価格差を設けることが社会的責任にもつながる
差別価格
差別価格は価値基準のフレームワークで、同一の商品・サービスでも顧客の属性やエリア別で複数の価格を設定する手法だ。これは主に次の二つの目的・ケースで採用されることが多い。一つ目は、時間帯や季節に応じて値段を変えることで、販促効果をもたらし、結果、全体の売上・利益の最大化につなげるのだ。
二つ目は、社会的な要請に応えるためだ。たとえば、博物館や美術館、動物園などには子ども料金がある。このような施設を訪れることは学生や児童にとって教育の一環であり、子どもに学びの機会を提供する、という社会的使命が求められるのである。

なお、差別価格には次のような種類がある。
2.地域や場所による差別価格(関西地区限定価格、農産物直売所価格)
3.時間や季節による差別価格(ハイシーズン料金、休日料金、ハッピーアワー)
4.購入数量による差別価格(スーツの2着目割引)
5.用途による差別価格(テイクアウト料金、スタジアムの一般利用・イベント利用)
ティアード・プライシング
消費者心理基準の価格戦略フレームワークだ。商品の購入数量が一定数を超えた場合に超えた分の商品の販売単価を段階的に下げる手法。いわゆる「まとめ買い」を促す目的で使われ、たとえば購入数量が1~3点では単価を500円に、4~6点では単価を450円に、7点以上では単価を400円にする、といった形だ。
客寄せパンダで集客し、別の商品で利益を出す
客寄せパンダ
これも、消費者心理基準の価格戦略フレームワークだ。いわゆる集客目的の商品・サービス、その価格設定のことをいう。まず客寄せパンダ(の商品・サービス)で顧客と接点を作り、別の商品・サービスで最終的には利益を出す、といった使われ方が一般的だ。
たとえば、剃刀やプリンター、ウォーターサーバーといった主製品は価格を抑えつつ、替え刃やインク、給水タンクなどの消耗品の追加販売で利益を得る。継続収益を得ることを目的とした、ストック型ビジネスの一つとして「リカーリング」と呼ばれることもある。
その他、無料でサービスを提供することで認知を広げつつ、追加機能の利用やアイテムの入手を課金制にすることで収益を得るビジネスモデルも、客寄せパンダの手法が使われている。このビジネスモデルは各種アプリゲームのほか、GoogleフォトやYouTube、クックパッドといったWebサービスと相性が良い。
サブスクリプション
サブスクリプション、通称“サブスク”は、競争基準の価格戦略フレームワークに該当する。なお、subscriptionとは新聞や雑誌の定期購読を意味し、商品・サービスを購入するのではなく、一定期間利用できる「権利」に対して料金を支払う販売形態だ。
比較的安価に商品・サービスを利用でき、解約の自由度も高いため、従来の購入よりも敷居は低い。ストリーミングサービスの「Netflix」や「Spotify」、カーシェアの「KINTO」などが代表例にある。特にデジタルコンテンツ系のサービスは販売量が増えても追加コストは極めて低いため、サブスクリプションとの相性は良いだろう。
また、「定額制サービス」とほぼ同義で使われるが、サブスクリプションはより顧客との長期的な関係構築を重視するニュアンスが含まれる。そのため、顧客からのフィードバックを受けてサービスの中身をブラッシュアップし続けていく点にも特徴がある。
