合流

MZ:生活者がオンラインとオフラインの境目を気にせず、モーメントに合った体験を求めるようになっています。御社では具体的に、どういった取り組みを進めているのでしょうか。

髙橋:これまではオンラインの事業とオフラインの事業が別々の部署で動いていました。そのため、サービスを利用されているお客様も、まったく別の人であるという感覚で、目標も予算も別々でした。しかし、実は同じお客様がリアルとデジタルを両方利用することもあるということに気づき、今は組織を再編して一つの事業組織の中にオンラインとオフラインを考えるチームが両方含まれています。

 そして、横断的なお客様のニーズをしっかり理解するために、Brazeを活用して行動を可視化しています。今はまだデジタル領域での活用にとどまっているので、今後はオフラインでの顧客行動も見ながらトータルの顧客体験設計をしていきたいです。

MZ:可視化されたデータを基に、オンラインとオフラインを横断したジャーニーを作っていく段階なのですね。現段階では、Brazeの活用はどのようにされていますか。

清川:「ナムコパークス オンラインストア」会員向けのメールマガジンの配信に活用しています。

 お客様の興味関心や利用ニーズを考えた際、ゲームセンターのお客様は、家族や友人、個人で楽しく時間を過ごしたいという気持ちから利用されることも多いです。一方、キャラクターとのコラボ商品を販売するオンラインストアを利用されるお客様は「好きなキャラクター・作品」という明確な関心事項をお持ちです。

 そのため、継続的にサイトに来ていただきたくても、お客様が好きな作品やキャラクターの商品が販売されていなければ価値を提供できません。また、コラボイベントに来場いただいた場合も、次に同じ作品のイベントが開催されるのは半年後や1年後になることもあります。そういったお客様に向けたアプローチを最適化していくことが、私たちのチームの目指すところです。

 以前から別のツールを使ってメルマガの配信は行っていましたが、Brazeを使うことでお客様の反応がより明確にわかるようになりました。

セグメントの最適化でメールの手動開封率が2倍に向上

MZ:具体的に、顧客の反応が良くなったケースはどのようなものがありますか?

清川:コラボイベントや商品の販売がスタートするIP名を件名の最初に持ってくると反応がいいですね。「何%割引」といった価格を目立たせることもできますが、ナムコパークスの会員様向けには、その方の興味のある作品やキャラクター名が目にとまることが大事だと考えています。

MZ:Brazeを活用する中で、セグメントが最適化されるなどの変化もありましたか。

高原:当社はIP(※)・キャラクター軸の事業が多いのですが、IP軸のセグメントは種類が多いので複雑になりがちです。しかし、Brazeを活用することで、お客様がどのキャラクターの商品を購入されたか、どの作品の商品ページを閲覧したかを可視化できています。ユーザーIDごとに興味の強度も含めてリスト化することで、個々のお客様に興味のあるIPを軸とした商品やイベントをご案内しています。また、販売終了間近にリマインドメールを配信するといった戦略的な施策が実施できていますね。
※IP:Intellectual Property の略で、キャラクターなどの知的財産のこと

MZ:最適化されたセグメントでメールを配信することで変化は見られたのでしょうか?

清川:全体メルマガが元々2~30%ほどの開封率なのに対して、パーソナライズしたメールの開封率は50~60%です。セグメントをかなり狭く絞り込んでいるため母数も関係していますが、開封率やコンバージョンはかなり高いです。

 また、以前のツールだと自動開封と手動開封の区別がつかなかったのですが、Brazeでは分けて確認できるので助かっています。その結果を見て改善を重ねたことで、手動開封率が2倍に向上したのは嬉しかったですね。

高原:松本から「高頻度の接点」という顧客体験のビジョンがありましたが、やたらメールが届いてもお客様には敬遠されると思っていました。しかし、セグメントを絞ってお客様のためになる情報をお伝えできればエンゲージメントが非常に高くなるのだと、Brazeを活用して感じているところです。

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直感的な操作で工数削減、内容の工夫に思考もシフト

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/24 13:09 https://markezine.jp/article/detail/39286

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