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事例&データで深掘り!Instagramマーケティングの現在地(AD)

今年のテーマは価値共創。インスタの「今」を総まとめしたHouse of Instagramをレポート

花王がゲスト登壇、広告戦略のドラスティックな改革を明かす

 テレビCMの印象が強い大きなブランドを多く持つ花王だが、現在はデジタル施策、とりわけInstagram上での取り組みを拡大させている。たとえば、2021年5月に発売されたKATEの「リップモンスター」は、Instagramでのコンテンツ展開が功を奏し、発売から1年以上経った今でも入荷したそばから売り切れるほどの人気商品となっている。

 続いて行われたセッションでは、Facebook Japanの丸山祐子氏が花王の立山昭洋氏をゲストに迎え、花王のInstagram活用の秘訣に迫った。

(左)Facebook Japan 営業部長 丸山祐子氏(右)花王株式会社 マーケティング創発センター メディア企画開発部 部長 立山昭洋氏
(左)Facebook Japan 営業部長 丸山祐子氏
(右)花王株式会社 マーケティング創発センター メディア企画開発部 部長 立山昭洋氏

 まず立山氏は、花王の広告コミュニケーション戦略の柱を紹介。「テレビCM一辺倒の状況がだいぶ変わってきました」との言葉とおり、現在花王はSNSを起点としたブランドコミュニケーションの開発を広告戦略における最大のテーマとしている。その上で、テレビ×デジタルの組み合わせによる広告効果の最適化、さらにはロイヤルユーザー拡大を目的としたコミュニケーションにもトライしているという。

2022年の花王の広告コミュニケーションにおける重点テーマ
2022年の花王の広告コミュニケーションにおける重点テーマ

 花王のデジタルプラットフォーム活用は、「広告リーチ」と「ブランドへの興味・評判形成」の大きく2つの視点で行われている。広告リーチでは、テレビ×デジタルのトータルでリーチを最大化し、フリークエンシーを最適化。ブランドへの興味・評判形成においては、マス広告だけではビジネスインパクトがなかなか出にくくなっている昨今の状況を踏まえ、「話題化だけでなく、その先にある評判形成」を目指している。具体的には、次の3つの要素をそろえるように意識しているそうだ。

 「【1】話題の種になるコンテンツに加え、【2】UGCを含めた第三者の商品レビューによって評判を形成し、そしてその裏付けとして【3】ブランド公式で商品のスペックなどの情報を広告として出していく。デジタルプラットフォームを活用するときには、この3つを揃える必要があります」(立山氏)

 5年前は8対2だったテレビ広告とデジタル広告の割合は、現在おおよそ5対5に。年間100億円ほどの予算がデジタル広告に移行しており、非常にドラスティックな改革を進めていることが共有された。中でもInstagramはビジュアル面で多彩な機能を持つため、化粧品の魅力を伝えやすいプラットフォームだと立山氏は認識しており、【1】話題の種と、【2】評判形成となるレビューの2点におけるコンテンツ生成に役立てている。

改革を成し得るのは、啓蒙・教育を促進する社内体制があるから

 立山氏は具体的なInstagram活用の事例として、「ビオレUV水層パック(日焼け止め)」と「メリーズ(おむつ)」の2ブランドでの施策も紹介した。これらのブランドはいずれもSNSでの話題化を狙ったコミュニケーションと第三者からのレビューコンテンツを展開し、追いかける形でブランド公式情報をデジタル広告やテレビCMで発信。結果的に「ビオレUV水層パック」では店舗で欠品が起こるほどの反響となり、その情報がさらなる話題を生んだという。「メリーズでは、テレビや店頭よりもInstagramでの施策が最も購入意向率の向上につながり、大きな収穫がありました」と立山氏はその手応えを話した。

 マーケターだけでも200人以上が在籍する大企業でありながら、こうした広告戦略のドラスティックな改革を進めている花王。その裏には、経営層や部門長だけでなく、ブランドを最もよく知る現場担当者が日々議論と試行錯誤を繰り返しながら自ら意思決定することを重視する体制がある。現場担当者のマーケティングリテラシーやスキルを高める取り組みも社内外で行っているそうだ。

現場で意思決定できるよう、事業部門のスキルと感度を最大化・最適化するための取り組み
現場で意思決定できるよう、事業部門のスキルと感度を最大化・最適化するための取り組み

 「経営トップを含め、定期的にFacebook Japanさんを訪問して知識や体験を積み重ねており、理解と肌感覚のレベルを近づけていけるようにしています」とInstagramとの協力体制による良い影響もあると立山氏。デジタル施策を本格化させる上では、社内外での啓蒙活動、教育も必要であることがうかがえるセッションであった。

★参加登録後すぐに視聴可能! House of Instagramのアーカイブ視聴はこちらから★

House of Instagram 2022 参加登録/アーカイブ視聴ページ

※2022年12月31日まで視聴可能

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/14 12:00 https://markezine.jp/article/detail/40350

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