SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

時事イベントに見るスポーツマーケティング入門

ヴィトンとイベントマスコットはもうけの仕組みが同じ?
【スポーツマーケ】オリンピックに学ぶ権利ビジネス

 なーむくん、せんとくん、まんとくんなど、マスコットキャラクターの話題は、わかりやすいし楽しいので、マスコミのかっこうのネタに。スポーツイベントのキャラクターも同様ですが、オリンピックでは、ユベロスが「権利ビジネス」にガチっと結びつけました。かわいい顔の裏で動く、莫大な金額の仕組みを解説します。【バックナンバーは こちらから!】

スポーツイベントのマスコットなぜイマイチ?

 今や、スポーツの大会には「公式マスコット」というキャラクターがつきものである。それは国際大会に限らない。たとえば、2010年の千葉国体のキャラクターは「チーバ君」(そのまんまやないけえ!!)という犬である。ま、千葉県の形状をそのまま犬にし(多少安易かな?)たもので、ペロッと出した舌がディズニーランドのある浦安だとか(…わかるかい!!)。

これがチーバくん
これがチーバくん

 Wカップや五輪などのメガスポーツイベントには公式マスコットの存在がもはや常識。しかも、そのマークの使用は、公式スポンサーなどに限られている、というのも「ジョーシキ」だ(報道関係は例外も)。

 北京五輪のマスコット は2005年に発表されている。魚、パンダ、チベットカモシカ、ツバメ、それにオリンピックの聖火の5体のちびっ子人形。なぜ、4つの「動物」に聖火ちゃんが入っているのだろうか。その謎は、それぞれ「ペイペイ」「ヂンヂン」「フアンフアン」「インイン」「ニー二」という名前がついており、これは中国語の「北京歓迎処」、つまり「ようこそ北京へ」という意味を表すらしい(「五族共和」を思い出す私は古いのか?)。

 開幕式まで、もう1ヶ月も切ったといいのに、今回はせっかく苦心(?)のマスコットたちを目にすることが少ないような気がするのは、なぜだろう? やはり「チベットカモシカ」が入っているせいだろうか、などと考えてしまうのはうがちすぎか。

 そういえば、2002年のWカップの公式マスコットって覚えてます? 「アトモ」君。覚えてないよなあ。今、あのマークの入っているTシャツなんか着てたら笑われるんじゃないかな。あれは、当時欧州で流行っていた「ポケモン」を意識し、「こんな感じなら子どもにも受けるだろう」的な、かなり安易な発想で、(大会直前に破綻した)ISL社の社長の肝いりでデザインされたもの。

 発表の記者会見直後にその社長と会う機会があったのだが、どう見てもセンスのある奴には見えない。スイスの田舎者という風情。筆者に「アトモはいいだろう。うちの子どもも気に入ってるんだ」と自慢げ。その子は当然ポケモンファンでしたな。

 どうもアジアの大会のマスコットのマークはイマイチ、と思っている方は少なくないだろう。なぜか。理由の第一は、デザインが欧米でなされていることにあると思う。つまり、欧米人の「アジアってこんな感じ」というイメージがベースにある。欧米の映画に出てくる日本人の役を思い出してほしい。おしなべて「ダサい!こんな奴いるか!」ではないだろうか。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
マスコットはオリンピック三大収入源の1つ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
時事イベントに見るスポーツマーケティング入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

広瀬 一郎(ヒロセ イチロウ)

1980年株式会社電通に入社。ワールドカップをはじめ、サッカーを中心とした団体スポーツのイベントを多数プロデュースする。1994年に「2002年ワールドカップ招致委員会」事務局に出向、1999年にはJリーグ経営諮問委員会委員就任、2期4年を務めた。豊富な経験に、スポーツにビジネス・メソッドの活用を訴える先駆的視点を持ち合わせた、スポーツマーケティング分野の論客。著書は『スポーツ・マネジメント入門』『「Jリーグ」のマネジメント』(ともに東洋経済新聞社)など多数。2008年、多摩大学・大学院教授に就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2008/07/15 11:00 https://markezine.jp/article/detail/4523

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング