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Googleがクラウドゲームサービス「Stadia」を閉鎖 その背景にあった落とし穴を探る

コア層ではなく、カジュアル層が利用したStadia

 Googleは公式発表で、Stadiaの閉鎖理由として十分なユーザーを獲得できなかったことを挙げている。

 なぜStadiaにユーザーが集まらなかったのか。大きな理由として考えられるのは、想定ユーザーの設定が間違っていたことだ。

 前述したように、GoogleはAAAゲームを通じてStadiaユーザーを獲得しようとしていた節がある。しかし、ここに落とし穴があった可能性がある。

 一般的にAAAゲームをプレイするのはコア層であると考えられる。コア層は、熱心なゲームプレイヤーであり、すでにPS5やXboxなどのコンソールに加え、ハイスペックなゲーミングPCを有している確率が高い。コンソールやPCを持っている人が月額課金制のStadiaをわざわざ利用するインセンティブはかなり低いのだ。

 コア層は、YouTubeやTwitchでの配信を通じてゲーミングコミュニティを形成する能力を有している。コア層を獲得できなければ、そのコミュニティやフォロワーへのアプローチもできないことになる。

 では実際にStadiaを利用していたのはどのような層なのか。テックメディア「TechCrunch」が2022年10月に公開した記事のコメント欄にそのヒントを見つけることができる。

 同コメント欄にあったのは次のような内容だ。

「(Appleの)Macだけ持っていて、3ヵ月に1回のみゲームをプレイする自分にとってStadiaは完璧なサービスだった。ハードウェアに投資することなく、またパソコンのストレージを圧迫することなく、比較的新しいゲームをちょうど良いクオリティでプレイできる点が良かった」

 このコメントが示唆するのは、Stadiaのおもなユーザーは、ゲーミングハードウェアを持っておらず、プレイする頻度が低いカジュアル層であったということだ。

 またAAAと呼ばれるゲームは、ストーリー性が強く、クリアするまでに時間を要するものが多い。毎日ゲームプレイするコア層には問題とならないが、カジュアル層にはプレイするまでのハードルが高くなる。このこともStadiaのユーザー獲得に影響した可能性が考えられる。

 GoogleがStadiaを閉鎖する一方、Netflixがゲーム事業に本腰を入れ始めている。NetflixはGoogleとは異なり、カジュアルにプレイできるゲームを拡充する方針だ。Netflixのカジュアルゲーム戦略がどのような展開を見せるのか、GoogleのAAAゲーム戦略との対比しながら今後の動きに注目していきたい。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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2022/11/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/40686

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