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日本郵便「デジタル×アナログ」実証実験プロジェクト(AD)

ROI前年比125%を実現 アシックスと富士フイルムビジネスイノベーションが実践したスマートDM施策

パーソナル二次元バーコードを付与して遷移率を10%改善

MZ:アシックスの課題解決に向けて、富士フイルムBIではどのような設計を行いましたか。

池田:「Marketing Cockpit」を用いてデータ統合・分析・可視化、セグメント抽出、パーソナライズ化のサイクルをご提供しました。まずは、DMが届いてからの顧客行動の計測ができるように、パーソナライズ二次元バーコードを付与しました。施策前は、DMが届いた後のお客様の行動がわからず、店舗で購入していただいて初めてその行動がログとして残る状況でした。

 パーソナライズ二次元バーコードにより、その顧客がWebサイトを訪れているのか、ECで購入しているのか、店舗で購入しているのかといった行動を計測し、顧客行動を明らかにしました。その行動結果をもとに施策の目的に応じたセグメント設計をしました。そしてその結果を分析するサイクルを回すことで、顧客行動データを蓄積し顧客理解を深めています。

パーソナル二次元バーコードを付与したハガキ
パーソナル二次元バーコードを付与したハガキ

森村:さらに弊社では、アシックス様から取得させていただいたPOSデータやWebサイトのアクセスデータを組み合わせ、データベース化することでセグメントの切り出しを容易にしました。また、店舗で購入されたログとDMを送付した方のデータを突き合わせることで、「DMを受け取ったどのくらいの方が購入したのか」を可視化するダッシュボードも構築しました。

MZ:Webサイトにアクセス後の設計についてはいかがですか。

池田:二次元バーコードから会員登録サイトに飛んで実際に会員登録するまでの割合を計測したところ、DMからアクセスしても3割もの方が離脱していることが判明しました。要因は、会員登録サイトの画面上に既に会員であることが前提のログイン画面が表示されることで「自分向けのページではない」と感じて離脱してしまうからという仮説を立てました。

 そこで、DMの二次元バーコードからアクセスした人のみに会員登録サイト上でポップアップを出し、クーポン利用導線を構築したところ、ポップアップありの方がなしに比べ遷移率は10%向上、会員登録率も3.3%アップしました。

開いてもらうことを重視 あえてZ型にしたクリエイティブ

MZ:クリエイティブについてはどのような工夫を行いましたか。

池田:過去の施策では、定型サイズのペラやV字圧着ハガキに文字と画像のみのシンプルなDMが多かったとのことでした。そこで、フュージョン社と協業して非定形型の大判に近いサイズのV型・Z型で圧着する形状に変更し、まず手に取って開いてみたくなるようにしました。また、顧客名を印字し呼びかけることで、特別感ある導入で開封の誘導も狙いました

 会員サービス登録促進DMでは、会員システムを切り替えいただいた方に向けた3,000円オフクーポンを「特別なご案内」として強調。また、ポイント還元率が以前の会員システム(0.5%)から10倍の5%にアップした点など、OneASICS会員の特典を大きく表示しました。

 新商品の購入促進を目的としたDMには、開発者の方が新たなスニーカー「ペダラライドウォーク」に込めた想いやその機能性をお顔写真とともに記載し、ものづくりに対する情熱が伝わるようなクリエイティブにしました。また、今回の新商品は、アシックス様にとって久々の新機能を搭載したスニーカーということで、商品の大きな写真や洗練されたスタイリング写真を意識的に配置しました。

開発者のメッセージが見えるクリエイティブ画像
開発者のメッセージが見えるクリエイティブ画像

森村:また、パーソナライズされたDMという特徴を活かして、検証として離反期間ごとにクーポン金額を「1,000円」と「2,000円」とで可変にして配信しました。すると反応率は大きく違い、「1,000円」が4.7%、「2,000円」が10%で、「2,000円」の方が購入単価も高くなっており、「2,000円」の方が売上としては伸びたことがわかりました。

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会員サービス登録促進でROI前年比125%を達成

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この記事の著者

堤 美佳子(ツツミ ミカコ)

ライター・編集者・記者。1993年愛媛県生まれ。横浜国立大学卒業後、新聞社、出版社を経てフリーランスとして独立。現在はビジネス誌を中心にインタビュー記事などを担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/03/28 12:37 https://markezine.jp/article/detail/41535

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